百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 4月3日
これで私の軍隊生活はすべて終了した訳だが、失敗談が無かった訳ではない。恥ずかしいから書かなかったのだが、その失敗談を書いてこの稿を終りとする。
玉音放送を聞いて終戦を断言して男を挙げた私は、古兵たちの復員を見て、乗馬を希望した。係りの初年兵が「私の馬は大人しいのでのって下さい」と言って馬を曳いてきた。
彼が言うには「衛生兵殿は乗ったことが無いと仰るので、鐙はつけて来ませんでした。万一の場合、鐙で足を引きずられと怪我をします。」と言って脚立で馬に乗せて呉れた。跨ったが足はぶらぶらで力が入らない。股を締めて尻を中心にして手綱を取ってください」と言う。時間が掛かったが、どうにか形は出来た。
馬は、私を初心者と見て、手綱を引いても股を締めても声を出しても動こうとしない。その裡に不意に歩き出した。ご機嫌になっていると、馬は木に近づいて行く。大枝の下に入られると私は馬と枝に挟まれてしまう。そこを何とか乗り切って馬に水を飲ませようと《水飲み場》に向かった。
《水飲み場》までは行ったが、幾ら手綱を引いても水は飲まない。諦めて反転して胴を蹴ると走り出した。すると股の中心が偏って来た。馬はそれを承知か、どんどん走る。とうとう支えきれなくなって落馬してしまった。
落ちる時、馬の蹄鉄が腹の上を通るのを見た。これに踏まれては命が無いと思ったが、馬は私を踏まずに通り過ぎた。落馬して怖い思いをしたが、落ちた痛みは感じなかった。其れよりなんとも恥ずかしかった。
それ以来、馬に乗りたいとは言わなかったし、落馬の話もしなかった。
百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 4月3日
日数「日」 |
総歩数(歩) |
総距離(m) |
平均歩数(歩 |
|
今 日 |
1 |
25,003 |
17,502 |
|
今 月 |
3 |
73,083 |
51,158 |
24,361 |
今 年 |
93 |
2,192,368 |
1,534.658 |
23,574 |
2005年から |
3,707 |
56,663,613 |
39,664,52 |
15,286 |
70歳の誕生から |
7,239 |
138,613,744 |
97,029,621 |
19,148 |
ワシントンからアメリカ大陸横断へ、デンバーに向って後 1,295,471m
70年前 知る人 少なくなって 残念です
後日譚 思い出して 下さい
私の軍隊生活は、一風変わった軍隊体験でした。
落馬だけでなく、NO、1から見て下さいな