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経営の本棚 「無形の力」 野村克也

2017年01月15日 | 経営の本棚

第190回記事(2014年4月21日(月)配信)・・・・・・毎週月曜日配信予定

井上直久@晴耕雨読です。

最近、野球のイチロー選手が日米通算3018試合の日本人最多出場記録更新の記事が新聞に出ていましたので、思い出した本があります。

野村克也著 「無形の力」 (日本経済新聞社)

Photo(本体1500円+税。2006年初版。)

著者はみなさんよくご存知のプロ野球チームの元監督の野村さんです。
(ちなみに、破られる前の記録の保持者は野村さんであり、
野村さんは、兵庫県豊岡市の隣の、京都府京丹後市の出身です。)

大企業に対して、中小企業は弱者です。
人がいない、物がない、金がない。
しかし、こらからも生き残っていかないといけない。
その為にはどうするのか?

弱者なら「弱者の戦略」で生き残っていくようにする。
たとえば、壁にぶち当たった時に、智恵を出すようにする。
智恵をまとめると、無形の力になる。
(別の言葉では、「知的資産経営」ということになります。)
これが一つの大きな方向性であり、結論でしょう。
この本は著者が、プロ野球界で壁にぶち当たったときに絞ってきた智恵がまとめられており、「弱者の戦略」について書かれています。
経営書とは異なりますが、経験に基づいた話であり、格言などの大変に含蓄に富んだ言葉が多数入っており、
一読をお薦めしたい本です。

タイトルの「無形の力」に関して、本の帯とはじめにの部分の文章を一部使用し、私の言葉と組み合わせ、再度、本の内容の概略を以下で紹介します。

「無形の力」は弱者の戦略の基礎・原点である。
野球では、パワーやスピードといった目に見える力だけではなく、さまざまな力がある。
「情報収集力」「分析力」「観察力」「記憶力」「判断力」「決断力」・・・・・・・・。
勝つためには、こうした目には見えない「無形の力」を存分に発揮することが重要なのだ。
強者が身体能力を生かしてくるなら、弱者は頭脳で勝負する。
目に見えない力、つまり「無形の力」をフル活用してこそ勝機(商機)が見出せる。
壁にぶち当たったとき、強者に挑むとき、私はいつも知恵を絞ってきた。
「目に見えない力」=「無形の力」が人生(会社)を変える。


PS
著者の別の本に「エースの品格 一流と二流の違いとは」(小学館)という本があり、
この本にも「無形の力」という記載が多数出てきます。
また、「組織はリーダの力量以上には伸びない」(69p)との言葉は経営者の方には大変参考になるのではと思います。

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