中京魂とは違う観点で。
museは日本ではパラパラ漫画で人気が出たイメージがありますが(笑)、ヨーロッパでは絶大な人気を誇るモンスターバンドです。
マシューベラミ(vo.g)の高い声とQueenファンさえも取り込めるような楽曲、かつ初期にはパンクの要素も取り入れた楽曲とビジュアル、しかし、パンクのようなスリーコードだけではない(笑)テクニックを兼ね備えたその音楽は幅広い層から人気を得ています。しかも絶妙なマニアックさで惹きつけます。
このFollow meも歌が始まる前のノイズとも取れる音はマシューの子供の「鼓動」を録音したそうです。
4年生には感謝の気持ちが大きくて何か形に残せればと思ったのでこの曲を選びました。
特に女子が2年生の時に、入学して来た1年生の人数が少なく、寮の仕事も手伝う事になった訳です。
寮だけではなくプールでの仕事も含めてです。
こういう事は頭で理解出来ていても行動に移す事が難しい事なのですが、それを実践してくれました。
そういう意味では本当に大変な4年間だったと思います。
だけれどもそのおかげで良い伝統が作れそうです。
競泳は速さを追求する中から「何か」を学ばなければいけません。
「速さ」だけを追求してもその先の長い人生に活きる事は少ないのです。
だからといって「速さ」を追求する事を疎かにしてはこれもまた同様に意味をなしません。
競泳を選んだからには「速さ」を追求し、かつ、人間性を高める事を行うべきです。
どちらか一方に偏るのであれば水泳部ではなくても出来るのですから。
そんな4年生が卒業していくので、何かぴったりの曲はないかと常々思っていたところ、museのアルバム「The 2nd Law」のこの曲に出会った訳です。
慎二が「4年生に任せろ。1年生はついてこい。」と言ったのを聞いた時に本当にたくましくなったと思いました。
下級生は4年生が昔からたくましかったと思いがちですが、そんな事はありません。
慎二も1年生の時は15mは6秒2くらいかかっていました。
インカレにレギュラーになれなくても人望のあった者はキャプテンに指名されていました。
これは環境は人が作るという事を示唆しています。
その環境を作る人になって下さい。
なれるはずです。
どうしても広島の地で勝ちたかった理由がここに少し載せてあります。
間違って欲しくないのはこれはそのほんの一部でしかないという事です。
~伝統~
狭義には、個々の集団が個別に有する慣習、形式、価値観を指し、それまでの歴史の中で形成されて来た種々の形態の中から、特に重んじて次世代に継承すべきものに対する精神的な立場を指す。
「伝統」というのは一日や一週間や一ヶ月といった短期間で成り立つものではありません。
水泳部の歴史の中で守らなければならない事を、守り抜いてくれた方々がおり、それを受け継いでいく事です。
「プールに向かって一礼する」
今では日本では当たり前の光景かも知れません。
水泳を通じて人間形成をする、こういった事は競技を終えても活きていくのです。
人間性を高めない伝統は淘汰されて然るべきです。
4年間さまざまな出来事を共有してきたみんなの最後の声
卒業生にも話をするけれど、自分で選べる事と選べない事があります。
人間関係もそのひとつ。
小学校、中学校、高校のクラスメイトさえ選べなかったはずです。
しかし、そのクラスメイトとの出会いは非常に貴重な出会いです。
長い人生のこの4年間を同じ屋根の下で過ごすことはとても貴重な体験であり、財産となります。
それらを財産に変える事が大切です。
いつまでも一緒にいる事は出来ないけれど、いつまでも心をつなぎ止める努力は出来るはずです。
今年のインカレの総合優勝は応援に来てくれたOBの数の多さもその要因のひとつであったと思います。