10月の読書メーター
読んだ本の数:40
読んだページ数:14156
ナイス数:5223
エースナンバー 雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)の感想
県立三ツ木高校に赴任した生物教師・若杉は、野球素人なのに監督を引き受けることに。情熱と真面目さを持つがド下手な中村主将・二年生エース月谷・出戻り部員の笛吹。弱小野球部の挑戦と、新米女性記者視点の甲子園取材記を挟んで、一気読みさせられました。高校野球はやっぱりドラマティックですね。最終巻も楽しみです。
読了日:10月01日 著者:須賀 しのぶ
南青山骨董通り探偵社 (光文社文庫)の感想
シリーズ始めの1冊なので、登場人物紹介編とも言えるのかな。本編の事件は吐き気がするほど嫌なものだけど、一流企業を辞めて南青山骨董通り探偵社の一員になった雅也のこれからを読んでみたいので、続編も読んでみます。
読了日:10月01日 著者:五十嵐 貴久
砂の城 風の姫 (講談社X文庫)の感想
シリーズ第2弾。自分の生国の内乱を治め、弟に国を譲った飛牙は、天令・那兪とともに隣国・燕へ。燕国は代々女王が治める国。後継ぎの娘を授かることのみを強いられる名跡姫・甜湘と飛牙の大活躍の巻。乳兄弟・裏雲を救うことは出来るのか?!次の巻も楽しみです。このシリーズ面白い。
読了日:10月02日 著者:中村 ふみ,六七質
夏雷の感想
月島の便利屋・倉持は、元同僚の探偵・砂本からの紹介で、山田という男を北アルプス・槍ヶ岳へ登山させるという依頼を受けた。熱心に山へのトレーニングを重ねる山田。なぜ彼は槍ヶ岳を目指したのか?やたら倉持が尾行されたり暴行されたり、因縁めいた人間関係満載。まずまず。
読了日:10月02日 著者:大倉崇裕
プリズン・トリックの感想
第55回江戸川乱歩賞受賞作。市原市の交通刑務所に収監された石塚は、同じ受刑者の宮崎を殺害し脱走した。石塚と名乗っていた男は何者なのか?隠されていた事実が最後に明かされて驚く。登場人物が多くて少し混乱。これがデビュー作、さすがです!でも、一番面白かったのは、ご本人の受賞の言葉。そこに出てくるみなさんが登場する物語を読んでみたいですね。
読了日:10月03日 著者:遠藤 武文
緑の模様画 (福音館創作童話シリーズ)の感想
小学生から中学生になる3人の少女たち。育ってきた環境もそれぞれ違っていたのに、あっという間に仲良くなれ、「小公女」がお話の軸になる。少し年上の青年への淡い憧れ、女の子の持つ少し面倒くさい心。たくみな伏線が明らかになり、素敵な物語に感動しました。全寮制の女学校、ちょっと憧れます。森さんのキャラクターがとても良かった。
読了日:10月04日 著者:高楼 方子
ゴーストの感想
様々な形のゴーストを描いた短編集。原宿の家・ミシンの履歴・きららの紙飛行機・亡霊たち・キャンプ・廃墟・ゴーストライターの7編。戦争に絡んだものも多くて、怖さはないけれど少し物悲しいものもあり。ミシンと紙飛行機が特に印象に残りました。
読了日:10月05日 著者:中島京子
ネメシスの契約の感想
厚労省職員の向井俊介が、複雑に絡み合った事件の謎を解く。しかしこの向井くん、警察官に転職した方が良いのでは?シリーズ2作目とのこと。謎をすべて明らかにして、不幸になる人も出てきたり、スッキリ解決ではなかったけれど、先が気になり一気に読めました。
読了日:10月05日 著者:吉田 恭教
夏は終わらない 雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)の感想
三ツ木高校の夏。県立の弱小野球部、彼ら一人一人が愛おしく、もっと見ていたかった。月谷・鈴江のバッテリー、キャプテン笛吹、マネージャー瀬川、監督や部長。彼らの夏は終わらない。
読了日:10月07日 著者:須賀 しのぶ
(P[は]2-4)ことづて屋 寄りそう人 (ポプラ文庫ピュアフル)の感想
シリーズ3作目にして完結編。津多恵の成長と恵介との関わりの変化。怜さんの隠されていた事情も。この作品のきっかけになった「海のかなた」は素晴らしかったです。もうちょっと津多恵と恵介を見ていたいけれど、このくらいで終わるのもちょうど良いのかもしれませんね。
読了日:10月09日 著者:濱野 京子
ランニング・ワイルドの感想
