はやぶさ2の試料に水や有機物の特徴 生命誕生の謎解明へ前進(産経新聞) - Yahoo!ニュース
探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウで採取した試料から、水や有機物を含むことを示す特徴が見つかったと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が27日、発表した。詳しく分析することで、地球の水の起源や生命誕生の謎の解明につながる期待が高まった。 JAXAは仏の研究機関と共同で、リュウグウの試料が入っている容器の窓から、特殊な光を使う顕微鏡で試料を観察。反射した光の波長を調べたところ、水や有機物の存在を示す特徴が見つかった。今後は容器から試料を取り出し、実際に含んでいるかどうか直接確認する。 リュウグウは炭素を主成分とする原始的な小惑星で、太陽系が誕生した約46億年前の状態をとどめているとされる。はやぶさ2による上空からの観測で水や有機物が存在する可能性が指摘され、試料の分析結果が注目されていた。 地球の水や生命の材料となった有機物は、原始の地球に小惑星が衝突したことで運ばれたとの仮説が有力視されている。分析を担当するJAXAの臼井寛裕グループ長は「はやぶさ2が試料を持ち帰ったおかげで、実際に分析できる。とても興奮している」と意気込みを語った。
太陽フレアよりも100倍強力なフレアがプロキシマ・ケンタウリで起きていた(sorae 宇宙へのポータルサイト) - Yahoo!ニュース
コロラド大学ボルダー校のMeredith MacGrego氏らの研究グループは、太陽に一番近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」において、太陽フレアよりも約100倍強力なものを含む複数のフレアが検出されたことを発表しました。プロキシマ・ケンタウリではこれまでに2つの太陽系外惑星が報告されていますが、研究グループによると、これらの惑星は日常的にフレアにさらされている可能性があるようです。
■1万4000倍も強くなった紫外線の放射をハッブル宇宙望遠鏡がキャッチ
太陽系外惑星はこれまでに4300個以上が見つかっていて、そのうちの幾つかは恒星のハビタブルゾーン(地球型惑星の表面に液体の水が存在し得る領域)を周回する岩石惑星とみられています。約4.22光年先にあるプロキシマ・ケンタウリで発見された「プロキシマ・ケンタウリb」もその一つです。このような系外惑星は生命が存在できる環境を有している可能性がありますが、それを左右する要素のひとつが、主星である恒星の活動です。 ハビタブルゾーンを公転する岩石惑星の多くは、太陽よりも軽くて低温な赤色矮星(M型星)の周囲で見つかっていますが、赤色矮星では恒星の表面で発生する爆発現象「フレア」が起きやすいことが知られています。強力なフレアがもたらす放射線は生命を脅かす可能性がありますし、長期的にはフレアによって惑星の大気が徐々に剥ぎ取られてしまうことも考えられます。 研究グループは赤色矮星のフレアをより深く理解するべく、「ハッブル」宇宙望遠鏡や「アルマ望遠鏡」といった地上と宇宙の9つの望遠鏡を使い、2019年にプロキシマ・ケンタウリを合計40時間観測。その結果、プロキシマ・ケンタウリで発生した複数のフレアを検出したとされています。 特に注目されたのは、2019年5月1日に5つの望遠鏡で検出された7秒間のフレアでした。研究グループによると、このフレアでは可視光線はそれほど放出されなかったものの、紫外線とミリ波(波長1~10mmの電波)では非常に明るくなり、紫外線の強さは数秒間でおよそ1万4000倍に達したといいます。 研究に参加したアリゾナ州立大学のParke Loyd氏は、フレアの紫外線を捉えたハッブル宇宙望遠鏡の観測データを見た時のことを「注目すべき現象を捉えたことがすぐにわかりました」と振り返ります。冒頭でも触れたように、このフレアは太陽で起こる同様のフレアと比べて約100倍強く、プロキシマ・ケンタウリで検出された最大規模のフレアとされています。 MacGrego氏によると、プロキシマ・ケンタウリを周回する惑星は少なくとも1日あたり1回はフレアにさらされている可能性があるようです。研究グループでは、生命に適した環境を持ち得る惑星に対してフレアが及ぼす長期的な影響を見極めるために、フレアの規模と発生する頻度の関係を把握することが次のステップだとしています。
連星のハビタブルゾーンにも生命に適した惑星が存在する可能性(sorae 宇宙へのポータルサイト) - Yahoo!ニュース
ニューヨーク大学アブダビ校のNikolaos Georgakarakos氏らの研究グループは、2つ以上の恒星から成る連星のハビタブルゾーン(地球型惑星の表面に液体の水が存在し得る領域)において、生命に適した惑星が存在できる可能性を示した研究成果を発表しました。映画「スターウォーズ」シリーズの舞台の一つである「タトゥイーン」のように、2つの太陽の下で生命を育む惑星もどこかにあるのかもしれません。
