ゆみねこ日記

日常日記です。

1月の読書記録

2022-02-01 16:07:20 | ブックレビュー
1月の読書メーター
読んだ本の数:29
読んだページ数:9420
ナイス数:3997

パラソルでパラシュートパラソルでパラシュート感想
一流企業の受付嬢の柳生美雨は29歳。契約社員の美雨に残された残り1年のタイムリミット。靴ズレがキッカケで知り合ったお笑い芸人の矢沢亨や仲間たちとの交流、古いシェアハウスでの共同生活。美雨の意識や行動の変化、亨と相方・弓彦の友情と恋。言葉のやり取りが面白く、とても良かった。年明け1冊目、満足!
読了日:01月01日 著者:一穂 ミチ
フィッシュボーンフィッシュボーン感想
地元出身の作家さんの地元が舞台の1冊。ヤクザの息子・玉山陸人、虐待を受け施設で育った日高航、殺人を犯して服役中の父を持つ沖匡海。世間から爪弾きにされた3人の少年たちは「教える人・正す人」になろうと誓ったが…。社長令嬢誘拐計画を機に狂い始める未来図。密漁の闇、ヤクザの制裁の残虐さ、友情の行方は。。
読了日:01月02日 著者:生馬 直樹
見えない星に耳を澄ませて見えない星に耳を澄ませて感想
音大のピアノ専科に通う真尋は、音楽療法に出会い実習を受けることに。傷ついた患者たちの心の音に耳を澄ませ、向き合う。真尋の進路を心よく思わず邪魔をする母、母に対して冷たい扱いをする祖母。真尋自身の抱える悩みの正体が明らかに…。最後は救われたのか?終わり方がスッキリしない。
読了日:01月03日 著者:香月 夕花
絞め殺しの樹絞め殺しの樹感想
昭和10年、新潟から生まれ故郷の根室へ呼び戻された橋宮ミサエ10歳。屯田兵の一族の誇りだけを振りかざす吉岡家で苛酷な労働を強いられる。後に札幌で看護婦になるが再び根室へ戻り保健婦として地域の為に働く。ミサエに降りかかる数多の苦難と唐突な第一部終焉。第二部は吉岡家の養子となった息子・雄介。生みの親ミサエと心を通わすことも出来ず吉岡の横暴に憤りながらの読書。時を経て因縁の男や養父に放った雄介の言葉、最後はスッキリ出来たので重たい内容ながら後味は良い。河崎さんの大作、お薦め!
読了日:01月05日 著者:河崎 秋子
シリウスの反証シリウスの反証感想
冤罪をなくそうと立ち上がった「チームゼロ」に郡上踊りの晩に起きた一家4人惨殺事件の犯人として死刑判決を受けた死刑囚・宮原から無実を訴える手紙が届いた。若い弁護士・藤嶋は事件について調べ始める。冤罪を救済することの困難さ、科学捜査や証拠保全など読み応えあり。リーダーだった東山を殺害した犯人が不明のままなのはモヤモヤした…。
読了日:01月06日 著者:大門 剛明
正欲正欲感想
うわ〜感想を書き難い。多様性とは何だろう?不登校の息子を持つ検事と主婦の家族。同級生同士のカップルだらけの地方都市で生きる女性と元同級生の男性、男性が怖い女子大生と変わった性癖に悩む男子学生…。今の時勢を捉えた問題作だ。
読了日:01月07日 著者:朝井 リョウ
サイレント 黙認サイレント 黙認感想
カフェで働く華は、大きな建設会社の御曹司・勝人と交際を始めたが、華の弟・星也は勝人の持つ異常さに不安を覚える。勝人の生い立ちと母親の非情さ、父親の不甲斐なさで出来上がった人格なのかと思っていたら…。オゾミス度は前2作に比べるとさほどでもないけれど、虐待シーンは読むのが辛かった。
読了日:01月08日 著者:神津 凛子
ミス・パーフェクトが行く!ミス・パーフェクトが行く!感想
読み友さん絶賛の本作、まさに爽快で読み心地抜群!一気に読了です。厚労省のキャリア官僚・真波莉子は仕事が出来る女。会議で失言し炎上した政治家の後始末をし、働く舞台をファミレス・航空会社・地方の赤字病院へと拡げ次々に問題を解決させる。これは続きがありますよね?!シリーズ化希望!
読了日:01月09日 著者:横関 大
偽装同盟偽装同盟感想
前作・抵抗都市から1年後の東京。ロシアの属国となった日本で起こる事件を捜査する警視庁の新堂。若い日本人女性の殺害事件の捜査に投入されたと同時期にロシアの首都では大規模な騒擾が起こる。日本が舞台なのに異国の物語を読むような雰囲気。歴史の転換期をダイナミックに描いている。帝政ロシアの終焉でこの先はどうなるのか?
読了日:01月10日 著者:佐々木 譲
自転しながら公転する自転しながら公転する感想