アドベンチャーレースに挑む警視庁チームは、リーダー・和倉と3人の仲間たち。レース直前に和倉の身に起こった異変。レースの展開とそれを見守る謎の男たち。うーん、犯人の正体は最初から予測が出来ているし、ちょっと和倉の思考と行動にもやもやしながら読みました。最後の大捕物は面白かったけれど、そこに至るまでが長かった。
読了日:10月10日 著者:堂場 瞬一
風とにわか雨と花の感想
両親の離婚と、小学生の子供たち。離婚は嫌いになったのではなく、小説家になりたい夫と建築設計の仕事に戻りたい妻の事情。サクサク読めて悪人が出てこない小路さんの王道パターンですが、大人が読むには少し物足りないかも。
読了日:10月10日 著者:小路 幸也
星ちりばめたる旗の感想
戦争が引き裂いた日系アメリカ人たちの暮らし。裸一貫で海を渡り築き上げた財産や家族も、国と国の戦いの中ですべてが失われた。二つの祖国を持つものの苦しみ、大原幹三郎・佳乃夫妻から3世のジュンコをつなぐ大河小説でした。これは多くの人に読んで欲しい1冊です。お勧め!
読了日:10月11日 著者:小手鞠 るい
この世の春 上の感想
下野北見藩の六代目藩主・北見重興は乱心ゆえに主君押込にあい、隠居させられる。五香苑に幽閉された重興と、世話係を担うことになった多紀。物語のつかみは上々、先が気になります。感想は下巻で!
読了日:10月12日 著者:宮部 みゆき
この世の春 下の感想
上下巻一気読みでした。重興の身に起こっていた辛い出来ごと、その心の闇をぬぐうように治療に努める白田登。懸命に重興を支える多紀や館の奉公人たち。すべてが明らかになり、春がやってきた。表紙の絵のように穏やかな二人をずっと見ていたくなりました。宮部さんの江戸もの、やっぱり良いですね~。お勧めです!早く文庫にならないかなぁ。
読了日:10月13日 著者:宮部 みゆき
マスカレード・ナイトの感想
ホテルコルテシア東京のカウントダウンパーティー。新田刑事が再びホテルマンとして潜入捜査に。事件の謎解きよりもホテルの裏側や、お客様の無理難題が面白かったです。
読了日:10月13日 著者:東野 圭吾
炎罪の感想
京都府警の片岡真子シリーズ。エクステンドを読んだ時にイライラさせられた記憶があってしばらく手を出さなかったのですが、今作は読みやすくて面白かったです。真子がサイコパスと対決。
読了日:10月14日 著者:鏑木 蓮
禁断のスカルペルの感想
自らの不倫で離婚せざるをえなくなり、勤めていた病院を追われるようにして三陸の港町伊達湊の病院に移った東子。伊達湊(石巻)を舞台に繰り広げられる病気腎の移植手術。記憶に新しい宇和島徳州会病院の事例をよく取材されて作られたストーリー。私だったら川淵充彦より伊集院先生を選ぶなぁ。誠実さが違う。
読了日:10月15日 著者:久間 十義
可視(み)える (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)の感想
石見銀山のほど近くにある神社に納められていたその絵は悍ましさに魘されるほどの恐ろしい絵。その作者の謎の死と首都圏で起こった連続猟奇殺人を調べる、探偵槙野と警視庁の女性刑事・東條。幽霊の目つきも恐ろしいけれど、やはり生きている人間はもっと恐ろしかったです。
読了日:10月16日 著者:吉田恭教
15歳、ぬけがらの感想
心を病んだ母親と二人、荒廃した市営住宅に住む中三の麻美。夏休みに入ると頼みの綱の給食もない。貧しい家の子供たちの過酷な現状、「まなび~」のような支援システムが身近にあれば、そして困っている子供たちに救いの手を差し伸べることが出来たらと心から思いました。教員になる人は貧困の現状をよく知らないという事実にも納得。
読了日:10月16日 著者:栗沢 まり
浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たちの感想
戦後の混乱期に大勢存在したという「浮浪児」。上野駅の地下道に彼らが大挙して住まうようになったきっかけは、1954年3月の東京大空襲。たくましく生きた彼らのことを石井さんが丹念な取材で記録したもの。戦後日本の影の部分を描いたとも言える1冊。忘れてはならない戦争の悲劇。
読了日:10月17日 著者:石井 光太
ニャンニャンにゃんそろじーの感想
