前に
「逝きし世の面影」を読み
その雄渾なる筆致と
独特な分析に感心した
渡辺京二氏の著作。
明治に起きた
政府への謀反
神風連の乱を主導した人々の
思想や群像を露わにした書であった。
端的に言えば
近代を否み
古代の神道的な世界観を復古せんとした
反乱である。
渡辺京二氏には
北一輝の本もあるようだが
一般的な右翼ではないようだ。
ただ
渡辺京二氏は
現実の政治や行政に参画して
自らの説を実現する野望はなさそうである。
あくまで
哲学者か文学者の趣が強い。
しかし
いかなる宗教的、政治的な思想があろうと
現実のお上に謀反やテロを行う輩を
賞賛、憧憬する学的営為は
だめなのだ。
吉田松陰、由井正雪、三島由紀夫、北一輝、西南の役、226事件などのテロリズムは
なべて違法であり
悪であることを指摘せねばならぬ。
ただ
渡辺京二氏の
ユニークな取り組みは
ぼくの
政治的な野望には
充分貢献するものである。
高橋記(リアリスト)