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食品の放射線基準と、福島県農家の深刻な立場

2012年02月16日 17時45分02秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
今、食品の放射性セシウムの新基準に関して、立場で意見が対立しているようだ。
同じ原発被害者でありながら立場により、意見が対立するというより複雑な話になってきた。

朝日新聞の記事では、厚生労働省がまとめた食品中の放射性セシウムの新基準について、文部科学省放射線審議会が16日、「必要以上に厳しい」として、被災地の食生活や農業への影響に配慮するよう異例の注文を付けた。」ことを紹介し、更に先月12日の放射線審議会の総会で、福島県のコープふくしま理事の佐藤理さんは「新基準が施行されれば、広範な田畑の作付けが制限され、福島の農業が壊滅的打撃を受ける」という意見も紹介している。

一方で、「厚労省の担当者は「どんな年代でも、どんな食生活をしても大丈夫なような基準値案になっている。厳しすぎるということはないはず」」という厚生省の意見と、更に阿南久・全国消費者団体連絡会事務局長は「消費者からすれば、基準値を緩めるということは絶対に認められない」という意見も紹介している。

どちらの言い分も、よくわかる。
現実問題、新基準は非常に厳しい。
低レベル放射線の害より、タバコとかその他調べると身の回りにはたくさん、ガンを誘発する可能性のものがあり、しかも人体で、ガンは常に発生していて、常に免疫により正常化されているという。
飛行機に乗ったり高地に行けば、宇宙線が増える。
紫外線による、皮膚へのダメージも大きい。
食品の中にも、ガンを誘発しなくても、大量に食べると人体に悪影響を与える食品もある。

これらの危険度と、低レベル放射線の閾値の決定との関連は比較出来ないけれど、評価からすれば興味深い問題を含んでいる。
安全基準と、合理的経済性の問題である。
安全性とは、突き詰めれば確率の問題で、この点に関しては経済性とも共通の問題なのだ。

ただ、放射性物質に関していえば、一度体内にとりこまれた場合、普通の物質では、新陳代謝で数ヶ月から数年すればほとんどの物質は、代謝され体外に出されるが、中には長くとどまるものもあるという。
その場合は常に内部被曝を受けることになり、宇宙線と違い非常に危険である。

このようなことを考えた場合、厚生労働省の言い分は正しいように思う。
逆に厳しい品質管理を施すほど、日本の食品の安全性が強調でき競争力がつく。
福島や原発被災地に関しては、東電と国が安全なレベルまで農地の除染を効率的にできる新技術開発し、開発が完成するまでは、充分な被害補償と、その間に放射性物質の影響を受けない代替作物を開発し作るしかないのではないだろうか。

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インフレ目標1%の大実験

2012年02月14日 19時41分11秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
今日の朝日の夕刊には「インフレ目標1%」の大見出しが出ていた。
NHKニュースでは、この件に関し次のように報道されている。
「具体的な政策としては、消費者物価指数が前の年に比べ1%上昇することを目指して金融緩和を推進し、金融機関から国債などを買い入れ、大量の資金を市場に供給するための基金の規模を、これまでより10兆円増やして65兆円まで拡大することにしました。」

今までも金融緩和を去年10月にもして、物価水準は2%以下の領域になるようにしたいというあいまいな形であったが、成果は上がってこなかった。

これに対し「政府などから、金融政策の運営にあたって、もっと物価の上昇を明確に位置づけるべきだといった批判が出され、日銀として、今回の新たな措置で、こうした批判に応えた形」(NHKより)になったという。

過去から、インフレ目標を導入すべしという話は、議論されていた。
しかし日銀は、適宜金融緩和をする形で目標は明確ではなかった。

この金融緩和の目的は、企業や消費者の需給を活発にし、景気をよくすることだ。
即ちお金が入ると、運転資金が増え、売れ筋を多く仕入れて販売したり、会社の設備を更新したり(設備投資)して、そのお金は注文先の企業に渡り、その企業や従業員を経済的に潤すし、又運転資金を増やしたり設備投資した企業も生産性や販売量が増加し利益を増す。
そのようにして、企業にお金を融資すると、企業活動が活性化し一般消費者や企業の需要=消費が活発になる。それに応じて供給=生産も活発になり雇用も増え経済活動全体が活発になり、需要と供給の関係は徐々に需要が多くなり、物価が上昇する。

通常は、景気が悪くなると政府は借金をして国が予算(=事業<国道・ダム・空港・各種箱物・教育・医療・・>)を大きくし、国から企業への発注を増やすことで、民間企業にお金がわたり上記と同じような構造で景気が良くなる。
戦前は、度々大不況に悩まされたが、ケインズがこのようなことを理論的に解明し、今はどの国も不景気になると、財政出動(予算を増す)して景気を悪くしないようにしている。
しかしその結果、安易に国債等の借金で財政を膨らまし続けた為に、借金が増えEUのような債務危機問題が発生している。
(本来国の財政は税収=収入と予算=支出が一致するべきである。しかし、一時的に借金し予算を膨らませ、投資資金を供給することで景気をよくて、儲けを増やして税収を増やし、借金を返済するべきところが、政治家の人気取り政策でばら撒きを行い、借金を返済できなる国が増えた。)

日本も、そのようなことを繰り返したため、借金が1千兆円にも達するようになり、財政的に景気刺激する余裕がなくなった。(それどころか、借金を減らすことが求められている。)
幸い日本の国債の多くが日本人保有であるため、イタリアのようにIMFの監視下に置かれることもなく救われている。
(IMF=国際通貨基金:困った時に国家にお金を融資してくれる国際機関。<余談だが、ワイドショーで有名な司会者が、IMFのことを「どこの銀行だか民間企業だか知らないけど」と口走り、解説員やコメンテータが慌てふためいていた。>)

そこで、政府の財政運営による景気刺激が行き詰まりを見せているので、日銀が今まではっきりと目標にしてこなかった、インフレ率1%を目安に、日銀が銀行にお金をどんどん貸し出すことで、企業の運転資金の増加や設備投資を活性化することで企業活動を活性化し景気を良くしようとするものである。

今後この金融政策がどの程度効果があるのか、大いなる実験として注目される。

余談だが、現在の円高傾向を考え場合、EUの状態を考えると円高基調は変わりそうもない。
そうであれば、内需拡大と円高に負けない新商品の開発、即ち技術革新=イノベーションを進めるべきである。
日銀の金融緩和により生まれた投資を、政府の新成長戦略に沿って誘導し、国際的にどこにも負けない高い付加価値の商品を生み出し、効率的に成果を挙げるべきである。


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政治不信を招いた、野党の党利党略と、国会を飲み込む橋下新党?