■複数の恒星や巨大惑星の影響を受けつつもハビタブルゾーンに留まれる可能性
太陽は単独の恒星ですが、複数の恒星が共通の重心を周回し合う連星も宇宙では一般的な存在で、その数は恒星全体の半分から4分の3を占めると推定されています。これまでに4300個以上が見つかっている太陽系外惑星のなかにも、連星の周りを公転する「周連星惑星」と呼ばれるものが幾つか見つかっています。 研究グループは今回、連星の周囲に安定したハビタブルゾーンが存在し、地球に似た周連星惑星が存在できるかどうかを調べました。対象となったのは、アメリカ航空宇宙局(NASA)が2018年まで運用していた宇宙望遠鏡「ケプラー」によって周連星惑星が発見された9つの連星です。 分析の結果、「ケプラー34」「ケプラー35」「ケプラー38」「ケプラー64」「ケプラー413」の周囲には恒久的なハビタブルゾーンが存在する可能性があり、生命に適した環境を持つ惑星も存在し得ることが示されました。ハビタブルゾーンはこれらの連星の重心から数えて0.6~2天文単位(※)から始まり、0.4~1.5天文単位の幅があるといいます。 ※…1天文単位(au)=約1億5000万km、地球から太陽までの平均距離に由来する いっぽう、残る4つの連星については、生命に適した惑星が存在する可能性は低いことが示されました。その理由は、周連星惑星を取り巻く複雑な環境にあります。 研究グループによると、周連星惑星の公転軌道は2つの恒星がもたらす重力相互作用の影響を受けて、時間の経過とともに軌道の形が楕円形になっていく可能性が従来の研究で示されているといいます。楕円形の軌道を公転する惑星は1回公転する間(その惑星にとっての1年)に日射量そのものが変動するため、惑星全体の気候が大きな影響を受けることになります。 また、分析対象となった連星でこれまでに発見された周連星惑星は、いずれも海王星以上のサイズを持つ巨大惑星だといいます。巨大な惑星はより小さな天体の軌道を乱して恒星に落下させたり、惑星系から放り出してしまったりすることもあり得ます。つまり、地球に似た周連星惑星がハビタブルゾーンに留まる可能性は、連星や巨大惑星からの複雑な相互作用に左右されることになるわけです。 Georgakarakos氏は、特にケプラー38(こと座の方向およそ3970光年先)について「海がある地球のような惑星の存在に適しています」とコメントしています。
超新星爆発の謎解明 ニュートリノが衝撃波を加速 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
太陽の10倍以上の質量を持つ星が起こす「超新星爆発」の仕組みについて、素粒子ニュートリノが物質を加熱することで引き起こされていた証拠を観測したと、理化学研究所が率いる国際共同研究チームが発表した。英科学誌ネイチャーに21日、論文が掲載された。 質量の大きな星は進化の最終段階で、自らの重さに負けて重力崩壊することがきっかけとなって大爆発を起こすが、そのメカニズムは十分に解明されていなかった。ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏が成功したニュートリノの観測結果を手がかりに、重力崩壊で大量に放出されるニュートリノのエネルギーが物質を加熱し、衝撃波を加速して爆発に至るとする説が有力視されてきた。理論的な研究は進んでいたが、観測による決定的な証拠は得られていなかった。 チームは、約350年前に爆発した超新星の残骸である「カシオペヤ座A」をX線で観測し、爆発の中心付近でしか合成されない鉄が外側に飛び出た構造を調べた。この部分に鉄だけではなく、他の金属元素であるチタンやクロムが同時に存在することを発見。これらの観測値が、ニュートリノによる加熱で爆発が起きるときに合成される元素の量を理論計算で予測した値と一致した。 このことからチームは、ニュートリノの加熱によって爆発が起き、上昇流によって金属元素が外に飛び出た構造が生み出されたと結論付けた。 チームの佐藤寿紀・立教大助教は「爆発の仕組みは宇宙物理学上の未解決問題とされていたが、その核心に迫ることができた」と話した。
水の起源は宇宙? 世界初!隕石から炭酸水発見(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
隕石(いんせき)の中から液体の炭酸水が世界で初めて発見されました。 立命館大学の土山明教授らの研究グループは2012年にアメリカ・カリフォルニア州に落下した隕石の内部を調べたところ、20万分の1ミリの隙間に二酸化炭素を多く含んだ水が液体のまま存在することを発見しました。 立命館大学・土山明教授:「(地球の水は)水を持った物質が地球に降り注いでできたのではないかという説が最も有力。(地球の)水の起源として本当にちゃんとした液体の水があったことを初めて示した」 この隕石は日本の探査機「はやぶさ2」が石を持ち帰った小惑星「リュウグウ」と同じ特徴を持っています。 はやぶさ2が持ち帰った石からも液体の水が見つかることが期待されます。