田舎歌舞伎を始めとして、地方の伝統文化保存会にとって一番大切
なのが後継者の育成です。
そのため、雄踏歌舞伎において今一番力をそそいでいるのが
子供歌舞伎の育成です。
その中心の中学三年生のグループが今回は高校受験のため出演
できませんでしたが、その穴を小学校四年生を中心としたグループ
が見事に埋めてくれました。
それでは小学校四年生による「三人吉三巴白波~大川端庚申塚の場」
をご覧ください。
江戸本町の木屋文蔵の手代十三郎は金百両を落とす。
拾った「おとせ」は十三郎に届けようとする。
(実際の歌舞伎ではおとせは夜鷹なのですが、さすがに小学校四年の子に
夜鷹は不適切ということで、ここでは町娘の設定で登場しました)
それを狙って美しい女装姿の「お嬢吉三」が現れる。
(ご両親の方々が舞台下に居て、ここぞとばかり大量の「おひねり」を投げ込んで
いました。)
おとせを呼び止めて、
お嬢吉三が近寄ります。
お嬢吉三はおとせに襲い掛かり百両を奪い、
大川に突き落とす。
ここからが名場面!
「月も朧に白魚の篝も霞む春の空、
冷てえ風も微酔に心持よくうかうかと、
浮かれ烏のただ一羽塒へ帰る川端で、
棹の雫か濡手で粟、
思いがけなく手に入る百両、
(御厄払いましょか、厄落し、という声が舞台の奥から)
ほんに今夜は節分か、西の海より川の中、
落ちた夜鷹は厄落し、
豆沢山に一文の銭と違って金包み、
こいつぁ春から縁起がいいわえ」
これだけの名科白を小学四年生の男子がすらすらとが言えるのですから、
大したものです。
その場を見ていたのが「お坊吉三」。
おとせから奪い取った百両を巡って二人は刀を抜いて争う。
通りかかった「和尚吉三」が止めに入り、争いの百両は和尚吉三が
預かり、三人の吉三は義兄弟の契りを結ぶ。
三人吉三が大見得を切るところで幕となりました。
「おとせ」を演じる子が可愛いのは当然として。
お嬢吉三を演じるのは男の子なんですね~
小学生でイジられないのかな~なんてちょっと心配。
お姉さんがやるのも良いでしょうが、こういう子供たちがやるのは良い経験ですし
微笑ましくて良いですね~
でもかなりのレベルなのかな?
今回の子供歌舞伎はまだ小学四年生という事もあって、
演技はこれからが期待されるといった所でしょうか。
この子達が中学生、高校生と続くと良いのですが、男子の場合中学
に入ると野球とかサッカーとかの運動部に入るケースが多く、
田舎歌舞伎は続かなくなり、残るのは女子ばかりとなるようです。
ところで女房殿が昨日より一週間の予定で出かけました。
いや~嬉しいですね。
久方ぶりに爽やかな朝を迎えた飲兵衛、そこで一首。
爽やかは五月の風と青畳
女房の留守に見る夜の月
今回も、飲兵衛さんの解説のお陰様で、より一層楽しめました。
小学生には見えない色っぽさですね!
中学年になると、部活が忙しくなって、歌舞伎を続ける子供達が減ってしまうのは、寂しいことです。
でも、一生懸命演じている姿は、親御さんにとっては、嬉しいですね!
おひねりを奮発してしまうのも、納得です。
飲兵衛さん、一週間羽根を伸ばし過ぎませんように…
浜松にはもう一つ、横尾歌舞伎という田舎歌舞伎があります。
太平洋戦争の時にも、軍部の圧力ににもかかわらず、公演を中止したのは
一度のみという筋金入りの田舎歌舞伎です。
この横尾歌舞伎は地元の小・中学校の部活動に取り入れられ、
後継者育成に成功した例として全国の伝統文化保存会の注目を
浴びるようになりました。
雄踏歌舞伎の場合は、大歌舞伎の市川十郎門下
(月謝を払って歌舞伎の指導を受けている)のため、
小中学校の部活動には無理のようです。
今週は命の洗濯、独身時代に戻ってのんびりします。
歌舞伎のメイク 衣装 説明文 撮影の画像
素晴らしいです
色っぽくなるメイク凄い
着付けも凄い❗
日本の伝統芸能素晴らしいです
素晴らしいブログに出会い幸せです
仰る通り田舎歌舞伎って素晴らしいですね。
衣装、メイク、仕草等長年に渡る経験で計算され尽して
いるんです。
こちらは見せ場、見せ場でシャッターを押すだけで素晴
らしい写真が撮れてしまいます。
唯一気がかりなのが後継者の育成です。
飲兵衛へぼブログながら子供歌舞伎を応援できれば幸せ
です。
悪党の物語りや近親相姦を扱うのを子供が演じたのでしたか。
江戸時代より、遠州浜松から信州・飯田にかけて田舎歌舞伎が
とても盛んな地域でした。
数ある田舎歌舞伎の演目の中で人気なのが「弁天娘女白波」や
「三人吉三」など、女装した盗賊物ですね。
今回小学校4年生が見事に演じました。