有川さん、真梨さん以外はほとんどはじめましての作家さんでした。有川さんの作品は、「アンマーとぼくら」のスピンオフ、秀逸でした!「猫の島の郵便屋さん」はとても心和む作品。蛭田亜紗子さんの「ファントムペインのしっぽ」も好きな作品。
読了日:10月17日 著者:有川 浩,町田 康,真梨 幸子,小松 エメル,蛭田 亜紗子,ねこまき(ミューズワーク),北道 正幸,益田 ミリ,ちっぴ
移植医たちの感想
日本では中々進まない脳死臓器移植。アメリカのピッツバーグ大学で先進的な移植医療を学び、日本でもチームを組んで命を救おうとする移植医たち。脳死を人の死としてとらえられるか否か、日本ではまずそこから。とても考えさせられる1冊でした。私は脳死になったとしたら自分の臓器を提供しても良いと思っています。
読了日:10月18日 著者:谷村 志穂
変若水の感想
厚労省の向井君シリーズ第1作。幼なじみの玲子が通勤途中で倒れ急死、玲子の親友も3日後に突然死。調べるうちにたどり着いた、島根県の山村・変若水(をちみづ)村。村の有力者一族がひた隠しにしていたおどろおどろしい真実をあぶり出す。怪しいなぁと思った人物は早々に気付いたけれど、一気に読める面白さでした。最近吉田さんにハマっています。
読了日:10月19日 著者:吉田恭教
バスを待つ男の感想
元刑事の主人公はリタイア後も働いていたが70歳で全くの無職に。家に引きこもりがちの夫を気遣った妻が勧めてくれたのは「シルバーパス」を使った路線バスの旅。昔歩いた現場や出会った人々との関わり、謎ときも絡めて中々面白かったのですが、奥さまの言葉遣いに最後まで馴染めず…。都内でも東の方にはあまり土地勘がないので尚更かな?
読了日:10月20日 著者:西村健
盤上の向日葵の感想
傑作!この作品は、柚月さんの作品の中でも群を抜いて素晴らしかった。天才棋士・桂介の生い立ちとその過酷さに心が震えた。将棋が彼にもたらした希望と不幸、東明の狂気のような勝利への執念。地道に捜査する刑事たち。読み終えて、しばらく感想をまとめることが出来なかった。今年読んだ本の上位になりそう。お勧め!
読了日:10月21日 著者:柚月 裕子
百貨の魔法の感想
風早の町にある古めかしい「星野百貨店」は地域の人々に愛されるお店。創業50年を過ぎ先細りになったそのお店にやってきた不思議なコンシェルジュ・結子。見た人の願いを叶えてくれるという不思議な白い子猫や、お店で働く人々の職場への愛。読み終えた後ほっこりと心温まる1冊でした。「桜風堂ものがたり」を読んだ人には嬉しいつながりもありますよ。
読了日:10月21日 著者:村山 早紀
銀河鉄道の父の感想
宮沢賢治の父・政次郎。優秀な長男であった賢治に対する父の期待と思い。賢治が家業である質店を継ぐことを嫌がり、創作活動に没頭することが出来たのも、父や兄弟たちの愛情があったればこそ。とても印象に残る1冊になりそうです。
読了日:10月22日 著者:門井 慶喜
越境捜査の感想
14年前に起こった未解決の殺人事件。詐欺の疑いがかけられた被害者と、被害者が持っていたとされる12億円の行方。警察上層部の腐敗を暴こうとする鷺沼、神奈川県警の不良刑事・宮野、やくざの福富。尊敬する先輩は果たして悪の一味なのか?長かったけれど面白く読みました。シリーズ、追いかけ決定。
読了日:10月23日 著者:笹本 稜平
奈落の偶像 警視庁捜査一課十一係 (講談社ノベルス)の感想
警視庁捜査一課十一係シリーズの9作目。如月塔子の女性ならではの直感で今作も捜査が進む。銀座を舞台にした劇場型犯罪。被害者たちはクズでした。塔子と鷹野のやり取りは相変わらずで面白かったです。
読了日:10月24日 著者:麻見 和史
雪煙チェイス (実業之日本社文庫)の感想
殺人の容疑をかけられた大学生・脇坂くん。彼のアリバイを証明できるのは、正体不明の美人スノーボーダー。追いかける所轄警察署の刑事コンビ。あっという間に読み切りました。根津と千晶もいよいよ!このシリーズは軽く読めて楽しめますね。
読了日:10月24日 著者:東野圭吾
鬼を纏う魔女の感想
渋谷道玄坂で通り魔事件発生。3人が亡くなり1人の女性が瀕死の状態で搬送される。身元を示すものはなく、体には鬼の刺青が。女性の身元をたどると、謎の失踪事件や怪しい宗教団体が。事件を追う東條と山梨県警の刑事たち。本当にこんな危ない団体がいたら恐ろしいです。お話の中だけで十分。でも、面白くて読むのを止められず。P189の名前を呼ばれるシーンは校正ミス?