2012年02月13日 20時11分13秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
NHKの世論調査がでた。政党支持率が、注目されるがどの政党も支持しないが50%近くあるという。自民党、民主党の支持率もおおよそ17%前後だ。大阪維新の会との連携を大いに期待する、ある程度期待するが合わせて68%ある。

この数字は、国民の政治不信を大きく反映している。野党の党利党略による、政局中心の戦略が、日本の政治状況を大きく停滞させている。また政府与党の遅い決定や、実行力のなさ、それに小沢派の党内野党や既に一部脱党している民主党そのものの、求心力のなさと行政が的確に進まないマネジメントのまづさや、重要閣僚である防衛大臣の資質が疑われる閣僚人事等に国民はうんざりしている。

今、選挙をすれば、既成政党は間違いなく、橋下新党に飲み込まれるであろう。少なくとも野党が、党利党略・政局中心の政治を行う限り、この傾向は変わらないであろう。野党は、政局に持ち込んで選挙に出たところで、橋本新党に主導権を奪われるのは目に見えている。

果たして橋下新党の掲げる船中八策なる物が、いかがな物か。詳細に議論する必要がある。第一維新の会は橋下氏のカリスマ的指導により成り立っていて、民主的とは思われない。大阪市労働組合へのアンケート問題を見ても密告を奨励し、解雇権をちらつかせ、アンケートの回答を迫っている。ワンマン経営者がやる手口と同じである。この問題の詳細は、マスコミでは取り上げられていない。橋下人気にマスコミ全体が迎合しているように見える。

改革は大切だし、NHKの世論調査を見る限り、国民は大胆な改革を切望している。しかし、自分の意見に反対する者は敵とみなし、数を頼み押し通すのは良くない。

また詳細な議論もなされず、大阪市で行われているような、反対派は全て敵として報復するような体質は、独裁はかつて来た道とか、共産国と同じではないか。無論マスコミで報じられたように、組合の政治活動は徹底的に禁止すべきであり中立を保つべきだし、違反すれば罰則もやむをえない。公務員としての中立公正な職場規律は確立すべきであろう。しかし、そのために密告を奨励したり、職権の乱用やパワハラになっては問題である。維新の会の背景にそのような政治体質が隠されていないかどうか、マスコミも調査すべきである。
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日本の債務残高と増税と経費・予算の圧縮削減

2012年02月11日 22時02分54秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
2月2日の朝日新聞朝刊に、「三菱UFJ銀国債急落想定」の見出しが、一面トップを飾った。これは大変なことだと思ったが、その後スコミではほとんどフォローされなかった。関心の低さの表れだと思った。

又次のような報道もあった。「国際通貨基金(IMF)は3日、日本の政府債務(借金)の現状などを調べるため、今月6~13日に視察団を日本に送り、日本の当局関係者らと話し合うと発表した。年次審査は毎年この時期に実施しているが、視察団を送ることや内容を公表するのは異例。 欧州危機や円高など、日本経済の先行きへの不透明感が増していることに対し、IMFも危機感を強めている模様だ。」

この報道で注目すべきは、「年次審査は毎年この時期に実施しているが、視察団を送ることや内容を公表するのは異例。」としている点と「IMFも危機感を強めている」という点である。IMFの副理事のインタビューも聞いたが、かなり強い危機感を持っており、消費税増税は必要との立場であった。

この報道に関連して、昨年11月イタリアがIMFの監視下に入る(下記記事参照)ということが発表された直後から、首相が辞任し、国債金利が上昇し、イタリアは緊縮財政をすることで、国民が反発し、大騒ぎになったことを思い起こさせる。
その当時の記事はその状況を次のように伝えている。
「イタリアのベルルスコーニ首相は4日、財政再建や経済構造改革の進み具合について、国際通貨基金(IMF)の監視を受けることを決めた。ギリシャから始まった欧州の政府債務(借金)問題は、ユーロ圏第3の経済大国にまで及び、「債務危機」へと発展した。 ギリシャのように資金支援を受けて救済されるわけではないが、IMFの監視下に入らなければ市場から信用してもらえないところまで追い込まれた。IMFを支える主要7カ国(G7)の国が監視下に入るのは異例だ。 」

一方で、日本の債務残高はいくらかというと、報道によると、個人的試算としながらも五十嵐文彦財務副大臣は、「自身の試算によると、2012年3月末時点の政府債務残高は、前年の924兆3600億円から、1056兆円程度にまで増える可能性がある」と述べたと報道されている。

このように見ると日本の借金の状態は、非常に深刻な事態であることがわかる。話を冒頭の記事に戻すが、三菱UFJ銀は、貿易の経常収支の赤字化とか、消費税を増税しても財政赤字が続くと、国債の格付けが下がり、その結果日本の国債価格が急落し、10年物の国債金利が現在の1%から3.5%に上がると予想している。その場合損を避けるために短期国債に切り替えるという。もし他の投資かもそれと同様の行動をとれば、更に国債の金利は上がり、返済が増えることになり、借金返済費用がかさみ、財政運営が厳しくなるという。

