ゆみねこ日記

日常日記です。

3月の読書記録

2019-04-01 06:33:12 | ブックレビュー
3月の読書メーター
読んだ本の数:42
読んだページ数:12685
ナイス数:5033

不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲感想
3月10日を前に、この作品を読むことが出来て本当に良かった。父の国・アメリカから母の国日本へやって来た時田タケシ。混血であることへの差別に苦しみ、軍需工場で勤労奉仕し、大空襲の炎の中を家族を守るために駆け抜けた少年。多大な犠牲の上に今の日本があることを忘れてはならない。皆さんにお薦めします。
読了日:03月01日 著者:石田 衣良
青い春を数えて青い春を数えて感想
女子高生たちを描いた連作短編集。「白線と一歩」、「側転と三夏」が好きです。悩むことも傷つくことも若さゆえ、おばあちゃんから見ると、キラキラと眩しいばかり。
読了日:03月02日 著者:武田 綾乃
死の天使はドミノを倒す死の天使はドミノを倒す感想
実父の死のあと、相続の手続きのため必要に迫られて家族と断絶中の弁護士の弟・薫を探すラノベ作家の鈴島陽一。死刑制度の是非、人権派と呼ばれる弁護士の主張。「死の天使」嶌崎律子の禍々しさ。色々と考えさせられる作品ですが、スッキリはせず。
読了日:03月03日 著者:太田 忠司
ひいな (創作児童読物)ひいな (創作児童読物)感想
今日はひな祭り。この日に合わせて読むことが出来た素敵な一冊です。母の長期の海外出張で田舎の祖父母の家にやって来た小四の由良。寂れた駅に降り立った時、由良の耳に聞こえたのはお雛様の声。家族の絆、女の子の幸せ。女の子にも、女の子のご両親にも読んで欲しいです。
読了日:03月03日 著者:いとう みく
駒音高く駒音高く感想
将棋の世界に生きる七人。将棋会館の清掃員・プロを目指す子供たちやプロになれなかった新聞記者、病に倒れた引退間際の棋士。将棋のことは良く分からないけれど、それでも楽しく読むことが出来ました。良作です。
読了日:03月04日 著者:佐川 光晴
オーディションから逃げられないオーディションから逃げられない感想
いつも他人と自分を比べて「ついてない」と思って生きてきた渡辺展子。生真面目で一生懸命な展子が幸せをつかむまで。タイトルはもうちょっと違うほうが良いような。面白かったので読後感は良かったです。
読了日:03月04日 著者:桂 望実
天使のにもつ天使のにもつ感想
中学二年の斗羽風汰が、楽そうだからと職場体験先に選んだのは、「エンジェル保育園」。彼が5日間の経験で得たものは?これは、大人が読んでも中々考えさせられて、素敵な1冊です。
読了日:03月05日 著者:いとう みく
ことことこーこことことこーこ感想
タイトルの素晴らしさに拍手!母・琴子と娘・香子、母親の老いと向き合うのは辛いものですが、フードコーディネーターのお仕事の話題を絡め、明るく描いてあったのが救い。お薦めです。
読了日:03月05日 著者:阿川 佐和子
姑の遺品整理は、迷惑です姑の遺品整理は、迷惑です感想
独り暮らしの姑が突然亡くなり、住んでいたマンションを処分することになった望登子。業者に頼まず自分で遺品整理に取り組むが、あまりの物の多さに立ちすくむ。読了後、自分も身の回りは整理整頓を心がけなければと思いました。こちらもお薦め本、面白かったです。
読了日:03月05日 著者:垣谷 美雨
騎手の誇り (新潮文庫)騎手の誇り (新潮文庫)感想