読了日:10月25日 著者:吉田恭教
小公女 (福音館古典童話シリーズ 41)の感想
高楼さんの「緑の模様画」を読んで、同じ訳者の翻訳版のこちらへ。昔読んだものは小学館版の「少年少女世界の名作文学全集」だった記憶があるのですが訳者はどなただか忘れました。ロンドンの寄宿学校の様々な出来事、屋根裏の魔法、雨の日の4ペンスとパン屋の話なども印象に残っていたのでとても懐かしく読了しました。
読了日:10月25日 著者:フランシス・ホジソン・バーネット
さまよえる古道具屋の物語の感想
不思議な古道具屋に誘われるように入った人は、奇妙な品物を買わされてしまう。それを手に入れたことで幸せになる人、不幸に見舞われる人。すべての話がつながった時、品物と店主の謎が解ける。恵まれた境遇なのに中身のない女性・串田由紀子にまったく共感出来ず。重い内容だけど、最後は希望が見えて読み心地は悪くなかった。
読了日:10月26日 著者:柴田 よしき
地の星 なでし子物語の感想
あの燿子が18年の時を経て、「おあんさん」と呼ばれる立場になっていた。遠藤家を取り巻く状況も大きく様変わりしていたが、燿子の心根は変わっていないのが嬉しい!寂れゆく峰生の地域再生と女たちの自立、とても引き込まれ一気読み。明春早々に刊行される「天の花」が楽しみ。『やらまいか』良い言葉。
読了日:10月28日 著者:伊吹 有喜
堕天使の秤(はかり)の感想
一件の交通事故、死亡したのは2人の医師と身元不明の麻酔で眠らされた女性と瀕死の男性。捜査する刑事・南雲たち。同時進行で年金の不正受給の疑いのある事例を調査する向井。一見つながりのないような事件が複雑に関わってきて、南雲の同僚・茂木の家族の切ない事情も。向井君、今回はあまりハメを外してないし、大人しい。
読了日:10月29日 著者:吉田 恭教
錆びた太陽の感想
近未来の日本を舞台にしたSF作品。21世紀初頭に起こった大きな原発事故で立ち入り制限区域を守っているのはロボットたち。そこに前触れもなくやってきた国税庁職員の若い女性・財護徳子。ロボットたちのネーミングや昭和のネタが織り込まれていて、かなり深刻な状況なのに何故かクスリと笑わせられる展開。ボスのキャラクター、好きです!