因みに2011年9月の日本の国債は748兆円あり海外の投資家は6.3%保有しており、日本銀行や年金や自治体は、合わせて18%余り保有している。逆に考えると国債の82%は民間や海外資金が保有しているので、財政赤字が膨らみ、国債価格が下がりその結果国債金利が上昇すると、損失回避のため国債を買い換えたり売却する為、更に国債金利は上がる。

仮に日本の政府債務残高(借金)が千兆円と仮定して、金利が1%上昇するだけで、10兆円の利払いが増える。
例えばイタリアの国債金利は一時7%を越えたが、幸い日本の国債金利安定しているので、このままであれば国債の利払いの急増はない。

ところで2011年度の一般会計は92兆4千億円である。それに対し税収見込みは約40.9兆円である。その差額は国債を発行してまかなっているのだ。いま国債価格が下がり始め、国債の利払いが、仮に10兆円や15兆円に増加すると、もっと増税するか、必要な予算(例:社会保障費や防衛費や人件費)をカットすることを迫られるようになるかもしれない。

こんな自転車操業が続くわけがないので、今消費税の値上げや、経費の削減や予算の圧縮が叫ばれている。しかし、国民から見れば、議員歳費は削らず、公務員の人件費削減も予定通りできないし、その他の切り込みも不十分では、消費税値上げは国民から見れば納得できないだろう。だが上記の現実を見れば、日本にとって非常に切迫した大きな問題であることも事実だ。

政府は、社会保障と税の一体改革と無駄や経費の削減、及びEUの債務危機問題や新成長戦略を含む経済変動や人口構成の変化も加味して、総合的なマクロモデルによる将来の経済シュミレーションを国民に示すべきであろう。

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ヤフーの衰退とSNSの流れ

2012年02月08日 19時02分05秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
アメリカのヤフーがグーグルに押されて、業績が悪化し日本のヤフー株の売却を考えているという。
この記事を見ると、ネット業界の移り変わりの激しさを思う。

2007年に「村ぶろ」でブログを書き始めて、初めてSNSの世界を知ったが、それから、ヤフーやミキシーやgoo等のブログにも首を突っ込んだ。

当初ミキシーは敷居が高く、紹介がなければ加入できなかった。
ブログサイトの中でも別の種類の物と思っていた。
しかし、ミキシーの中にもいかがわしいサイトもあり、内容もピンからキリまでで、普通のブログサイトと同じだと感じ、その後あまり魅力を感じなくなった。

その後ツイッターのことを知ると、早速参加した。
まだやっている人は少なかったが、やり始めてブログとは全く違うコミュニケーションのあり方を知った。
ツイッターの中にはすばらしい情報が落ちている。
それを拾い出すのが大変だ。
いい情報を出すサイトは、限られている。
中身のないツイートが多い。

フェイスブックは、日本に上陸て間もない時に加入したが、使い方が分らず友達もなく、加入して一年近くそのままだった。
あるとき、再びフェイスブックのことが話題に上り始めたので、ためしにお世話になったアメリカ人の友人を探し出し何度かコミュニケーションをとることができた。
彼とのコンタクトは、夫婦で来日いらいしばらく文通が続いたが、私の英語力が落ちるにつれ、返事を出さなくなり、彼らもパナマの奥地に行き、コンタクトは途絶えた。
彼のアメリカの実家は、知っているが、実質ネットがなければ、コンタクトをとることが不可能であり、ネットの威力を知ることが出来た。
その後、彼からのコンタクトで、もう一人の共通の友人ともコンタクトが取れるようになった。
しかし、英語はすっかり忘れていて、いまやアメリカ人とのコミュニケーションはそれがネックの一つになっている。

その後、私の知り合いの日本人を検索して見つけ出し、徐々にその輪が広がっていった。
映画が話題になったのをきっかけに、フェイスブックへの加入者も増え、フェイスブックの友達も増えた。
いまや、ブログとフェイスブックやツイッターをリンクしていいて、ブログを掲載すると、ツイッターやフェイスブックにも自動的にリンク掲載されるようになっている。

ここ10年間を見てもIT業界は激変している。今年はフェイスブックが上場ということで盛り上がっている。
アメリカではフェイスブックは、ビジネスにも多用されているというし、いまやフェイスブックもツイッターも有力なビジネスツールになっている。

しかし、私の周りのフェイスブックの使い方は、きっちりと原則実名登録を言うこともありコミュニケーションできる範囲を絞っているように見え、多い人でも友人数は千人ほどで、多くの人は数十人から数百人だ。

それに引き換え、ツイッターは数万人のフォロワーも当たり前になっている。
しかしツイッターの場合でもフェイスブックでも、数千数万の人とはコミュニケーションできないので、必然的に業務用の宣伝媒体になるし、現実に業界ではいかに、ツイッターやフェイイスブックを宣伝やアフェリエイトに使うかという講座も多く開かれている。

このように見てくると、ヤフーやミキシーは変化の激しいSNSの流れに乗り遅れたのがわかる。
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田中防衛大臣と国会審議と国益

2012年02月07日 16時01分05秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
今日の各局のワイドショーでも批判的に取り上げられた問題で、国会質問の中でのクイズ形式の質問のことがある。

田中防衛大臣の問題に関しては、何よりも大臣の資質に問題がありそうなことは明らかだが、野党のクイズ形式の、学力検査もどきの質問もいかがな物かと思う。

近年の国会審議のあり方を見ていると、野党がクイズ形式の質問や、重箱の隅をつつくように、つまらぬスキャンダルを針小棒大に取り上げているのを見て、これでは野党にも期待できないと感じ始めているのだ。

与党を追い詰めたいのなら、正攻法で防衛政策の問題を質問し、その答弁の中から、不勉強な点や資質に関連する問題等を追求すればよいし、そのほうが建設的でかつイメージ作戦としても有効ではないか。

これまで、国会審議で、政策の問題点を突くのでなく、大臣発言の言葉尻を捕まえて、の追及が多い印象がぬぐえない。無論大臣の言動にチェックを入れるというのは大切なことであるが、事の軽重を判断し、本質的に重大な問題でない限り必要以上に時間をとるべきでない。

