銀座シネスイッチ、久々の大ヒット作らしい。
たまたま金曜日のサービスディということもあり
なんと数年ぶりに立ち見での鑑賞でした~。でも素晴らしい作品でまったく眠くもならず!
1970年代のアメリカ。ある日惹かれ合い出会った一組のゲイ・カップルが、
隣に住むダウン症の少年と一つの家庭を築こうと、
世間の無理解と戦いながら家族としての愛情と絆を育んでいく。
母親が麻薬で捕まり、ひとりぼっちになってしまった少年を守るため、理不尽な差別や偏見に対し立ち上がる
実話の映画化。
アラン・カミング。
その昔好きだった映画「ロミー&ミッシェルの場合」や「プッシーキャッツ」
「SatC」のゲストで出演もしてる、名優。
その彼が今回、ゲイ役。シンガーを夢見ながら口パクのショーパブで働くルディ。
ほんとうに素晴らしい歌声を聴かせてくれる
妻とは離婚し、ゲイであると目覚めた弁護士、ポールには
最近だと「それでも夜は明ける」、「ノーカントリー」にも出演してたギャレット・ディラハント。
お人形と、ハッピーエンドの物語と、チョコレートドーナツが大好きなマルコ
麻薬で捕まった身勝手な母親と引き離され孤独になった、純粋な心の少年。
3人は、出会うべくして出会ったが、、、、
8/10(83点)
もし、二人が「ふつうのカップル」だったなら。
引き裂かれることはなかった運命。
血がつながっていなくとも、血が繋がっている母親以上の愛情を持って
暖かく迎える男がいた。
母親にはマルコを育てるというサインをもらいにいき、「ただで面倒見るって言うの?」と尋ねる母親に、
笑顔でyesと答えるルディ。
やはり偏見を持っていて、ゲイのカップルじゃないという目でみながらも息子を託す。
が、家庭局が黙ってはいなかった。
子供の本当の幸せって?
上辺だけ、規定通りにすることで子供を本当に幸せに導くことができるのか?
本人にとっての幸せな環境を奪う権利は、法で解決するものでもなく誰にも権限はない。
まず、アラン・カミングが本当に素晴らしい。
ゲイということ、仕事も女装してショーパブということで
”世間的に認められない"人間、みたいに思われているけど
心は誰よりも暖かく、怖いもの知らず。そんなルディを体当たりで演じていた。
ラストのボブ・ディランの名曲「I Shall Be Released」も素晴らしい
さすが、「キャバレー」でトニー賞を受賞の男です
この歌声でもうヤラレちゃう、、、、
「僕は誓うよ、愛する人、僕たちは解放されるんだ」
後半の裁判シーンでは「太ったダウン症の子供を、誰も望んで引き取ろうとしない。
でも同性愛者であるわたしたちだけれど、心から愛を持っている」というようなシーン
これには頑な裁判官も心を打たれていた。
実際、どんな子供だって愛情を持って育てられる権利があるし、
同性愛者だって、子供を引き取って育てて悪影響を及ぼすとか全くの偏見だ。
必至に一人の人生を守ろうとする姿に、ほろりとくる作品です
1979年、カリフォルニア。シンガーを夢見ながらもショーダンサーで日銭を稼ぐルディ。正義を信じ、世界を変えるため弁護士になったポール。母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコ。世界の片隅で三人は出会った。ルディとポールは愛し合い、マルコとともに幸せな家庭を築き始める。しかし、ゲイであるがゆえに法と好奇の目にさらされ、裁判の結果、マルコを奪われてしまう…。
監督・脚本・製作を務めたのは、「チャイルド・プレイ3」で俳優として出演もしていたトラヴィス・ファイン。
んー?顔知らないけど俳優からの転身で初監督作でこれとは将来も楽しみ。
「アメリカにはLGBT(レズビアン、ゲイ、バイ・セクシュアル、トランスジェンダー・トランスセクシュアル)で子どもを持っている人が 百万人いる。養子を持ちたい、許されるなら親になりたいという意思を表明しているLGBTの人たちが200~300万人いる。彼らが精神的、感情的、心理 的に適合した人物なら、そして安全で、安定した家庭があり、他の誰もが望まないような誰かに愛情を与えることができるなら、ドアが閉まったベッドルームで プライベートに何をしようと、その人物は子どもを家庭に受け入れることが許されるべきなんだ」ーートラヴィス・ファイン
ANY DAY NOW 2012年 97min
4月19日より、公開中~
アラン・カミング、普段こんな感じだけどロン毛似合ってた