読了日:10月30日 著者:恩田 陸
冤罪犯の感想
幼女の遺体が発見され、7年前に起こった事件と酷似していた。7年前の犯人田宮は逮捕され、二審で死刑判決をうけたのち拘置所で自殺。果たして田宮は冤罪だったのか?遺留品の謎、見落とされていた事実。先が気になって一気に読了しました。幼女が犠牲になる事件のものは痛ましくていやになります。
読了日:10月30日 著者:翔田 寛
失恋バスは謎だらけの感想
失恋した人をとことん落ち込ませることで新たなスタートを切る、失恋バスツアー。『あおぞらバスツアーズ』の添乗員・天草龍太郎と、ツアーに参加した個性的な男女9人。同行するカウンセラーの小雪とドライバーのまどか。小雪の秘密は女性なら早々に気づいてしまいますよね。でも、それも含めて楽しく読み切りました。あの玉子かけご飯や、キリコさんの名前も登場。森沢さんのサービス精神は嬉しい限り。
読了日:10月31日 著者:森沢 明夫
てっぺん 我が妻・田部井淳子の生き方の感想
唯川恵さんの「淳子のてっぺん」で田部井淳子さんの生涯を小説という形で読了しました。この本はご主人・田部井政伸さんが、淳子さん亡きあと、その足跡を書かれたもの。女性として世界初を成し遂げ、いくつもの国々の最高峰を踏破したスーパーウーマンと支え続け共に歩んだダンナ様の素晴らしさ。とても素敵な1冊でした。お二人の交わしたお手紙、温かなお人柄と愛情が伝わってきました。
読了日:10月31日 著者:田部井 政伸
読書メーター
読んだ本の数:40
読んだページ数:14156
ナイス数:5223
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県立三ツ木高校に赴任した生物教師・若杉は、野球素人なのに監督を引き受けることに。情熱と真面目さを持つがド下手な中村主将・二年生エース月谷・出戻り部員の笛吹。弱小野球部の挑戦と、新米女性記者視点の甲子園取材記を挟んで、一気読みさせられました。高校野球はやっぱりドラマティックですね。最終巻も楽しみです。
読了日:10月01日 著者:須賀 しのぶ
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シリーズ始めの1冊なので、登場人物紹介編とも言えるのかな。本編の事件は吐き気がするほど嫌なものだけど、一流企業を辞めて南青山骨董通り探偵社の一員になった雅也のこれからを読んでみたいので、続編も読んでみます。
読了日:10月01日 著者:五十嵐 貴久
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シリーズ第2弾。自分の生国の内乱を治め、弟に国を譲った飛牙は、天令・那兪とともに隣国・燕へ。燕国は代々女王が治める国。後継ぎの娘を授かることのみを強いられる名跡姫・甜湘と飛牙の大活躍の巻。乳兄弟・裏雲を救うことは出来るのか?!次の巻も楽しみです。このシリーズ面白い。
読了日:10月02日 著者:中村 ふみ,六七質
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月島の便利屋・倉持は、元同僚の探偵・砂本からの紹介で、山田という男を北アルプス・槍ヶ岳へ登山させるという依頼を受けた。熱心に山へのトレーニングを重ねる山田。なぜ彼は槍ヶ岳を目指したのか?やたら倉持が尾行されたり暴行されたり、因縁めいた人間関係満載。まずまず。
読了日:10月02日 著者:大倉崇裕
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第55回江戸川乱歩賞受賞作。市原市の交通刑務所に収監された石塚は、同じ受刑者の宮崎を殺害し脱走した。石塚と名乗っていた男は何者なのか?隠されていた事実が最後に明かされて驚く。登場人物が多くて少し混乱。これがデビュー作、さすがです!でも、一番面白かったのは、ご本人の受賞の言葉。そこに出てくるみなさんが登場する物語を読んでみたいですね。
読了日:10月03日 著者:遠藤 武文
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小学生から中学生になる3人の少女たち。育ってきた環境もそれぞれ違っていたのに、あっという間に仲良くなれ、「小公女」がお話の軸になる。少し年上の青年への淡い憧れ、女の子の持つ少し面倒くさい心。たくみな伏線が明らかになり、素敵な物語に感動しました。全寮制の女学校、ちょっと憧れます。森さんのキャラクターがとても良かった。
読了日:10月04日 著者:高楼 方子
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様々な形のゴーストを描いた短編集。原宿の家・ミシンの履歴・きららの紙飛行機・亡霊たち・キャンプ・廃墟・ゴーストライターの7編。戦争に絡んだものも多くて、怖さはないけれど少し物悲しいものもあり。ミシンと紙飛行機が特に印象に残りました。
読了日:10月05日 著者:中島京子
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厚労省職員の向井俊介が、複雑に絡み合った事件の謎を解く。しかしこの向井くん、警察官に転職した方が良いのでは?シリーズ2作目とのこと。謎をすべて明らかにして、不幸になる人も出てきたり、スッキリ解決ではなかったけれど、先が気になり一気に読めました。