多くの国民が期待するのは、政策論争であり民意を汲み取った政策提言であろう。党利党略中心で政治を進めるべきではない。国民はこのような状態をしっかりと見ている。野党の支持率が大きく伸びてこない原因も、国民から見れば与党も野党も期待できないと見ているのではないか。

無論与党も問題は多い。田中防衛大臣の件については、誰が見ても不適任であり、主要閣僚である防衛大臣としては不適格であるのは、明らかであろう。ワイドショーではこうした問題を面白おかしく取り上げている。野党は党利党略で田中大臣問題を利用し、更に大きな重大な失点を重ねるであろうことを予想し期待しているのである。

しかし国政がそんなことでいいのであろうか。日本政府が他国から見て、防衛大臣に国民や政治家やから見て信頼されていない不適任な政治家がその任に当たることは、日本の危機管理能力をあなどられ国益を損なう可能性がある。何より大規模自然災害や、現状では考えられないが軍事衝突等の緊急事態が生じた場合、適切な国民の生命財産を守る指揮命令を的確に出来るのであろうか。

このようなことを考えると、野田総理の党内融和・派閥均衡もあろうが、重要閣僚には適材適所で人材を配置すべきである。総理は党利党略や派閥均衡を考えるのでなく国益を第一に考えるべきであろう
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西成高校の教育と底辺の教育改革

2012年02月02日 18時55分43秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
5時ごろコーヒーを飲み一休みしながら、TVをつけるとABCテレビ、西成高校を取り上げていた。
今年定員割れになったと言う。
橋下前府知事の時に、3年連続で定員割れになった学校は閉鎖すると言う方針とのことだ。
このまま定員割れが続けば、この高校は閉鎖対象になりかねない。
効率一辺倒からすれば、足手まといの学校は潰せということになるのだろうか。
それが維新の会のグローバルリズムに適合していく為の方向なのだろうか。

橋下市長の教育方針は、学力向上である。
これには、誰も異論はない。
エリート養成中心の底辺切捨て上昇志向中心、といった点取り競争の教育改革ならやめるべきだろう。

ただし、この件に関連しては、橋下市長が「教育バウチャー制度」導入という報道(下記参照)があったが、その方向性を見る限り、問題点を把握し対応しているように見えるので、今後を注目したい。
「橋下徹大阪市長は29日、低所得者層向けに学習塾や習い事の費用を助成する全国初の「教育バウチャー制度」について、同市西成区内で就学援助を受ける中学生約950人を対象に7月から先行実施することを決めた。支給額は月1万円で、2013年度からは市全域で中学生の7割程度を対象に実施する。」朝日新聞より

効率的に教育行政を進めるという点で、教育委員会に政治を持ち込むことも言われている。
教育委員会が独立王国やぬるま湯につかる状態と言うのは良くないだろうし、PTAや学識経験者や第三者のチェックは、入れるべきだろう。
しかし、教育が政治に左右されるのは良くない。
時々の政権で教育方針がころころ変わり、極端なことを言えば、ヒットラーや毛沢東の文化大革命のような方向で洗脳教育されたら、その後遺症は何世代にも及ぶ。


話がそれたが、報道では、西成高校では、公文式を導入しているという。
小学校から中学校程度の学力がついていない子ども達が、入学しているためだ。
そこには、それぞれの家庭の事情が絡む。
生徒の半数が、片親と言う数字を見ても状況は推察できる。

そのため、この学校では、反貧困教育にも取り組んでいるという。
親が、まともな教育を受けていないため、いい職に就けない。
そのため経済的に貧困となり、子どもにもいい教育を受けさせることが出来ない。
その子もいい教育を受けていない為、いいところに就職できないで、貧困層にとどまる。
この状態を、親から子へと世襲していき、貧困から這い上がれないというのだ。
事実、そういう所帯は多いのではないかと想像できる。

そのような自分たちが置かれている構造的な実態や本質を知ることが出来れば、本人の学習にも意欲が出て勉強に力が入るだろう。
この高校の過去の状態では、高校を出て就職しても小中学生程度の読み書き計算が出来ないと、就職先の会社からクレームがあったと言う。
そんな状態では、会社からの新入社員の募集は二度と来なくなるであろうし、その高校の就職率も低くなり入学者も減って当たり前である。

それを、打破する意味で、高校の授業に反貧困教育や公文式の導入などは、現実に即した教育をしていると言えるのではないだろうか。
この学校の先生方の努力を大いに評価したい。

しかしこのような問題を、小学校や中学校段階で放置していた小中学校及び教育委員会のあり方のほうが、より重要な問題だ。
このような学校は、親も巻き込み、地域ぐるみでの生活支援も含めた、徹底した教育改革に取り組むことが重要だろう。
このような、実態と「教育バウチャー制度」が、今後どのように絡むのか注目したい。


そうした意味では、橋本流教育改革は荒療治かもしれないし、適切かどうか現状では不明だが、実態を隠さず表に出して直視し、改革をすることで何かが変化するであろう。
その上で、改善できればその方向を続ければよいし、悪ければ修正すればよい。
やってみなければわからないことは、多いと思うが、何もやらないよりは、やるほうが前進するに違いない。
ただし、結果に問題があれば即引き返す勇気は必要だし、行き過ぎがないよう周囲のチェックも必要だ。
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議事録の思い出

2012年01月28日 22時41分45秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
議事録のことが、いまだにニュースになり、公明党が国会でも取り上げるといい話は益々大きくなっている。1月22日に、NHKニュースをみて驚いてブログにしたが、そのときはまだ関心も低かった。私にしてみれば議事録で大変な目にあって以来、自分自身様々な会議のたびに議事録を作ってその大切さを知った。

