1) COVID-19は2020年の米国の総死亡者数を増加させた主要要因
2) ファイザーワクチンは南アフリカ変異株にも有効、効果も半年以上持続
3) 東京都、医療機関等を対象に検査拡大の方針へ
4) 厚労省、ワクチン接種対象を12-15歳にも拡大検討
5) 第2波に見舞われているインドがワクチン対象者を45歳以上に拡大
<インドは45歳以上を対象としたワクチン接種政策を開始>
「4億人への接種を求められている。これは最低限条件で目標だ」
「現在われわれは緊急事態に対応している。あるものは何でも使う」
(インド政府当局者)
●COVID-19は2020年の米国の総死亡者数を増加させた主要要因
→COVID-19陰謀論(?)の主張として、「PCR陽性死亡例がすべてCOVID-19が死因として扱われているため、リスクが過剰評価されている」というものがあります。
下記の米国からの報告は暫定報告ですが、これに反論する形になっていると思います。
この統計は死亡者の報告データをreviewして死因を正確に特定し、例年は11か月後に公開されているもののようです。
結果は、COVID-19以外の原因による死亡数は不変ですが、これに上乗せされる形でCOVID-19による死亡者数が増加。
2019年に比べ2020年は人口10万あたりの死亡者数が15.9%増加という結果。
その他の複数の国でも総死亡者の増加が報告されています。
上記の主張はこれで完全に退けられたと思いますが、主張し続けるならこのデータへの反論から始めるべきかと。
Provisional Mortality Data — United States, 2020
https://t.co/EGsiSs1K4Q?amp=1
・米国で約358,814人が死亡し、年齢調整を行った推定死亡率は人口10万人あたり2019年の715.2から828.7人と15.9%増加した。これは2017年以来の増加であった
・COVID-19はこれら死亡者のうち推定37万7883人(11.3%)の死亡の原因として報告された(人口10万あたり91.5人)。死亡原因としては心疾患、癌に次いで第3位であった。
・COVID-19による死亡率は1-4歳(0.2人)および5-14歳(0.2人)で最も低く、85歳以上(1,797.8人)で最も高かった。
・年齢調整後のCOID-19による死亡率は男性(115.0人)は女性(72.5人)より死亡率が高かった。同様に多人種multiracial)(31.8人)およびアジア人(66.7人)で低く、アメリカインディアン/アラスカ原住民(187.8人)およびヒスパニック系(164.3人)で高かった。
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・2020年の各州の死亡者数
COVID-19(水色)とそれ以外(青)で表示しています。
COVID-19以外の死亡者数は年間を通じてほぼ平坦です。
COVID-19がこれに上乗せする形で死亡者数を増加させています。
・死因別患者数 COVID-19は心疾患、癌について3位。 4位以下を大きく突き放しています。
●ファイザーワクチンは南アフリカ変異株にも有効、効果も半年以上持続
→in vitroの検討で臨床的有効性は示唆されていましたが、リアルワールドでも証明された形です。
南アフリカで800人を対象に実施した第3相試験で9人の感染者が出たが、全例プラセボ群だったと。
・複数の国で実施された臨床試験46307人の検討では発症阻止の有効率91.3%
・重症化阻止効果はCDC基準で100%、FDA基準で95.3%
・12歳以上の小児の有効性と安全性が検証済み。現在生後6ヶ月以上を対象に試験中。
・1回接種後2週目から80%の有効率を示す
・感染阻止効果は接種後半年でも90%以上が維持されている
・年内には冷蔵保存可能な剤型が登場予定
・新規変異株への対応能力も現時点では最も高い
・現在までで臨床試験では予期されていなかった有害事象はまだ報告がない
熾烈なワクチン競争の決着が見えてきた気がします。
https://t.co/5ou7Us8nro?amp=1
→ファイザーワクチン接種から半年までの約46000人の追跡調査
この時点まで評価しても発症予防効果は91.3%だったと。
もっとも重要な重症化阻止効果はもっと高いでしょう。
効果は徐々に減衰すると仮定すると、反復投与が必要だとしても1年あるいはそれ以上の間隔で良さそうです。
ファイザーワクチン、半年後も9割有効
https://t.co/W7hBe1aHHJ?amp=1
●日本の状況
→東京都の推移
東京都 新型コロナ 440人感染確認
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210402/k10012952371000.html
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都内で新たに440人が新型コロナウイルスに感染していることを確認
都の基準で集計した2日時点の重症の患者は、1日より1人減って43人
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本日の全国の感染数・推移
大阪613人、兵庫174人、埼玉163人、愛知145人、神奈川133人、宮城116人、千葉105人、沖縄103人、
京都68人、北海道57人、奈良54人、
福岡39人、茨城35人、福島34人、群馬34人、栃木32人、
静岡30人、新潟30人、滋賀30人
https://t.co/90gSdETBQF?amp=1
→東京都、医療機関等を対象に検査拡大の方針へ
4-6月までの期間で以下を実施すると。
・感染リスクが高い病院と精神科の医師や看護師、約7万人を対象に4-6月まで週1回抗原検査
・重症化リスクが高い高齢者施設などの職員、約11万人を対象に月1回のPCR
無症状者への検査拡大の方向へ流れが変わるか?
都 医療従事者と高齢者施設職員に定期検査 感染拡大の端緒把握
https://t.co/38sN3J6Ijx?amp=1
→抗原検査はもっと活用して良いと思います。
すでにPCRレベルの高感度・特異度のキットも登場している一方で、キット間の性能差は大きいです。
性能の悪いキットを使用すると、感度も低いうえに偽陽性も続出する事になり、かえって現場が混乱するでしょう。
現時点で26種の抗原検査が承認されています。
下記で感度、特異度のデータも参照可能。
新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品(検査キット)の承認情報
https://t.co/4TaZ3q8vat?amp=1
→厚労省、ワクチン接種対象を12-15歳にも拡大検討と
追加の国内治験なしで承認できるか、検討するようです。
ようやく尻に火がついたか?
現時点でファイザーワクチンは16歳以上で承認、モデルナ・アストラゼネカワクチンは18歳以上で承認審査中。
その前にファイザーワクチンが予定通り入手できるのかが問題ですが・・・
ワクチン接種、12~15歳に拡大検討 厚労相が方針
https://t.co/x2ARZYx1ge?amp=1
→第2波に見舞われているインドがワクチン対象者を45歳以上に拡大
ワクチンの種類が明記されていませんが、インドが国内生産しているアストラゼネカワクチンでしょう。
WHOのCOVAXファシリティへの主要供給元ですので、途上国へのワクチン供給に大きな影響を与えそうです。
ワクチン接種対象者は4憶人。
インドが4億人のコロナワクチン接種開始、45歳以上に対象拡大
https://t.co/3luLgySnec?amp=1
・問題はインドで拡大傾向とされているE484K/ L452R変異株です。
E484K変異株に対するアストラゼネカワクチンの有効性は検証されていたかを私自身は把握していません。
インドの第二波がすさまじいです。
上が新規感染者数、下が死亡者数の推移。
https://arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6