12年前の競走中の事故で騎手の父・忍を亡くした息子・和輝は、父の死の真相を知るため、騎手になった。かつての父の好敵手でトップ騎手の平賀に殺されたのではないかと、事故の謎を追う和輝。レースの緊張感が胸に迫り、ラストはとても感動的でした。
読了日:03月06日 著者:本城 雅人
死屍累々の夜死屍累々の夜感想
老舗旅館を乗っ取り、経営者一家を惨殺し、警察の追尾を逃れて6人の女とともに集団自殺した男。30年前に起こった「木裏事件」を追った一人のジャーナリスト。当時14歳だった一人の生き残りが語った真相。ドキュメンタリー風のストーリーで先が気になって一気に読了。尼崎事件を連想しました。
読了日:03月07日 著者:前川 裕
ある男ある男感想
2019年本屋大賞ノミネート作品。再婚した夫・谷口大祐が事故で命を落とす。しかし「大祐」は、全くの別人であった。あの人は誰なのか?なぜ、他人の名前を語らなければならなかったのか?依頼を受けた弁護士の城戸は「大祐」の過去を探って行く。とても考えさせられる問題、深く印象に残る1冊になりました。
読了日:03月08日 著者:平野 啓一郎
うちのレシピうちのレシピ感想
小さなフレンチレストラン・ファミーユのオーナーシェフ夫妻と一人娘の真衣、シェフの助手として働く・啓太とその両親。二つの家族をつなぐ6つの物語。とても素敵な作品です。お薦めです。
読了日:03月08日 著者:瀧羽 麻子
続 横道世之介続 横道世之介感想
横道世之介、なんと愛すべき存在だろうか。大学を卒業しても就職出来ず、人生のダメな時期をすごす世之介。だが、彼は周りの人を幸せにする。そして27年後東京オリンピックへと物語はつながる。じんわりと感動が広がる、読み心地よい1冊です。お薦めします。
読了日:03月09日 著者:吉田 修一
新章 神様のカルテ新章 神様のカルテ感想
大学病院の医局に入り大学院生との二足のわらじとなった栗原一止。巨大な組織の中で、患者に寄り添う一止。二木さんの闘病の様子は切なくて涙。若い人の病は辛いですね。文庫になったら手元におきたい1冊。お薦めします。
読了日:03月11日 著者:夏川 草介
歌舞伎町ゲノム歌舞伎町ゲノム感想
法で裁けない悪と戦う7人。新しいメンバーの掃除屋シンちゃんが良い味を出しています。エログロで読むのが辛いシーンもあるけれど、先が気になり一気読み。歌舞伎町セブンの活躍が楽しみになので、早く続編が読みたいです。
読了日:03月12日 著者:誉田 哲也
リハーサル (幻冬舎文庫)リハーサル (幻冬舎文庫)感想
リカを看護婦として雇った花山病院。病院内で起こる陰惨な事故や事件。リカの恐ろしさに背筋が寒くなる。女性の感覚を侮らないほうが、異常な人物に付け入られないコツなのかと。医療機関で黒髪ロングヘアー、痩せて顔色の悪い看護師を見たら、想像してしまいそう。続編、楽しみです。
読了日:03月12日 著者:五十嵐 貴久
みかんとひよどりみかんとひよどり感想
腕はいいのにうまく行かないシェフ・潮田亮二と、人との関わりを避け自由に生きる猟師・大高。ジビエ料理のこと、増え続ける害獣、過激な動物愛護を叫ぶ人々。とても大きな問題提起も絡め読み応えあり。美味しそうなジビエ料理、食べてみたいです。お面白く一気読み、お薦め本。
読了日:03月12日 著者:近藤 史恵
イシイカナコが笑うならイシイカナコが笑うなら感想
教師10年目、31歳の菅野京平は、母校に赴任する。彼の前に現れたのはかつての同級生・イシイカナコの幽霊。彼女によって「やり直しの時間」を与えられ、17歳の高校時代に飛ぶが、体は他のクラスメートに。これは、良かったです。お薦め!