読了日:10月05日 著者:吉田 恭教
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三ツ木高校の夏。県立の弱小野球部、彼ら一人一人が愛おしく、もっと見ていたかった。月谷・鈴江のバッテリー、キャプテン笛吹、マネージャー瀬川、監督や部長。彼らの夏は終わらない。
読了日:10月07日 著者:須賀 しのぶ
![(P[は]2-4)ことづて屋 寄りそう人 (ポプラ文庫ピュアフル)](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51VCC136zFL._SL120_.jpg)
シリーズ3作目にして完結編。津多恵の成長と恵介との関わりの変化。怜さんの隠されていた事情も。この作品のきっかけになった「海のかなた」は素晴らしかったです。もうちょっと津多恵と恵介を見ていたいけれど、このくらいで終わるのもちょうど良いのかもしれませんね。
読了日:10月09日 著者:濱野 京子
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アドベンチャーレースに挑む警視庁チームは、リーダー・和倉と3人の仲間たち。レース直前に和倉の身に起こった異変。レースの展開とそれを見守る謎の男たち。うーん、犯人の正体は最初から予測が出来ているし、ちょっと和倉の思考と行動にもやもやしながら読みました。最後の大捕物は面白かったけれど、そこに至るまでが長かった。
読了日:10月10日 著者:堂場 瞬一
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両親の離婚と、小学生の子供たち。離婚は嫌いになったのではなく、小説家になりたい夫と建築設計の仕事に戻りたい妻の事情。サクサク読めて悪人が出てこない小路さんの王道パターンですが、大人が読むには少し物足りないかも。
読了日:10月10日 著者:小路 幸也
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戦争が引き裂いた日系アメリカ人たちの暮らし。裸一貫で海を渡り築き上げた財産や家族も、国と国の戦いの中ですべてが失われた。二つの祖国を持つものの苦しみ、大原幹三郎・佳乃夫妻から3世のジュンコをつなぐ大河小説でした。これは多くの人に読んで欲しい1冊です。お勧め!
読了日:10月11日 著者:小手鞠 るい
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下野北見藩の六代目藩主・北見重興は乱心ゆえに主君押込にあい、隠居させられる。五香苑に幽閉された重興と、世話係を担うことになった多紀。物語のつかみは上々、先が気になります。感想は下巻で!
読了日:10月12日 著者:宮部 みゆき
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上下巻一気読みでした。重興の身に起こっていた辛い出来ごと、その心の闇をぬぐうように治療に努める白田登。懸命に重興を支える多紀や館の奉公人たち。すべてが明らかになり、春がやってきた。表紙の絵のように穏やかな二人をずっと見ていたくなりました。宮部さんの江戸もの、やっぱり良いですね~。お勧めです!早く文庫にならないかなぁ。
読了日:10月13日 著者:宮部 みゆき
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ホテルコルテシア東京のカウントダウンパーティー。新田刑事が再びホテルマンとして潜入捜査に。事件の謎解きよりもホテルの裏側や、お客様の無理難題が面白かったです。
読了日:10月13日 著者:東野 圭吾
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京都府警の片岡真子シリーズ。エクステンドを読んだ時にイライラさせられた記憶があってしばらく手を出さなかったのですが、今作は読みやすくて面白かったです。真子がサイコパスと対決。
読了日:10月14日 著者:鏑木 蓮
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自らの不倫で離婚せざるをえなくなり、勤めていた病院を追われるようにして三陸の港町伊達湊の病院に移った東子。伊達湊(石巻)を舞台に繰り広げられる病気腎の移植手術。記憶に新しい宇和島徳州会病院の事例をよく取材されて作られたストーリー。私だったら川淵充彦より伊集院先生を選ぶなぁ。誠実さが違う。
読了日:10月15日 著者:久間 十義
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石見銀山のほど近くにある神社に納められていたその絵は悍ましさに魘されるほどの恐ろしい絵。その作者の謎の死と首都圏で起こった連続猟奇殺人を調べる、探偵槙野と警視庁の女性刑事・東條。幽霊の目つきも恐ろしいけれど、やはり生きている人間はもっと恐ろしかったです。
読了日:10月16日 著者:吉田恭教

