早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和三年五月 第五巻五号 近詠・俳句

2020-11-28 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和三年五月 第五巻五号 近詠

夜のおぼろものゝやはらか遠くあり

流木に行春ありて岸やなぎ

うしろ手に藤のひとふさ沙彌たてり

旅人ら来去りしまひて餘花あつし

鹿の子ゆく林の隅の水あかり

さくら草ほのと汗して卓の上

薫風や輪をゑがく馬人聳えたり

  早春社四月本句會

溝飛んで露のはこべに手をつきぬ

春やゝにはこべも草のふかき哉

  早春社中央句會

野の音のして春曉の燈のうすれ

薮高し春曉ともす町の端