NPO法人 地域福祉協会

清掃事業  森林事業(植栽・剪定)

自然学研究の視座

2015-10-31 | コラム

氷河期とは

南極と北極に

氷の塊があることらしい。

 

すなわち

今も

氷河期であり

1万年前に

少し暖かくなった間氷期なのだという。

 

あと少しで氷期になり

また

寒くなるという説もある。

 

白馬連山の高山植物や立山のライチョウは

氷河期の寒いときに

取り残された希少な動植物で

共に

国の特別天然記念物指定を受けている。

 

ぼくは

自然学の進化論や何百万年とか何億年といった

仮説に過ぎない年代特定は

あまり信用できない。

 

しかし

今現在

立山に氷の塊が存在し

山崎カールのような足跡があり

海底林が富山湾に存在する事実は

昔の日本が

今より寒かった証拠だろう。

 

今後は

植物の植生調査も

地学調査も

 

面倒な

人の手の掛かる

ローテクな

緻密な現場作業を

もっと大切にして

予算を付けるべきだ。

 

歴史や仮説は

大まかに解れば良いので

今現在の

精緻なデータがほしいのだ。

 

大田弘先生の如く

宮崎鹿島樹叢に生息する

コケ類、シダ植物から昆虫、動物までを

詳細に書き留めるような学究活動が

必要なのであります。

 

おわり

 

高橋研究員(自然学)

 

 

 


富山県の里山植生

2015-10-30 | コラム

去年

本会は

魚津桃山運動公園(標高100mぐらい)と

富山県森林研究所周辺(立山町吉峰)の

大まかな植生を学びました。

 

公園内も

研究所付近も

山を開拓した二次林で

アカマツやミズナラ等の

いわゆる代償植生でした。

 

しかし

研究所の周りにある

原生林は

ウラジロガシ林でした。

 

すなわち

常緑広葉樹が

徐々に

下から這い上がってきたのであります。

 

魚津桃山運動公園の植生講座は

公園内だけでしたので

今度は

宮津を含めた原生林を

踏査したいと思います。

 

端的に言えば

2017年の全国植樹祭に於て

明治神宮の森づくりを

再現したいのでございます。


高橋記


 


富山県に自生するサクラ

2015-10-30 | コラム

先日の出前県庁しごと談義

「花と緑の地域づくり」(森林政策課様)で

個人的に印象に残っているのは

 

富山県に自生する

9種の野生種の

サクラです。

 

キンキマメザクラ、オクチョウジザクラ、エドヒガン、オオシマザクラ、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、ミヤマザクラ、タカネザクラです。

 

つまり

富山県の気候風土は

日本に自生する

全てのサクラが咲いているのです。

 

まさに

国連生物多様性の10年に

ふさわしい事実です。

 

高橋記

 

 

 


スギ針葉樹、落葉広葉樹、常緑広葉樹の時系列遷移の仮説。

2015-10-30 | コラム

今まで

スギや鎮守の森を観察してきましたが

 

太古の石器時代や

氷河期など

日本列島が寒い時から

 

暖かい現在に至る

植生遷移のイメージが

今一つ判然としませんでした。

 

しかし

昨日

ぼくは

豁然として大悟しました。

 

すなわち

寒いときは

コケやシダ植物や

スギの大木が生えた森ではなかったでしょうか。

 

その後

気温の上昇に伴い

海面が上昇して

入善、魚津、神通川に至る広範な

スギを中心とした埋没林が形成されました(実際にはいろんな樹木が埋没していた)。

 

そして

南方系の落葉広葉樹が

北上し

富山県も

落葉広葉樹が専横を振るい

 

さらに気温が上昇して

暖流の影響もあり

海岸から

常緑広葉樹が

富山県に侵入してきました。

 

その後

スギ原生林は

毛勝山や立山、片貝川上流(洞杉)などの山手に追いやられ

奇跡的に

海岸に杉沢の沢スギが残りました(よって国の天然記念物指定)。

 

すなわち

明治神宮の4段階遷移の100年が

何万年単位で

起きたのではないでしょうか。

 

実際

洞杉は岩の上に乗っていましたが

すぐ下には

トチノキ、ミズナラ、サワグルミ、ハウチワカエデ、ヤナギ、ノリウツギ、エゾアジサイ、マユミなどの落葉広葉樹が迫ってきていました。

 

一見

剛直なるスギですが

ほっそりした落葉広葉樹の攻撃から

必死に逃れ

断末魔の形相をしていたとも

言えます。

 

立山美女平も

スギは

ブナより形勢は不利ではないでしょうか。

 

ただ

温暖化ではなく

寒冷化すれば

状況は一変するはずです。

 

そこに

現在の自然植生を調査する意味があります。

 

何れにしましても

植生と遷移は

興味深い研究テーマであります。

 

高橋研究員(植物生態学)