心を病んだ母親と二人、荒廃した市営住宅に住む中三の麻美。夏休みに入ると頼みの綱の給食もない。貧しい家の子供たちの過酷な現状、「まなび~」のような支援システムが身近にあれば、そして困っている子供たちに救いの手を差し伸べることが出来たらと心から思いました。教員になる人は貧困の現状をよく知らないという事実にも納得。
読了日:10月16日 著者:栗沢 まり

戦後の混乱期に大勢存在したという「浮浪児」。上野駅の地下道に彼らが大挙して住まうようになったきっかけは、1954年3月の東京大空襲。たくましく生きた彼らのことを石井さんが丹念な取材で記録したもの。戦後日本の影の部分を描いたとも言える1冊。忘れてはならない戦争の悲劇。
読了日:10月17日 著者:石井 光太
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有川さん、真梨さん以外はほとんどはじめましての作家さんでした。有川さんの作品は、「アンマーとぼくら」のスピンオフ、秀逸でした!「猫の島の郵便屋さん」はとても心和む作品。蛭田亜紗子さんの「ファントムペインのしっぽ」も好きな作品。
読了日:10月17日 著者:有川 浩,町田 康,真梨 幸子,小松 エメル,蛭田 亜紗子,ねこまき(ミューズワーク),北道 正幸,益田 ミリ,ちっぴ

日本では中々進まない脳死臓器移植。アメリカのピッツバーグ大学で先進的な移植医療を学び、日本でもチームを組んで命を救おうとする移植医たち。脳死を人の死としてとらえられるか否か、日本ではまずそこから。とても考えさせられる1冊でした。私は脳死になったとしたら自分の臓器を提供しても良いと思っています。
読了日:10月18日 著者:谷村 志穂

厚労省の向井君シリーズ第1作。幼なじみの玲子が通勤途中で倒れ急死、玲子の親友も3日後に突然死。調べるうちにたどり着いた、島根県の山村・変若水(をちみづ)村。村の有力者一族がひた隠しにしていたおどろおどろしい真実をあぶり出す。怪しいなぁと思った人物は早々に気付いたけれど、一気に読める面白さでした。最近吉田さんにハマっています。
読了日:10月19日 著者:吉田恭教

元刑事の主人公はリタイア後も働いていたが70歳で全くの無職に。家に引きこもりがちの夫を気遣った妻が勧めてくれたのは「シルバーパス」を使った路線バスの旅。昔歩いた現場や出会った人々との関わり、謎ときも絡めて中々面白かったのですが、奥さまの言葉遣いに最後まで馴染めず…。都内でも東の方にはあまり土地勘がないので尚更かな?
読了日:10月20日 著者:西村健

傑作!この作品は、柚月さんの作品の中でも群を抜いて素晴らしかった。天才棋士・桂介の生い立ちとその過酷さに心が震えた。将棋が彼にもたらした希望と不幸、東明の狂気のような勝利への執念。地道に捜査する刑事たち。読み終えて、しばらく感想をまとめることが出来なかった。今年読んだ本の上位になりそう。お勧め!
読了日:10月21日 著者:柚月 裕子
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風早の町にある古めかしい「星野百貨店」は地域の人々に愛されるお店。創業50年を過ぎ先細りになったそのお店にやってきた不思議なコンシェルジュ・結子。見た人の願いを叶えてくれるという不思議な白い子猫や、お店で働く人々の職場への愛。読み終えた後ほっこりと心温まる1冊でした。「桜風堂ものがたり」を読んだ人には嬉しいつながりもありますよ。
読了日:10月21日 著者:村山 早紀
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宮沢賢治の父・政次郎。優秀な長男であった賢治に対する父の期待と思い。賢治が家業である質店を継ぐことを嫌がり、創作活動に没頭することが出来たのも、父や兄弟たちの愛情があったればこそ。とても印象に残る1冊になりそうです。
読了日:10月22日 著者:門井 慶喜

14年前に起こった未解決の殺人事件。詐欺の疑いがかけられた被害者と、被害者が持っていたとされる12億円の行方。警察上層部の腐敗を暴こうとする鷺沼、神奈川県警の不良刑事・宮野、やくざの福富。尊敬する先輩は果たして悪の一味なのか?長かったけれど面白く読みました。シリーズ、追いかけ決定。
読了日:10月23日 著者:笹本 稜平

警視庁捜査一課十一係シリーズの9作目。如月塔子の女性ならではの直感で今作も捜査が進む。銀座を舞台にした劇場型犯罪。被害者たちはクズでした。塔子と鷹野のやり取りは相変わらずで面白かったです。
読了日:10月24日 著者:麻見 和史

殺人の容疑をかけられた大学生・脇坂くん。彼のアリバイを証明できるのは、正体不明の美人スノーボーダー。追いかける所轄警察署の刑事コンビ。あっという間に読み切りました。根津と千晶もいよいよ!このシリーズは軽く読めて楽しめますね。
読了日:10月24日 著者:東野圭吾
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渋谷道玄坂で通り魔事件発生。3人が亡くなり1人の女性が瀕死の状態で搬送される。身元を示すものはなく、体には鬼の刺青が。女性の身元をたどると、謎の失踪事件や怪しい宗教団体が。事件を追う東條と山梨県警の刑事たち。本当にこんな危ない団体がいたら恐ろしいです。お話の中だけで十分。でも、面白くて読むのを止められず。P189の名前を呼ばれるシーンは校正ミス?
