ヨウ君(アスペルガー)が高校生に成って
ひと月以上が経ちました。
今のところ、レッスンもお休みせずに
毎週通ってくれています。
ヨウ君はとても繊細なので、
新しい環境が、あまり得意ではありません。
なので、高校生活に慣れるまでは、
のんびりと、落ち着けるレッスンを心掛けようと思っていました。
練習してこなくても、
それはそれで仕方がないな。。。
そう思っていたのです。
ところが、先日のレッスンの時のことです。
ヨウ君は、エリーゼのために の宿題を弾きました。
展開部(ヘ長調)の前までが宿題だったのですが、
丁寧にきちんと弾けていました。
「ヨウ君、凄いね。きちんと弾けているね。」
「ありがとうございます。」
「高校、忙しいのに、よく頑張りましたね。」
「実は。。。」
「えっ?なあに?」
「実は、難しい処だけを練習しました。」
「えっそうなの?」
「すみません。。。」
「ううん、素晴らしいな~と感動しました。」
「。。。。。?」
「高校が忙しいけど、練習もしてくれたんでしょ?」
「はい。2日だけ練習しました。」
「まず、それだけでも嬉しいです。どうもありがとうね。」
「でも、あまり時間がないので、
弾けないところだけを弾いたんです。」
「うん、そこがまた素晴らしいよ。
練習の工夫をしたってことだもの。」
「はあ。。。」
「普通は、最初から弾きたくなっちゃうよね。
だって、綺麗なメロディだもの。」
「そうですね。」
「そこを弾かずに、
あえて難しい処だけを練習したヨウ君は素晴らしいなぁ」
私がそう褒めると、
ヨウ君は照れたように少しだけ笑いました。
今までも、
「難しい箇所だけでも練習して来てね。」
と指導したことはありました。
でも、あまり守られることはなく、
弾けない箇所は、いつまでも弾けない。。。
そして、弾ける箇所(弾きやすい箇所)は益々弾けて、
そして弾けるが故に、どんどんテンポが速くなり。。。
そんな感じだったのですが、
(どの子も、そうだと思います)
ヨウ君も高校生になり、
合理的な練習方法がしたい!と心から思ったのでしょう。
ヨウ君の事は
小学5年生から、ずっと成長を見守ってきたので、
今回の様な工夫が、しみじみと嬉しかったのでした。
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