あの、「マーターズ」を撮った、フランス人監督 パルカル・ロジェ最新作
だからまたとんでもないホラー映画かと思いきや
実はホラーじゃなくて、トールマンの実態を探る、ミステリーサスペンスでした
さらに、主演はジェシカ・ビールと聞いて楽しみにしてた作品。
この作品を最後に 渋谷のホラーの聖地、シアターNは12/2で閉館哀しい
最近、ジャスティン・ティンバーレイクと結婚したジェシカ・ビール。
(詳しくは後日のゴシップコーナーにて)
本作では主演。
小さな町で信頼される看護婦、ジュリア。
共演の口の聞けない女の子 ジェニーには、
「ローズ・イン・タイドランド」(2005年)のジョデル・フェルランド。
あまり変わらない美少女のまま大きくなりました~現在18歳。
保安官役で、「X-ファイル』シリーズ最大の敵“ザ・シガレット・スモーキング・マン”こと
ウィリアム・B・デイビスも出演。
ポイント
果たして、トールマンとはいったい誰なのか?
そして、何の目的で子供をさらっていくのか。
ワシントン州の炭鉱町コールド・ロック。かつては賑わいを見せたこの町も、鉱山の閉鎖によって今やすっかり寂れてしまっていた。そこへきて今度は、幼い子供ばかりが忽然と姿を消す不可解な事件が立て続けに発生する。目撃者の証言などから、フードを被った背の高い男“トールマン”の仕業との噂が広まる。そんな中、町の小さな診療所で働く看護師ジュリアの最愛の息子が何者かに連れ去られてしまう。必死に行方を追い、町外れのダイナーに辿り着いたジュリア。しかしそこで彼女が目にしたものは、あまりにも不可解な住民の態度だった。
子供達は、全米で年間1000人は行方不明になったまま失踪しているという。
監督は、あるときそんな行方不明者を探すためのmissingの古くなったポスターなどをみて、
彼らは今どうしているんだろう?と疑問をもったところから、
偶然数年後に、NYで未成年の失踪を担当するFBI捜査官に会う機会があって取材出来たらしい。
来日して語ったパスカル・ロジェ監督。
6/10(62点)
以下、ネタバレ 込み感想
米ワシントン州のさびれた炭坑町で、子どもたちがフードを被った背の高い男に誘拐される事件が続発し、
村人たちは正体不明の犯人を“トールマン”と名付け恐れていた。
ある日、最愛の子どもを連れ去られた看護師のジュリア(夫は死別)は必死の追跡でトラックを追いかけ、
中に乗っていた狂犬に噛まれながらも、何とか犯人の操縦の邪魔をしてトラックが横転。
犯人は子供を抱いて走り去る。
開始後15分~20分くらいはけっこうゆるゆると暗くテンポも悪いので、眠気が2,3回きちゃった
トールマンとウワサされる、フードをかぶった大きな人物が子供を連れ去ってからは面白くなってくる。
確かに意外な展開にはなってたけど、衝撃ってほどの驚きはなかった。
わたしは「マーターズ」の方が断然好きだし傑作だと思うけど。
初めはジェシカ・ビール演じる看護婦でありデイヴィッドを救うため必死の母親ジュリアが
中盤でいきなり立場逆転
ジェシカが逃げ込んだダイナーに行くと、町中の人たちが集まっていて妙な雰囲気。
そこの奥の部屋で、子供の写真を飾った祭壇を見つける。
家を追い出されてホームレスになっていた女性は、自分の子供がいなくなったと言っていたが
狂った様に思われていた。
その母親が自力で息子を探しに行って、見つけた先はジュリアの家だったのだ。
アレハンドロ・アメナーバル監督の名作「アザーズ」やシャマランの「シックスセンス」のように
立場がまるっきり逆に入れ替わる手法で意外な方向に転がって行くところが面白い。
そこからは、デイヴィッドの母親はいったいどっちなのか(すぐにわかるけど)
町の人たちがグルになって貶めようとしているのか、
前回「マーターズ」同様、何かの組織だなと思わせながら話は展開する。
椅子に縛られたジュリア。デイヴィッドは怯えている。
本当の母親は、ホームレスの女性の方だった。
警察に収監され、少しづつ自供をはじめるジュリア。
ではトールマンはジュリアだったのか?
子供達はどこに?何が目的で?
子供ができなかったことが明らかになるが、夫がなぜ死んだかは明かさない。
そんな簡単にトールマンが捕まるはずない。
バックにまだ黒幕がいるはずと思ってたら、、、、
最後の子供のひとりがトールマンによってついにさらわれる。
それが、口のきけない子、ジェニーだった。
ご想像の通り、死んだはずのジュリアの夫が実は生きてて、
子供たちを誘拐していた。
だけど、単に子供を殺すためではなかったところがこの映画のポイント。
貧しかったり、ろくな思いをしていない子供たちを救うため
世界中から誘拐しては、裕福で子供を必要とするひとたちに差しだして
新生活を与える=育ててもらう。という自己満足的慈善事業?をしている組織の一員だったのだ。
なるほどそうきたか。
「ソウ」のジグソウは命を無駄にする者に自らしかけた罠で制裁を与えるキャラを確立してたけど、
こちらは子供たちに秘かに奉仕してる(つもりになってる)
足長おじさん的自己満足の世界。
新しい、裕福な家庭のおばさんのもとへ渡された
オープニングから語っていたジェニーが語る。
これまでの母親はみんな、自分を愛してくれたし、自分も愛した。
でもこれでいいのよね?これが幸せなんだよね?
それで幸せなはずない。
貧乏だってなんだって、子供は実際の母親のもとで育つのがいちばんいいに違いない。
というわけで、ホラー作品ではないので怖いシーンもグロいシーンも、
痛いシーンも(確かほぼ)なし。
(ホラーファンとしてはマーターズ監督にしては物足りない)
気になる方はぜひ、もうすぐ閉館となってしまうシアターNでのご鑑賞をオススメ
スクリーン小さいから、意外と最前列でどうぞ
THE TALL MAN 2012年 アメリカ=カナダ=フランス 106min
11月3日~渋谷シアターNにて、公開中~
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