その大変な目にあったというのは、私がまだ20代のころだった。始めに約10年勤めた理化学機器(当時の名称は、田葉井製作所)の会社(現在東証1部上場企業・環境試験装置)で、私が給与委員会(前年度は、会社に指名されて給与委員会に参加することになり、私が給与委員会の議長にえらばれた。給与委員会には総務課長も会社側代表として参加していた。)の仲間だったメンバーに呼び掛けて組合を作り、組合創立時に私は書記長(組合長になるのは嫌なので、その年の給与委員長W氏に御願いした。少しずるい面を私は持っていると思っている。)になった。この時組合設立時の給与委員会による賃金昇給は少なく不満が渦巻いていた。組合結成に失敗すれば、全金同盟でその後の組合発起人身の振り方の面倒を見てもらうことまで話しをしていた。

当時組合は大きく総評と同盟に分裂していて、今はいずれも連合になっているが、創立時に全金同盟の支援を受けた。組合役員とか運営方法も全金同盟の指導を受けた。(全金同盟は、創立時に組合発起人の間で上部団体をどこにするか協議し、以前給与委員会でコンタクトがあった全金同盟に組合設立を相談することにし、支援を受け加入することになった。)

組合設立時には会社の妨害工作もあり、業務中に極秘に組合参加の署名簿が上司の目を逃れ回覧される緊張した場面も経験したし、組合結成通知翌日には朝礼で社長から組合参加者も元の給与委員会労働委員会に戻るよう訓示があり、即刻組合幹部会を開き、全金同盟担当者とともに正式に不当労働行為の抗議を社長・役員に行なったりした。設立の翌年にはストライキを背景(その時闘争資金はなく、全員同盟の支援が頼りだった。)に大幅賃上げと時短を勝ち取った。そのようなことの決定をするため、定例と臨時の執行委員会が開かれた。執行委員会は、組合の日常活動では最高意思決定機関である。(組合の最高意思決定機関は組合大会)

私は、書記長として、組合三役と協議したり、団体交渉を行ったり、上部団体の地区協議会に出席したり忙しかった。無論、会社の日常業務は、一担当者として設計の仕事をこなした。そのようなわけで、組合関係の会議は週に何度かあった。会議の内容は全て詳細にノートに記録していた。詳細に会議の内容をノートに取るのは、仕事の進め方と同じ手法を、そのまま組合の会議に持ち込んだに過ぎなかった。

実は私が所属していた、技術部の設計業務(設計は、いくつもチームがあった。)では、営業や製造や資材や上司や外注先との打ち合わせが頻繁にあり、設計チームの会議や、技術部のチーフ会議等もあった。技術部の様々な会議では、毎回議事録が作成され、議題、報告事項、伝達指示事項、決定事項、未決・検討事項等に分類し出席者全員に議事録が配布され、次回の会議までに、各自の担当事項に関する報告をする必要があった。他部門や外注との打ち合わせは、技術部の会議と同じ様式で打ち合わせ議事録が作成され、出席者全員に配布され、上司、部課長にも配布された。

そのような議事録を見てた部長や課長から呼び出され、技術的に問題ありということで変更せよと指示されることもあった。特に技術部長の指摘は厳しく、おかげで技術部の技術レベルは、大企業と対等に渡り合うレベルにまで上がった。外注先に対しては、議事録を根拠に決定事項を確実に実施するよう要求し、出来ていない時は、無償で議事録で決定された要求仕様どおりに変更させた。

このように、日常業務で習慣化された、手法を組合の会議に持ち込んだはずであったが、組合の会議では、私は議事進行をリードしたが、議事録を作っていなかった。それでも組合の会議で、私が書記長として議題とか前回の会議の討議事項を提示し議事進行をリードできたのは、議事録に起こせるレベルの詳細なノートをとっていた為だった。

ところが、組合大会の前に私にとって大問題が起きた。組合長が議事録を出せといいだし、他の執行委員も全員組合長を支持した。やむを得ず、私は、手書きで丁寧な字で一年分の執行委員会の議事録を作成した。何日も睡眠時間を削って書いた。40年前はワープロやパソコンはなかった。完成した執行委員会議事録の手書きの原稿を執行委員会に掛け、チェックを受けて細かい点を修正し大変な目にあった。無論その間会社の仕事は日常どおりこなした。

組合大会前に、翌年度の役員留任を要請されたが、大変なので断り、その代わり私が書記局を組織し書記局に入って書記長を補佐するということで、職場の後輩の了解を取り後輩を書記長に推薦し、後輩は書記長になった。就任後は立派に書記長の役を果たしていた。

その後、仕事の面で別の会社でも、中間管理職や技術部門の責任者として仕事をしたが、始めに勤めた会社と同じような議事録をのシステムを採用し、実施した。

そのような私の経験から、政府機関の議事録のない会議なんて信じられなかった。ましてや原子力という最先端の技術を扱い、国民の生命と財産に関してまさに危急存亡の事態で、官邸では東京まで被害が及ぶことまで危惧していたといわれる程の深刻な歴史的大事件である。そのような事態に対応する会議が、どのような過程でそのような決定を次々と出したのだろうか。

議事録のない会議は、フィードバックのない言いっぱなしの会議であり、責任の所在も明確でない無責任な会議としか言いようがない。指示もその指示内容が本当であったのかどうかもチェックしようがないのだ。逆に議事録を作ったり口を挟むことは、その会議を実質的にリードすることに繋がることが多い。

民主党に限らず、与党が公約を守らなかったり、方針がぐらついたりするのも、政治家に言いっぱなしの体質があって、議事録を作成してそれに基づき仕事をコントロール・マネジメントする習慣が元々ないのかもしれない、と疑いたくなる。少なくとも議事録があって、それに基づいてプラン・ドゥー・チェックをする体質があれば、もっとスムーズに政策遂行が出来ると思うし、政治主導が確立できたはずだ。


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貿易収支の産業構造問題再考

2012年01月26日 18時29分55秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
産業構造上、発展途上国に生産拠点が流れ、さらに円高の影響で今後も加速するであろうことは共通の認識だ。
生産拠点の進出先での技術流出が問題になることで、コアとなる製品の核心技術を駆使した部品等を国内で製造する動きが強まっているという。