読了日:03月13日 著者:額賀 澪
エスケープ・トレインエスケープ・トレイン感想
日本ではまだまだマイナーな自転車ロードレース。陸上競技から自転車競技に転向した小林湊人がヨーロッパで活躍したレジェンド・梶山に触発され、どんどん変わって行く。面白かったです。熊谷さんのすスポーツ小説、素晴らしかった!お薦めです。
読了日:03月13日 著者:熊谷 達也
ひりつく夜の音ひりつく夜の音感想
所属していたバンドの解散で、切り詰めた生活を送るクラリネット奏者の下田保幸。ある日かかってきた警察からの電話がきっかけになり、人生が大きく変わって行く。元恋人の息子・音矢、朝食海賊(笑)での出逢い。ジャズは良く分からないけれど、ライブに行ってみたくなりました。
読了日:03月14日 著者:小野寺 史宜
梟の一族梟の一族感想
滋賀の山奥の限界集落、そこには梟と呼ばれる人々がひっそりと暮らしていた。一族の末裔中唯一の十代の榊史菜は謎の襲撃で姿を消した村人たちを救うため戦いを挑む。いや、これは、面白かったです。深読みせず、楽しく読むにはぴったりの作品。
読了日:03月15日 著者:福田 和代
君と漕ぐ: ながとろ高校カヌー部 (新潮文庫)君と漕ぐ: ながとろ高校カヌー部 (新潮文庫)感想
高校カヌー部、マイナーな競技に青春をかける4人の女子高生。良いなぁ、きらきらした眩しさにあふれる物語。
読了日:03月15日 著者:武田 綾乃
東京の子東京の子感想
藤井大洋さん、初読み。オリンピック後の2023年の東京が舞台。オリンピック跡地に生まれた理想の大学「東京デュアル」、ベトナム人のスタッフが告発した「人身売買」の意味するもの。今の日本が抱える奨学金や働き方の問題やネットにさらされた個人情報の闇。ラストは明るいので読後は爽やかでした。
読了日:03月17日 著者:藤井 太洋
救いの森救いの森感想
子どもが命の危険を感じた時に起動させる「ライフバンド」。警告音が鳴り、児童救命士が駆けつける。昨今の辛い事件を見聞きすると、フィクションではなく現実になりそうな気もします。新米児童救命士・長谷川と、先輩・新堂が関わる4つの物語。引き込まれて一気に読了、お薦め本。
読了日:03月17日 著者:小林由香
悪玉伝悪玉伝感想
大阪の豪商・辰巳屋の相続争い、八代将軍・吉宗の時代に実際にあった事件だと。誰が本当の悪玉なのか、政治とカネの問題は江戸時代も平成の末期の今も変わっていないのでしょうか。
読了日:03月18日 著者:朝井 まかて
夢も見ずに眠った。夢も見ずに眠った。感想
一組の夫婦が過ごした25年の歳月。妻の単身赴任、夫の鬱。夫婦としての二人はすれ違ってしまっても、二人の旅の風景にぐっと心を捕まれた。ラストの1ページ、感動しました。絲山さんの作品、そう多くは読んでいないけれど、現時点で最高でした。
読了日:03月19日 著者:絲山秋子
だから殺せなかっただから殺せなかった感想
一本木透さん、初読み。第27回鮎川哲也賞優秀賞受賞作。首都圏で起きた連続無差別殺人事件、その犯人を名乗る男「ワクチン」と新聞記者が繰り広げる緊迫の紙上戦。一本木記者、人の痛みがわかる人だと思ったのに。。
読了日:03月20日 著者:一本木 透
ノースライトノースライト感想
読み終えるのがもったいないのに、先が知りたくてページをめくる手を止められない。横山さんの長編、たっぷりと堪能しました。信濃追分の家、実物を想像しながら読了。ミステリーであり、家族の物語でもあるのかな。
読了日:03月21日 著者:横山 秀夫
波の上のキネマ (単行本)波の上のキネマ (単行本)感想
祖父が創業した小さな映画館「「波の上のキネマ」。70年を経て廃業が決まったとき、祖父を知る人物が訪ねてくる。祖父の若き日の苦闘、祖母チルーとのこと。西表島の炭鉱とジャングルの映画館。これ、もっと多くの人に読んで貰いたい本です。お薦め本。
読了日:03月22日 著者:増山 実
夜の塩夜の塩感想