32歳の与野都、上手く行かない仕事から逃れるように、母親の病気をキッカケに実家に戻る。地元のアウトレットモールのショップで契約社員として働く都と中卒の寿司屋の店員・貫一の出会い。結婚・仕事・親の介護、悩み迷いながら都はどうなるか、一気に読みました。プロローグの花嫁は誰か?エピローグでストンと…。上手い、心に残る、こんな素敵な物語を遺して下さり山本文緒さんに感謝、合掌。
読了日:01月12日 著者:山本 文緒
トムと3時の小人 (GO!GO!ブックス 1)トムと3時の小人 (GO!GO!ブックス 1)感想
つとむが古道具屋で見つけた1冊の赤い本「トムと3時の小人」、読みたい!どうしても読みたくて図書館へ行って閲覧した素敵な物語。物語の二重構造、面白かった!つとむくんが書いた下巻も読んでみたいかも。
読了日:01月12日 著者:たかどの ほうこ
焼肉で勝負! 食堂のおばちゃん(10) (ハルキ文庫)焼肉で勝負! 食堂のおばちゃん(10) (ハルキ文庫)感想
食堂のおばちゃんシリーズ第10弾。発達障害のお子さんの為の親子料理教室、空き家問題、ストーカー事件、瑠美先生の元彼登場など今作も盛り沢山。出てくる料理は相変わらず美味しそう!
読了日:01月12日 著者:山口 恵以子
にぎやかな落日にぎやかな落日感想
北海道で一人暮らしをするおもちさん、83歳。夫は特養に入り、東京にいる娘と近くに住まう長男の嫁が気遣ってくれる。おもちさんの頭は時々スッキリするが、難しいことは考えられなくなっている。おもちさんの心の声、不安な気持ちや過去への後悔、時々やらかす失敗にニヤニヤしたり。やがて来る私自身の老後を考えさせられ、老母の今の心情に思いを馳せる読書になった。
読了日:01月13日 著者:朝倉 かすみ
共犯者共犯者感想
岐阜の山中で顔面を激しく損壊された男性の遺体が発見され、DNAから身元が特定された。発見から身元特定まで1週間、被疑者も目処がついているのに進まない捜査。事件に不審な点を見た週刊誌記者・宮治が取材を進め、明らかになった真実。報道の使命と家族への思い、血縁・戸籍・家族のこと。幼い子供への虐待とPTSD、読み応えある1冊。
読了日:01月15日 著者:三羽 省吾
蚕の王 (単行本)蚕の王 (単行本)感想
ため息と共に読了。戦後の混乱期に起きた一家4人惨殺事件「二俣事件」。犯人として一人の若者が逮捕され、警察の拷問で自白を強要され、死刑判決を受けた後に逆転無罪となった。警察と司法が手を組んで犯人を捏造するなど、想像を絶する事態に驚いた。真犯人が捕まらずのうのうと生きているのがなんともやり切れない。安東さんの出身地の事件を題材にした力作。
読了日:01月17日 著者:安東 能明
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2感想
前作より大人になった息子くん。イギリス社会も格差と分断が大きくなっていて、中学生の学校生活にも多々影響が。クールな息子くんの眼差し、日本と違う教育プログラム、とても興味深く読了。日本に帰って来た時のじいちゃんとのやり取りと手紙、ジーンときました。続き、読みたいです!
読了日:01月18日 著者:ブレイディ みかこ
底惚れ (文芸書)底惚れ (文芸書)感想
一季奉公を重ねて四十を過ぎた男がお手付き女中の芳の宿下がりの同行を命じられるが、芳は男を刺して失踪する。命を取りとめた男は芳に自らの無事を知らせるために女郎屋の主となって探し続けるが…。男の一途な思い、銀次や信と言う脇を固める好人物たち。「底惚れ」をしていた人は?ひと味変わった時代もの、お薦めです!
読了日:01月18日 著者:青山文平
求めよ、さらば求めよ、さらば感想
結婚7年、34歳の志織と誠太。妊活を始めたが上手く行かない。優しく理想の夫と言われていた誠太が突然失踪し、残された1通の手紙。夫が抱えていた秘密とは?どうなることかとハラハラしながら読んだけど、ハッピーエンドで良かった!「他人の言葉で私を予習しないで」この言葉、名言。
読了日:01月19日 著者:奥田 亜希子
黒牢城黒牢城感想
第166回直木賞受賞作。有岡城が舞台、城主・荒木村重は織田に包囲され籠城。織田方の使者・黒田官兵衛は城の奥深くの土牢に幽閉される。城内で起こる不審な出来事の謎を村重は官兵衛に問う…。武士の生き様と心理戦、少し読み難い部分もあったがラストの邂逅シーンで安堵。面白かった!
読了日:01月21日 著者:米澤 穂信
愚かな薔薇 (文芸書)愚かな薔薇 (文芸書)感想
やがてやって来る地球最後の日。人類は未来のため宇宙へ向かわねばならない。14歳になると宇宙船「虚ろ舟」に乗るための適性のある子供を集めて古代に舟が着いた地・磐座(いわくら)でキャンプが開かれる。虚ろ舟乗りになるため体に大きな変化が起こるが、事情を知らされず参加した高田奈智の戸惑いと変異への恐怖。先が気になり一気読み。私にはとても好みの作品、面白く読了。
