パク・チャヌクの最新作は、流暢じゃないカタコト日本語満載
「オールド・ボーイ」「渇き」などのパク・チャヌク作品は毎回作品が楽しみな大好きな監督の一人。
今回は、イギリスの作家サラ・ウォーターズの小説「荊の城」が原案。
舞台をヴィクトリア時代のロンドから日本統治下の朝鮮半島に移して、パク・チャヌク脚本で映画化
日本統治下にあった1930年代の韓国を舞台に、「伯爵」と呼ばれる詐欺師にスカウトされ、
莫大な財産の相続権を持つ令嬢・ヒデコのメイドとなった孤児の少女・スッキの関係性を
キワドイところをじわじわ突く感じが不思議心地いい奇妙な面白さ
カンヌ映画祭で芸術貢献賞に輝いた華麗な美術がまた素晴らしく全体の雰囲気を高める
この和室もすごいよ
キャスト
令嬢、秀子=お嬢さん にキム・ミニ。
綺麗すぎないとこがいいのか。
とてもフツーっぽいお嬢さん。
実質、金持ちで、「お嬢さん」っていうよりお嬢様。
原題は「侍女」(メイド)の意味の方だけど、邦題では逆で、なぜかお嬢さんの方がメインタイトル。
金持ち秀子との結婚詐欺を企む藤原伯爵に「チェイサー」のハ・ジョンウ。
さすがこの人出るとハクがつくというか、詐欺師も似合う♡
その叔父、上月にチョ・ジヌン。
侍女、スッキにはオーディションで選ばれた新人、キム・テリ。
ここで注目の子役チェック
子役の子を昔からすかさず男女限らずチェックしちゃうわたくしですが
今回、めっちゃ可愛い子、後半にちょっと出てます
美少女
全然似ても似つかないけど、秀子(お嬢さん)の幼少期を演じた
今回映画デビューの子役、ソウンヒョンちゃん。まだ11歳
ドラマ歴
2013年 대왕의 꿈(大王の夢)
2013年 굿 닥터(グッド ドクター)
2014年 유나의 거리(ユナの街)
2014年 빛나거나 미치거나(輝くか、狂うか)
2014年 신의 선물-14일(神様がくれた14日間)
2015年 도대체 무슨 일이야(いったい何事!?)
8/10(89点)
さすがパクチャヌク監督作、期待を裏切らない
騙し騙されの二転三転が面白く、眠気をも吹き飛ばす面白さに目を見張り
時間を感じさせずに引き込まれるあっという間の2時間超え
詳細は書かないので何も知らずに観た方が断然面白いはず。
とにかく全編で流れる雰囲気にのまれ、すっかりこの世界にはまっていく。
小説は読んでないけど、パクチャヌク監督の解釈で幸せになってほしいという願いで
原作と着地点を変えたんだとか。
わたしもこちらのラストで良かったと感じたし、
二転三転は意外というほどではないけど、
その揺らいでいく心理戦がとにかく面白く、さすがの演出力と
やっぱりハ・ジョンウの悪い奴もハマってて、良い役者だなーと改めて。
お嬢さんと、スッキに関してはちょっとスッキが子供っぽく見えるので
二人のバランスが、、、と思ったけど、純粋そうに見えてしたたかなスッキを演じた
キム・テリちゃんも良かった。
二人のきわどい、危うい関係も、どきどき。
口の中を洗ってあげるシーン、めっちゃエロいです。
監督の狙いだったという、卑猥な言葉や昔の言葉(日本語)をあえて
言葉に出して真面目に喋るシーンとか、韓国映画ならではだと思ったし、(ハ・ジョンウ、下手すぎ!笑 わざと?)
たどたどしい日本語に関しては、逆にまぁこの完璧じゃない感じが面白かったし、
少しやっぱりユーモア含みあるのが見てて良かった。
とにかくなんとも言えないこの雰囲気、世界にのまれた。
後半の屋敷での朗読シーンがまた必見!!
意外と本作、DVDで小さな画面で観るよりやっぱり大画面で堪能するべきだと。
気になる方は是非お早めに劇場で
1939年の朝鮮半島。貧民街で泥棒一家に拾われ、スリの腕を磨いて育った孤児の少女スッキ。ある日、“伯爵”と呼ばれる詐欺師にスカウトされ、彼の計画を手伝うことに。ターゲットは、支配的な叔父・上月のもとで孤独に暮らす華族の令嬢・秀子。彼女は、結婚した暁には莫大な遺産を相続することになっていた。そこで伯爵が秀子を誘惑して結婚し、財産をまるまる奪い取ってしまおうというのだった。スッキの役割は、メイドとして屋敷に入り込み、純真で世間知らずな秀子を巧みに操り、彼女を確実に結婚へと誘導していくというものだったが…。
아가씨 2016年 韓国 145min
3月3日より、公開中〜
カンヌ国際映画祭にて
中央、パク・チャヌク監督。
あら、お嬢さん役のこ(左)目がぱっちり二重にプチ整形?
ハ・ジョンウ、リーゼント