濃い目の昼ドラ的な作品❨褒め言葉❩です。名門女子高で英語教師をしている十希子が、突然母の死を知らされる。年下の商社の男と心中したと。母の死に不審を抱いた十希子は母の勤めていた料亭に仲居として働き、真相に迫って行く。高度成長期の少し前の東京の雰囲気も楽しめる1冊。
読了日:03月23日 著者:
くらやみガールズトークくらやみガールズトーク感想
女性が感じている不公平さ。ポップな装丁に騙されると痛い目に遇います。こけしがひそひそ話をする「ガールズトーク」が好みでした。
読了日:03月23日 著者:朱野 帰子
本日も教官なり本日も教官なり感想
自動車教習所の教官・益子豊士は四十半ばのバツイチ。別れた元妻から17歳の娘の妊娠を告げられて人生最大のS字クランクに。教習に通う様々な人との人間模様、ロック中年・豊士、良いヤツでした。
読了日:03月24日 著者:小野寺 史宜
てらこや青義堂 師匠、走るてらこや青義堂 師匠、走る感想
スピード感のあるストーリーでサクサク読みました。元忍びの寺子屋師匠・坂入十蔵、とても魅力的なヒーロー。筆子たちも個性豊かで良かったです。
読了日:03月26日 著者:今村 翔吾
砂塵の掟-オッドアイ砂塵の掟-オッドアイ感想
浅倉さん、相変わらずタフです。日米地位協定の分厚い壁と対峙し、米軍の闇と戦う。恋人・幸恵もピンチに。文句なしに面白かったです。


読了日:03月27日 著者:渡辺 裕之
いきぢごくいきぢごく感想
友人と旅行会社を経営する42歳の鞠子。亡き大伯父が遺した元遍路宿で見つけた古い遍路日記。女として生きる鞠子は遍路日記にのめり込んで行く。感想をまとめ難いのですが、まさに「いきぢごく」。
読了日:03月27日 著者:宇佐美まこと
予言の島予言の島感想
瀬戸内海の霧久井島、かつて高名な霊脳者・宇津木幽子が遺した予言の場所。幼馴染みたちと島を訪れた天宮淳は島で起こった惨劇に巻き込まれるが。怨霊の言い伝えや呪い、しかし生きている人間が一番恐ろしい。
読了日:03月28日 著者:澤村伊智
真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん(5) (ハルキ文庫)真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん(5) (ハルキ文庫)感想
食い意地の張っている私は、毎回引き付けられます。一子・二三・万里のトリオで「はじめ食堂」は大にぎわい。巻末のレシピがありがたいですね。続編も楽しみです。
読了日:03月29日 著者:山口恵以子
羊の告解羊の告解感想
中三の夏休み直前、いつもと同じ朝、突然父親が逮捕された。いきなり「加害者家族」になった音石涼平、とても重い現実を描いていますが、YA向きなので読みやすかったです。皆さんにお薦めです。
読了日:03月29日 著者:いとう みく
ユリゴコロユリゴコロ感想
死の迫った父が隠し持っていた4冊のノート。「ユリゴコロ」と名付けられたノートは恐ろしい殺人者の手記。先が気になり一気に読了。イヤミスと言うイメージで読み始めたのですが、意外なことに読後感は悪くはなかったです。
読了日:03月30日 著者:沼田 まほかる
ぞぞのむこぞぞのむこ感想
井上宮さん、初読み。う~ん、正直好みの作風ではありませんでした。不条理ホラーというジャンルだそうですが、気持ち悪さで最後は飛ばし読み。
読了日:03月31日 著者:井上宮
おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞感想
最愛の夫を亡くして一人で暮らす桃子さん、74歳。老いて行く自分と向き合うことの切なさは何となく理解出来ます。東北弁もさほど気にならずに読了。芥川賞らしい文章でした。
読了日:03月31日 著者:若竹千佐子

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