2月25日のブログに掲載した「水田は地球を救う」の原文を、3年ほど前にホームページに掲載したトピックスから再掲載します。
食糧不足に悩む国々に日本の稲作技術を伝えることは、地球を救うことにダイレクトに繋がります。
先日、水田の持つ様々な機能を紹介するテレビ番組がある放送局から放映されていましたが、最近、お米や水田に関する話題が多くなってきたような気がします。
もう20年以上前になりますが、「水田は地球を救う」という本が発刊されました。
その本には、水田が単なる食料生産の場としてではなく、環境保全や災害防止などの面でも様々な効果を発揮していることが紹介されていました。そして、水田を維持し保全していくことによって人類や地球が救われることが、様々なデータに基づいて力説されていました。
私はその本を読んだ時、お米を主食とする日本人の英知に感動し、水田を守り続けていくことが我々にとって非常に重要な事であることを認識しました。
お米という食べ物の優れた栄養価は、我々が子供のころ戦後の間違った食料政策によって歪められていました。お米を食べると「太る」とか「頭が悪くなる」とか。
しかし、お米には人間が必要とする栄養素がバランス良く含まれていて、それにタマゴや納豆、梅干しなどを加えるだけで素晴らしい食事になることは、いろいろなデータから立証されています。タマゴかけご飯や納豆かけご飯、梅干し入りオニギリなどは、食品分析技術のなかった時代に先人達が生み出した理想的な食事です。
ところで、小麦や豆類、野菜類など畑で栽培される作物と違って、お米は毎年毎年同じ水田で半永久的に栽培することが可能です。畑作物は連作障害による減収や品質低下を回避するために毎年栽培する畑を変えなければなりませんが(これを輪作といいます)、お米の栽培にはその必要がありません。それは、水田に水を溜めては流し、溜めては流しすることにより、病原菌が死滅し有害な物質が土から除去されていくので、連作による減収や品質低下を防ぐことができるからのようです。
また、2005年の農林業センサスによると日本の水田面積は約180万ヘクタールであり、そのうち実際にお米を作った水田が約140万ヘクタールでした。お米の栽培期間中に水田に貯留される水量は膨大な量であり、仮に水深を10cmとして計算しても、全国で14億トンの水量が水田に貯留されることになります。お米の栽培期間中は梅雨や台風の時期と重なりますから、まさに、水害を未然に防ぐ防災ダムの役割を水田は担っています。
さらに、水田には「水質浄化機能」や「豊かな田園景観の創出効果」、「習わしなどの伝承機能」などの様々な機能や効果があります。
さて、米という字の由来は八十八の手間がかかるということから来ています。水田という効率の良い農地で毎年毎年繰り返し手間を惜しまず作られるお米は、多収で栄養価に優れた作物であり、人口増加や自然災害、環境悪化などによる食料不足から我々を守ってくれる貴重な食料です。
まさに、水田は地球を救う。我々日本人は瑞穂の国に生まれたことを誇りに思い、お米を通じ、地球を救う旗頭として行動していかなくてはいけないと思います。
【都市田園協働ファームホームページ・トピックスより再掲載】
食糧不足に悩む国々に日本の稲作技術を伝えることは、地球を救うことにダイレクトに繋がります。
先日、水田の持つ様々な機能を紹介するテレビ番組がある放送局から放映されていましたが、最近、お米や水田に関する話題が多くなってきたような気がします。
もう20年以上前になりますが、「水田は地球を救う」という本が発刊されました。
その本には、水田が単なる食料生産の場としてではなく、環境保全や災害防止などの面でも様々な効果を発揮していることが紹介されていました。そして、水田を維持し保全していくことによって人類や地球が救われることが、様々なデータに基づいて力説されていました。
私はその本を読んだ時、お米を主食とする日本人の英知に感動し、水田を守り続けていくことが我々にとって非常に重要な事であることを認識しました。
お米という食べ物の優れた栄養価は、我々が子供のころ戦後の間違った食料政策によって歪められていました。お米を食べると「太る」とか「頭が悪くなる」とか。
しかし、お米には人間が必要とする栄養素がバランス良く含まれていて、それにタマゴや納豆、梅干しなどを加えるだけで素晴らしい食事になることは、いろいろなデータから立証されています。タマゴかけご飯や納豆かけご飯、梅干し入りオニギリなどは、食品分析技術のなかった時代に先人達が生み出した理想的な食事です。
ところで、小麦や豆類、野菜類など畑で栽培される作物と違って、お米は毎年毎年同じ水田で半永久的に栽培することが可能です。畑作物は連作障害による減収や品質低下を回避するために毎年栽培する畑を変えなければなりませんが(これを輪作といいます)、お米の栽培にはその必要がありません。それは、水田に水を溜めては流し、溜めては流しすることにより、病原菌が死滅し有害な物質が土から除去されていくので、連作による減収や品質低下を防ぐことができるからのようです。
また、2005年の農林業センサスによると日本の水田面積は約180万ヘクタールであり、そのうち実際にお米を作った水田が約140万ヘクタールでした。お米の栽培期間中に水田に貯留される水量は膨大な量であり、仮に水深を10cmとして計算しても、全国で14億トンの水量が水田に貯留されることになります。お米の栽培期間中は梅雨や台風の時期と重なりますから、まさに、水害を未然に防ぐ防災ダムの役割を水田は担っています。
さらに、水田には「水質浄化機能」や「豊かな田園景観の創出効果」、「習わしなどの伝承機能」などの様々な機能や効果があります。
さて、米という字の由来は八十八の手間がかかるということから来ています。水田という効率の良い農地で毎年毎年繰り返し手間を惜しまず作られるお米は、多収で栄養価に優れた作物であり、人口増加や自然災害、環境悪化などによる食料不足から我々を守ってくれる貴重な食料です。
まさに、水田は地球を救う。我々日本人は瑞穂の国に生まれたことを誇りに思い、お米を通じ、地球を救う旗頭として行動していかなくてはいけないと思います。
【都市田園協働ファームホームページ・トピックスより再掲載】