最高/最低 13.9 4.6 曇後一時雨
前日JRの最終電車に乗り、最寄駅から30分ほどかけて歩いたこともあり、朝は疲れが残りダラダラとTVを見て過ごした。
遅い食事が終わってほっとしていると、電話があった。
卍字楼の奥さんからのお知らせの電話だった。
その内容は、お世話になった画家塔本浩子さんの訃報だった。
当日6時からお通夜で、翌日告別式とのことだった。
8月に浩子さんのご主人の塔本賢一さんが亡くなられたという訃報に接し、ショックを受けてその悲しみも冷めやらぬ時に、更に浩子さんの訃報だ。
今、わざわざ電話をいただいた卍字楼の奥さんに対し、思わず関係のない賢一さんの訃報に関しても一言余分なことを言い、大変失礼なことをしたと非常に申し訳なく思っている。
とにかく、お世話になった方の葬儀なので、お通夜も告別式も参加しなければと思った。
外は雨、一瞬迷ったが、画廊経営中で最もお世話になったご夫妻であり、人間の一生の最大の重要な出来事なので参加しなければならないと思った。
その後は礼服を探したり、告別式会場までの経路を調べたり、大混乱しながらも集中して取り組み、外へ出た。
外は意外と強い雨だった。
自転車で地下鉄の駅まで急いで走った。
京阪で目的の駅に降りて、それからが、更に大変だった。
全く土地勘がない。
ただ葬儀場のホームページに書かれたバスに乗り、該当する停留場で降りた。
周囲は外灯もなく激しく通る車のヘッドライトだけが明りだった。
帰りの時刻を見ようとしたが、携帯の明りではよくわからなかった。
強い雨は容赦なく降り続き、水たまりが随所に出来ていた。
そこで、スマホを取り出し経路を調べた。
東西南北も分からず、出だしから誤った方向に100mほど歩き気付いて引き返した。
ボロ靴が底から浸水しないか心配した。
元の位置に戻って注意深く経路をたどり進むと、だんだん道は細くなり、住宅から先は田圃道になった。
しかも、そこで小川沿いの二股の道を間違えて引き返し、元に戻り正しい道を歩いた。
そこも住宅が無くなった後は、片側が塀で片側は田圃で道は草ぼうぼうだった。
夜、外灯もなく強い雨の中、草ぼうぼうの暗闇の道をスマホ頼りにたった一人で歩く。
こんな経験はなかなかできない。
幸い靴が浸水しなかったのが幸いだったが、靴は完全にぬれて靴下も濡れていた。
しばらく歩くと、車が激しく走る大通り(国道1号線?)に出た。
その先に、目的の葬儀会館があった。
会館内で記帳所とか探していると息子さんから声を掛けられ、2階の告別式会場へ行った。
息子さんもよく知っていて、彼の大学の卒展(その時彼は学長賞をとった。)を観に行ったこともある。
今は、新進気鋭の一級建築士で、彼の設計建築した家(作品)が、海外の本に紹介されたこともある。
お通夜の会場で、ご遺体と対面しお参りしたり、お子さんたちとしばらくお話しして、葬儀会場を後にした。
さて、再び元来た道を戻ったが、今度は帰りのバス停がないのだ。
行のバス停の向かいには何の標識もない。
仕方なく待っていると、バスが通り過ぎようとした。
バスはスピードを緩めたので走って追い付くと、止まったので乗ろうとすると、運転手がバス停は50mほど先だという。
帰りのバス停は、行のバス停から50m以上離れていたのだ。
何とか帰りのバスに乗って、京阪電車の駅まで行き、無事に家に帰りついた。
靴に浸水はしていなかったが、水にぬれ靴下も雑巾の様になっていた。
明日も、告別式に行かねばならない。
このままでは、明日この靴は履けないし、代わりの革靴は持っていない。
そこで、靴を電子レンジで加熱し乾かすことを思いつき、実行した。
ためらいはあったが、きれいごとを言っている場合ではない緊急事態なので、実行した。
革靴を加熱しすぎ60―100℃に加熱するとひび割れたり、靴の接着剤が溶けたりして、何が起きるのか分からないので、慎重に温度を上げ30-50℃程度に収まるように加熱し室内で干して床に就いた。
厳しい一日だった。
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