一方で、日本でなく進出先で、現地のニーズにより適合した製品や技術を開発開発し生産する流れもあるという報道も見受けられた。中には本社機能まで、海外に移転する日本企業もあるという。まさに企業が全世界に拠点を持ち、各拠点で本格的技術開発を含めた企業活動をする、完全なグローバル化の動きだ。

このように企業が完全にグローバル化してしまうと、日本から輸出や雇用を海外に移転するため、日本の産業の空洞化は避けられず、雇用は減り貿易収支は赤字となり、収益の日本への還元は、あるものの貿易収支に比べると小さいので、完全にグローバル化する企業が増加すると、日本の経常収支は赤字構造になる可能性がある。

完全グローバル化する大企業や独自の技術を持った企業は、日本の政策にかかわらず、自力で利益を求めてグローバル化しているので、資本の論理で動き、日本政府のコントロールは効きにくいだろう。

それに引き換え、冒頭で述べた、企業の技術開発拠点を日本に残し、又は主要部品や製品の核心的部品の製造ラインを日本に残して、その完成した部品を進出先の生産拠点に送り製品化する場合は、日本の貿易収支は進出先の製品輸出と比例して製品に使用する関連部品の生産拠点への輸出も増加するので、貿易収支は黒字化が可能である。

更に、イノベーションを政策的に推進し、他国の追随を許さないニーズの高い新製品を生み出せば、円高とは無関係に価格競争力があり国内で生産して輸出できるので、貿易収支は大きく黒字に動く。

幸い日本には、バイオ・医薬品関連やロボットや新素材や再生可能エネルギーその他多くの先端技術があるし、研究開発も進みつつある。

ただし、このようなイノベーションの推進は、政策の後押の有無で大きく変わる。したがって、政策的に政府が新成長戦略を、産学官共同して効率的に進め製品化することで、国内に雇用を生み出し、戦略商品として輸出することになり、大きな貿易黒字をもたらすことが出来る。

以上のように考えると、貿易収支の構造の変化の問題は、客観的に見て既に何年も前から始まった問題で、今大きな変化を起こしているとは思えない。国内の多くの企業が成長し競争力をつけ、グローバル化したため、表面上貿易収支に構造的変化を起こしているように見えているだけだと思う。そもそも昨年の貿易赤字は構造的問題より、震災、原発、円高、原油高、タイ洪水のといった一時的影響が大きいのではないか。

今後とも、日本の競争力を維持するのは、イノベーションであり、その芽は成長中である。成長させるために、産学官協力して製品化まで育てる努力し、更に次世代のイノベーションの種をまくことで、貿易収支の構造を今後も維持できると予想している。

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貿易赤字転落は今後も続くのだろうか

2012年01月25日 15時20分01秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
日本の11年の貿易収支が貿易赤字になったことに関して、アメリカのウォールストリートジャーナルが、歴史的円高で工場の海外移転が続いているため、構造的に日本は貿易赤字を抱える体質となり、巨額の債務を抱え貿易収支も赤字になれば、イタリアより大きな債務を抱えた債務国になるだろうと指摘している、という意味の報道を目にした。

確かに当たっている側面はある。しかし今回の貿易赤字は震災とタイの洪水による影響が大きいといわれる。震災の為部品や材料のサプライチェーンが切れて、急遽海外から製品を輸入した事例は多かったのではないか。例えば石油コンビナートが被害を受け、様々な化学材料の供給が停止したであろうし、復旧までの間、海外からの製品輸入があったことは容易に想像されるし、そのような品不足の報道もあった。

様々な報道で紹介されているのは、昨今の企業の姿勢の変化である。一時工場移転で産業の空洞化が心配され統計上そのような実態も映し出されていたが、最近は大きく変化しているという。

例えば、雇用に関してみれば、海外進出企業の国内雇用が一時減少していたが、最近は大きく増加に転じて、国内にとどまっている企業より雇用が多くなっているという。

その原因は、海外進出企業は、進出先でのコア技術の流出や、高度な部品製作技術を作る環境が進出先に整っていないなどの原因により、製品のコア部品を国内で作り、進出先の企業で組み立てて輸出する方向に変わってきているという。したがって進出先の製品の輸出が多くなると、それに比例してその製品に必要な日本国内で製造されるコア部品の輸出も増えているという。

このように構造的に見た場合、決してウォールストリートジャーナルの分析が正しいとはいえないかもしれない。正確に分析するには数年間の業種別とか輸出入品目の推移とか様々なデータを比較しないと、正確な産業構造の実態はつかめないのだが。

それ以前に、日本は政策的に政府の新成長戦略により、新しい戦略商品の開発・技術革新=イノベーションを進めることを決めていて、実行しつつあり、経済界もその方向で動きつつある。

日本の技術開発力は全く衰えていないと思うし、今後とも政策的誘導によりイノベーションも加速され、新たな輸出商品が生まれるものと信じている。(例:各種人型ロボット<産業ロボットは多く輸出されている。>バイオ)

更に原発事故の影響により、原油に頼らざるを得ない状況となり、その上原油が高騰しているため輸入が増えている。これも政府の新エネルギー政策による再生可能エネルギーの普及により、将来エネルギー輸入量が低下すると考えられる。

このようなことを勘案すると、今後の日本の努力次第ではあるが、今回のように一時的に日本の貿易収支が赤字になっても、将来にわたって赤字体質が固定されることは考えにくいように思う。
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原子力災害対策本部の指示は言いっぱなしだったのか。

2012年01月22日 20時46分54秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
NHKのニュースによると、政府の「原子力災害対策本部」や東京電力と政府の「事故対策統合本部」の議事録が作成されていなかったという。
また原子力災害対策本部の事務局の原子力安全・保安院の担当者は「業務が忙しく議事録を作成できなかった」と説明しているという。
この件に関し、「今回は、自分たちの失策がそのまま記録されると困るので、あえて記録を残さなかったと思われてもしかたない。」という専門家の意見も一緒に報道されていた。
NHKニュース「原発事故 国本部の議事録作成せず」より(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120122/k10015450241000.html)

