アスファルトが湿っている
緑色のバスがくる
紺色のバッグとナイロンのショルダーバック
バスに乗り込むと柱のある座席に座る
毎朝が憂鬱だった
確かに中学は荒れていた
不良が幅を利かせていた
しかし真理がここにはあり、
草食動物たちはその中のルールで生きていけた
高校はあまりにも倫理観が無い場所だった
教師が授業中に平気でわいせつな言葉を
生徒にむけ、そして生徒たちは笑っていた
女子達は誰が金持ちの子供の男子か
話し合っていた
学校裏のコンクリートで囲われた部室の群れ
中には黒マジックで塗られた裏本と
タバコの吸い殻と缶ビールの空き缶
僕はおかしな病気に罹ってしまった
統合失調症みたいな病気だ
頭の中に相手の心の声が聴こえ
誰かわからない者が食べた食べ物の味が感じられるように
なってしまっていた
おかげでどんどん成績は落ち
僕は学校に行かなくなった
人間が怖くなってしまったのだ
相手が自分をどう見ているか
どんな言葉が聴こえるのか?
それが辛くなったのだ
そして二年の進級試験を最後に
僕は退学した