読了日:10月25日 著者:吉田恭教
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高楼さんの「緑の模様画」を読んで、同じ訳者の翻訳版のこちらへ。昔読んだものは小学館版の「少年少女世界の名作文学全集」だった記憶があるのですが訳者はどなただか忘れました。ロンドンの寄宿学校の様々な出来事、屋根裏の魔法、雨の日の4ペンスとパン屋の話なども印象に残っていたのでとても懐かしく読了しました。
読了日:10月25日 著者:フランシス・ホジソン・バーネット
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不思議な古道具屋に誘われるように入った人は、奇妙な品物を買わされてしまう。それを手に入れたことで幸せになる人、不幸に見舞われる人。すべての話がつながった時、品物と店主の謎が解ける。恵まれた境遇なのに中身のない女性・串田由紀子にまったく共感出来ず。重い内容だけど、最後は希望が見えて読み心地は悪くなかった。
読了日:10月26日 著者:柴田 よしき

あの燿子が18年の時を経て、「おあんさん」と呼ばれる立場になっていた。遠藤家を取り巻く状況も大きく様変わりしていたが、燿子の心根は変わっていないのが嬉しい!寂れゆく峰生の地域再生と女たちの自立、とても引き込まれ一気読み。明春早々に刊行される「天の花」が楽しみ。『やらまいか』良い言葉。
読了日:10月28日 著者:伊吹 有喜
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一件の交通事故、死亡したのは2人の医師と身元不明の麻酔で眠らされた女性と瀕死の男性。捜査する刑事・南雲たち。同時進行で年金の不正受給の疑いのある事例を調査する向井。一見つながりのないような事件が複雑に関わってきて、南雲の同僚・茂木の家族の切ない事情も。向井君、今回はあまりハメを外してないし、大人しい。
読了日:10月29日 著者:吉田 恭教

近未来の日本を舞台にしたSF作品。21世紀初頭に起こった大きな原発事故で立ち入り制限区域を守っているのはロボットたち。そこに前触れもなくやってきた国税庁職員の若い女性・財護徳子。ロボットたちのネーミングや昭和のネタが織り込まれていて、かなり深刻な状況なのに何故かクスリと笑わせられる展開。ボスのキャラクター、好きです!
読了日:10月30日 著者:恩田 陸
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幼女の遺体が発見され、7年前に起こった事件と酷似していた。7年前の犯人田宮は逮捕され、二審で死刑判決をうけたのち拘置所で自殺。果たして田宮は冤罪だったのか?遺留品の謎、見落とされていた事実。先が気になって一気に読了しました。幼女が犠牲になる事件のものは痛ましくていやになります。
読了日:10月30日 著者:翔田 寛
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失恋した人をとことん落ち込ませることで新たなスタートを切る、失恋バスツアー。『あおぞらバスツアーズ』の添乗員・天草龍太郎と、ツアーに参加した個性的な男女9人。同行するカウンセラーの小雪とドライバーのまどか。小雪の秘密は女性なら早々に気づいてしまいますよね。でも、それも含めて楽しく読み切りました。あの玉子かけご飯や、キリコさんの名前も登場。森沢さんのサービス精神は嬉しい限り。
読了日:10月31日 著者:森沢 明夫

唯川恵さんの「淳子のてっぺん」で田部井淳子さんの生涯を小説という形で読了しました。この本はご主人・田部井政伸さんが、淳子さん亡きあと、その足跡を書かれたもの。女性として世界初を成し遂げ、いくつもの国々の最高峰を踏破したスーパーウーマンと支え続け共に歩んだダンナ様の素晴らしさ。とても素敵な1冊でした。お二人の交わしたお手紙、温かなお人柄と愛情が伝わってきました。
読了日:10月31日 著者:田部井 政伸
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