今回の未曾有の原子力災害で、避難指示とか、海水注入とか非常に重要な決定事項が次々と下された。
ニュースでも指摘していたが、そのような判断や意思決定が、どのような議論の経緯で出たのか、検証するのに不可欠な情報である。

民間の企業や組織で、重要な会議や検討会の議事録を残さないことは、考えられない。
専門家の指摘したように、政府高官が自分たちの判断ミスを、隠蔽するために、あえて議事録をとってないことにした可能性はあるのかどうか、明らかにするべきだ。

万一、菅政権の政権関係者がそのようなことを指示したのなら、指示した者は責任を取り、即刻辞任すべきだし、事務方のミスであれば、そんな事務方の責任者は更迭すべきだろう。
このような国民の生命と安全を守る重要な任務に不適格である。
それでなくとも、議事録なしで、それまでの事故対策本部の指示の徹底や、末端への伝達確認をどのようにしたのか。
極端なことを言えば、「原子力災害対策本部」や「事故対策統合本部」の指示は、フィードバックのない言いっぱなしの指示であったのか。
議事録がなければ、指示した事項の正当性も不明である。
指示した事項の実施か確認がなければ、業務遂行されたとはいえない。

一体、このような超緊急事態のマネジメントが、どのようになされたのか、わからないでは、済まされない問題ではないかと思う。

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中国の経済成長

2012年01月21日 21時46分36秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
近年中国が存在感を増している。
世界第二位の経済大国になった。

軍事力も増強し、空母も建設し東シナ海から太平洋へ進出しようと動いている。
独自の宇宙開発も進めている。
アジア(パキスタン等)アフリカ諸国への、経済協力も強力に推進している。

これら中国の軍事力拡大や宇宙開発や他国への経済支援は、経済力の裏づけなしには出来ない話だ。
その意味で、私は次のようなアサヒコムの記事に注目した。
「北京・上海の1人当たりGDP、東欧諸国並みに」「「北京や上海の1人当たりGDP(域内総生産)が2011年に1万2千ドルを超え、ハンガリーなど東欧諸国並みとなった。北京市統計局は「アッパーミドル(中の上)の豊かな国の水準に達した」としている。ただし、全国平均と比べた格差は2倍以上だ。」(アサヒコムより)http://www.asahi.com/international/update/0121/TKY201201210323.html

これらの都市のGDPは2001年時点で4千ドルに達していなかったので、10年で3.3倍になったという。
因みに、日本のGDPは、4万2831ドルという。

ところでこのところ、ヨーロッパの信用不安の影響を受けて中国の輸出が激減している・
経済成長も2011年の予測は9.2%と、203年から2010年までの(リーマンショックの2008年除く)10%越えから落ち込んでいて、更に、2012年は8.4%と予測され経済成長が鈍化している。

日本経済の将来は、中国経済に依存するところも大きいし、多くの企業が進出している。
海外での企業活動の成功が、製品のコア部品等の輸出を通じて日本の雇用と輸出の拡大に貢献しているという。このように、中国の経済の落ち込みは日本にも大きな影響を与える。

以前は、安い賃金による労働力を利用する観点から、多くの日本メーカーが工場を中国に移し、日本の産業の空洞化を招いたが、いまや年とともに安い労賃の魅力は減り、製造工場としての魅力は減り、製造部門は東南アジアへ拡散しつつある。

それでも中国の製造業の競争力は強く、更に製品の質や機能も向上させ、海外の企業買収もして競争力を強化しているので、成長は続くのであろう。
当然経済成長が続けば、賃金も上昇し庶民の購買力は上がり内需も期待される。

中国経済の魅力は、なんといっても人口の多さゆえの巨大なマーケットの存在で、内需が上がれば大きな消費も期待されるであろう。
GDPが低い分だけ、日本の高度成長期のように庶民の購買意欲の更なる高まりも期待される。

ヨーロッパの信用不安や、住宅需要の低迷で既に倒産会社が出ているといった不動産バブル崩壊の悪影響と、冒頭の記事に見られる低い所得や格差から起因する日本の高度成長期のような、旺盛な上昇志向による庶民の消費意欲拡大が、中国の内需拡大にどのように関係するのだろうか。

日本の高度成長期は、ニーズに応じた商品提供や技術導入やイノべーションとマーケッティングの発達があり、需要を押し上げた。
中国が、どのようなイノベーションを展開するのか注目したい。

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野田総理に必要な「沈黙は金」からの転換

2012年01月17日 12時14分11秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
菅政権から野田政権に交代後、野田総理は安全運転で走ってきて、これまで菅内閣のときのような、激しい倒閣運動にもあわずに済んだ。

実際に行っていることは、明らかに菅政権の延長線上にある。
それにもかかわらず、なぜ今まで激しい倒閣運動にあわなかったのか。

一つは、党内融和にある。
小沢派をより積極的に取り込んだ為だ。
もう一つは、余分なことを喋らず、従って記者会見も必要な物意外は開かず話さず、失言なり言質に近い発言をとられるリスクを避けたことであろう。

即ち「沈黙は金なり」を実行している。
この言葉は、イギリスの思想家・歴史家、トーマス・カーライルの「衣装哲学」という著書の中にある、
”Speech is silver, silence is golden.”を訳したものであるといわれ、この言葉が彼自身の言葉か、引用したものか諸説あるという。
また意味の解釈についても、日本で多く解釈されている、黙っていたほうが得であるという意味以外に、雄弁な場合より、沈黙をしたほうが多くのことを語る場合があるという意味の解釈が本来の意味であるとも言われている。

日本流の解釈と同じ諺に、「キジも鳴かずば撃たれまい。」がある。
余計なことを言ったばかりに、自ら災いを招くことのたとえだ。

野田総理の「キジも鳴かずば撃たれまい。」作戦は今まで、功を奏してきたが、今後はそういうわけには行かない。
社会保障と税の一体改革及び消費税や、それとかかわる公務員給与、議員定数削減、その他無駄削減について雄弁に語り、討ち死にする覚悟で、国民に訴えかけ世論を見方につけない限り、とても実現できないだろう。

幸か不幸か、非常に深刻なヨーロッパの信用不安を目前にして、社会保障と税の一体改革に関連する諸問題への理解は、国民にある程度広がっているし、対岸の火事と受け取る人は少ない。
この機会を捉え、先ず議員定数問題を含め、官尊民卑の傾向を具体的に是正し、社会保障と税の一体改革に対し国民の理解を得られるようにすべきだ。


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中国の底辺からの政治構造の変化の兆し?