読了日:01月23日 著者:恩田陸
イシマル書房編集部 (ハルキ文庫)イシマル書房編集部 (ハルキ文庫)感想
小さな出版社・イシマル書房にインターンとして採用された満島絢子。ところがイシマル書房は親会社から半年で経営を改善させないと他社に株を売却すると。会社存続の危機を乗り越えるために作戦をねる社員たち。みんなでベストセラーを生み出す為に努力する日々。面白くて一気読み!絢子さん「あやたんぬ」で読メユーザー(笑)これはお薦め本!
読了日:01月24日 著者:平岡 陽明
警官の道警官の道感想
7人の作家さんの警察小説。短編なのが勿体ない!面白さで印象的なのが長浦京さんの[シスター・レイ]、深町秋生さんの[クローゼット]も良かった。豪華メンバーの作品を一挙に読めるお得感満載の1冊。
読了日:01月25日 著者:呉 勝浩,下村 敦史,長浦 京,中山 七里,葉真中 顕,深町 秋生,柚月裕子
世界の美しさを思い知れ世界の美しさを思い知れ感想
25歳の若さで遺書もなく自殺した人気俳優の蓮見尚斗。遺された一卵性双生児の兄・貴斗は弟のスマホに届いた礼文島行きの航空券を見つける。尚人が行きたかった場所を訪い、届いた荷物の送り主を訪ねて、出演した映画のロケ地を訪れ…。礼文島・マルタ・台湾・ロンドン・NY・南米、世界を巡る慰霊と気付きの旅。エンドロールで泣き、エピローグでまた驚く。タイトル、上手いなあ!
読了日:01月26日 著者:額賀 澪
結 妹背山婦女庭訓 波模様結 妹背山婦女庭訓 波模様感想
前作・渦では人形浄瑠璃作家の近松半二の戯作に賭ける熱気を、今作は半二亡き後の弟子や娘、浄瑠璃に魅せられた人々を描く群像劇。浄瑠璃や歌舞伎に対する造詣が深ければもっと楽しめたかと。返却日が迫って駆け足の読書になってしまって残念。機会があればじっくり再読したい。
読了日:01月27日 著者:大島 真寿美
もう別れてもいいですか (単行本)もう別れてもいいですか (単行本)感想
澄子さん、良く頑張りました!「一緒にいるだけで息がちゃんと出来なくなる」それほど嫌になった夫と離婚することの難しさ。世間の目を気にする澄子は多分踏ん切りつかないだろうと思ったら、スッキリ離婚出来て良かった。次女夫婦も心配だったが、良い方向になったのが嬉しい。還暦間近の女性たちへのエール(笑)
読了日:01月27日 著者:垣谷 美雨
黄金旅程黄金旅程感想
超一流の資質を持ちながら勝ちきれない競走馬・エゴンウレア。気性が荒くプライドの高いこの馬を愛し、彼に夢を託した人々の物語。騎手を志すも体の成長で断念し装蹄師になった平野敬・元一流ジョッキーでワケありの和泉亮介・生産牧場主の栗木、日高地方の人々の期待と競走馬の生涯を考えさせられながらの読書に。面白かったです。
読了日:01月29日 著者:馳 星周
丘の上の賢人 旅屋おかえり (集英社文庫)丘の上の賢人 旅屋おかえり (集英社文庫)感想
旅屋おかえり第2弾。今回の依頼は、えりかが足を踏み入れないと誓っていた故郷北海道への旅。ある動画に映っている人物がかっての恋人かどうかを確かめるというもの。依頼人の初恋にまつわるほろ苦い思い出と交流が途絶えている姉への思い。ドラマの前半だけ視聴した後で読んだのでえりかのイメージは安藤さくらさん、エッセイとおかえりデビュー前夜の漫画も収録されてお得感満載の1冊、面白かった!
読了日:01月29日 著者:原田 マハ
桜風堂夢ものがたり桜風堂夢ものがたり感想
桜風堂シリーズ最新作は、タイトル通りの夢物語。若き店長・月原一整の出番が少ないのはちょっと残念だけど、4つの物語それぞれが味わい深く素敵でした。3人の少年たちのハロウィンの夜の冒険「秋の怪談」が一番気に入りました。
読了日:01月30日 著者:村山 早紀
佳代のキッチン ラストツアー佳代のキッチン ラストツアー感想
キッチンカーで日本全国を「移動調理屋」を営みながら旅をする佳代。コロナ禍で弟の住まいで暮らすこと半年、函館の恩人の食堂が閉店したとの報を耳にしたのをキッカケに函館へ。恩人の息子を立ち直らせ、長い全国行脚が始まる。時に落ち込み、弟に励まされ、巡り巡って小豆島へ。ハッピーエンドでシリーズ完結、面白く読了!
読了日:01月30日 著者:原宏一

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