宋斤の俳句 「早春」昭和四年五月 第七巻五号 近詠 俳句
聖駕奉迎
御幸まちつおほくひんかし若葉風
御幸まつ甍も海も初夏の晴れ
日の光り仰くもかしこ御幸月
御幸まします城のみつへのわかみとり
草かほり吹くにひれふし御幸まつ
近詠
春の夏蝶々土にはやき哉
立ち賣りの卯月の小魚孕みたり
竹の秋の里はうららかすぎにけり
花の頃遠くながめて雲さびし
花ちるを闇うかべたる水の夜
春はまた柳につばめ晴つゞく
蝶の息草にかげなしかげのあり
アマリリス狐のやうな犬飼ひて
口開いて雨を食ひける烏の子
おぼしまや扇をかざす花の陽に
邸内ひっそりと藤のつぼみかな
顔出して空知る魚や春の水
早春社同人会
奥山や梢の蝶の麗に
早春社四月本句會
あざみ地にかげするとなり春全し
早春社四月中央句會
山雪をしめたる障子小囀り
地のさむさすみれが一ツさきにけり
囀りや水へ燈を出す町のうら
聖駕奉迎
御幸まちつおほくひんかし若葉風
御幸まつ甍も海も初夏の晴れ
日の光り仰くもかしこ御幸月
御幸まします城のみつへのわかみとり
草かほり吹くにひれふし御幸まつ
近詠
春の夏蝶々土にはやき哉
立ち賣りの卯月の小魚孕みたり
竹の秋の里はうららかすぎにけり
花の頃遠くながめて雲さびし
花ちるを闇うかべたる水の夜
春はまた柳につばめ晴つゞく
蝶の息草にかげなしかげのあり
アマリリス狐のやうな犬飼ひて
口開いて雨を食ひける烏の子
おぼしまや扇をかざす花の陽に
邸内ひっそりと藤のつぼみかな
顔出して空知る魚や春の水
早春社同人会
奥山や梢の蝶の麗に
早春社四月本句會
あざみ地にかげするとなり春全し
早春社四月中央句會
山雪をしめたる障子小囀り
地のさむさすみれが一ツさきにけり
囀りや水へ燈を出す町のうら