2012年01月16日 23時08分54秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
中国のニュースで、村幹部と争議になり、村幹部を更迭に追い込み、争議リーダーが村のトップに起用されるという内容の記事があった。
詳細は、末尾参照。

この記事で注目されるのは、今までの中国での争議では、権力者側に抗議したものが、権力者により押さえ込まれるという構図しか伝えられてなかったし、事実そうであったのであろう。

しかし、今回は、アサヒコムの記事によると、そうした悪習を覆し、その影響が広がっているという。
記事によると、広東省トップの汪洋・党省委書記は、烏坎村事件について「すべての村レベルの組織建設の手本とする」と述べたといい、この事件後、成功体験を聞こうと、省内外の人権活動家や住民代表らが駆けつけている、という。

更に注目するのは、次の記事である。
「争議の間、林さんは「我々は法が認める公正と公開の原則を求めているだけ。党にできないはずはない」と訴え、住民の党への感情的な対立と暴力的な動きを抑え、世論を味方につけながら団結を保った。 」
即ち法に則り、当局に情報公開をし、公正な対応を党にも求めたということであろう。

この問題は、中国の一地方の問題であるが、広東省レベルでこのような政治改革の方向性を承認し、その動きが広がっているということである。

この話は、構造改革の問題を含んでおり、中国共産党の一党独裁の中でも、法治主義の徹底と、西欧型の民主主義に繋がる情報公開を含んでいる点で、構造上非常に大きな意味を持つ可能性があるのではないかと考えている。

中国の改革開放が進み、経済が発展するにつれ、調和の取れた経済活動をし、更なる経済発展をしようとすると、規制緩和や公害を防止しつつ公正な競争を促進することが必要となる。
更に、国民所得の上昇により、ネット通信の発達による情報交換や、教育レベルが向上したことで、国民の発言力が増し、民意を尊重する西欧型の民主化を呼び込むことになり、必然的に汚職追放や、情報公開も要求されるようになるだろう。
今回の出来事は、こうした中国の底辺での、政治的社会構造の変革の兆しを示しているように見える。

中国は、人口も多く国土も広い為簡単に言えないが、経済が発展している広東省での出来事だけに、今後どのようにこのような動きが全国に波及するのか注目される。

    
参考
争議リーダーが党支部書記に 幹部更迭の広東省・烏坎村」  (アサヒコム記事)http://www.asahi.com/international/update/0116/TKY201201160471.html



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消費税に対する民意の動向

2012年01月15日 21時26分14秒 | 政治・経済・社会・法律・文化
朝日新聞に1月13日14日に行われた世論調査の結果が報道されていた。
その結果の主な概要は下記の通り。(数字は%)
消費税増税    賛成 34   反対  57
野田内閣     支持 29   不支持 47
野田内閣支持不支持の理由
首相が野田さん  支持 22   不支持 1
民主党内閣    支持 22   不支持 18 
政策面      支持 22   不支持 38
実行力      支持 20   不支持 38
政党支持率    民主 19   自民  18   公明 1  みんな 3  共産 1
野田首相は、消費税引き上げ前に、増税議員定数削減や公務員人件費削減を実施できるか。
        できる 19  できない 54

政策面の支持不支持絵はでは消費税反対が多く政策面の賛否の傾向と一致すると同時に、政策面では、世論の高まりを見るかぎり、消費税が大きなウエイトを占めている可能性が大きいのかもしれない。
また、「消費税引き上げ前に、議員定数削減や公務員人件費削減を実施できるか、」という問いに否定的な意見が多いことと、内閣の実行力への評価も一致している。

さらに、消費税反対の理由をアンケートの結果には出ていないが、マスコミや政党の論調を見る限り、増税の必要性はわかるが、その前に無駄の削減等の前にやることがあるだろうという声は、大きくなっている。

また、民意は野田内閣を支持していないが、下記のようにそれと矛盾する結果も出ている。
野田首相個人に対しては、不信任はほとんどなく、おおむね支持されていて、民主党内閣についても支持が多く、政党支持率については、やや不支持が多いものの、かなり拮抗しているといえる。

そのようなことも踏まえ、このような矛盾した結果をどのように見るかということであるが、政策面や実行力に疑問をもたれているのが、内閣不信任の主な理由だ。
即ち、消費税引き上げ前に、議員定数削減や公務員人件費削減を実施できない限り、国民は内閣を信任しないということであろう。
私の勝手な憶測も含めて強調した言い方をすれば、議員定数削減や公務員人件費削減その他の無駄削減を実施できなければ、多くの人が消費税に反対するし、もしそのような状態で消費税を強行するなら、民主党政権は交代しろということであろうと想像する。
政府・民主党が国民を納得させる説明が出来れば、おのずと世論調査の結果も変化するであろうし、野党の態度も変化するであろう。

この世論調査を見る限り、野田内閣と民主党は、下記のことを充分国民に説明し理解を得た上で、改めて民意を問うことが必要であろう。
消費税の必要理由と、増税しなかった場合のシュミレーション。
増税されて増加した税収を、具体的にどのように福祉に使うのか。
弱者や低所得者に対する負担増に対する保護処置
増税前にやる無駄削減の項目と、それにより予想される成果。
それらの、行程表。

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