https://news.yahoo.co.jp/byline/shimomurayasuki/20190620-00130816/ 略
少しその存在を意識すれば気づくのですが、「砂」も限りある天然資源なのです。
そして近年世界各地で砂不足が問題化し、違法採取による環境破壊が顕在化したり、「砂マフィア」と呼ばれる犯罪組織が暗躍したりするほど、貴重な存在になっているのです。
砂を大量に消費する行為として頭に浮かぶのは、関西国際空港やお台場などの大規模な埋め立て工事でしょう。
しかしそれは砂の使い道の一つでしかありません。最も多く使われているのはコンクリートやアスファルト混合物を作る際に使われる細骨材。その他にも、ガラス、歯磨き粉、化粧品など日常生活に深く関わる物から、電子機器や鋳型、シェールガスの採掘時など多種多様な形で利用されています。
他方、世界規模で「砂漠化」が問題になっている昨今、「むしろ砂は増えているのでは?」と考える方もいるかもしれません。ところが砂漠の砂は丸く小さすぎて、最大の使用用途である細骨材としても、埋め立て用としても利用出来ないのです。
そのため世界一高いビル「ブルジュ・ドバイ」や、椰子の木の形をした埋め立てリゾート「ザ・パーム」などで有名な中東の国・アラブ首長国連邦(UAE)も、国土の大半が砂漠であるにも関わらず常に砂を必要としていて、2017年は120万トン(6400万米ドル)を海外から輸入しています。
通常の家一軒に200トン、病院一つに3000トン、高速道路1マイル毎に1万5千トンの砂が必要だそうです。
いつの間にか「そこにあるのが当たり前」だった砂は、人口爆発と都市化の進展、そして急速なインフラ整備が進む今の時代、国家間で奪い合う天然資源になってしまっているのです。略