北のパラダイス

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原発に依存しない社会を目指そう!!

2013年08月07日 | 原発問題
北海道電力の家庭向け電気料金の値上げが(平均7.73%)9月1日から実施になることが決まりました。
料金体系の変更を伴う大幅な値上げは実に32年ぶりとなります。

電気料金値上げの大きな理由は、泊原発の停止により火力発電所の燃料費が膨らみ収支が悪化したためだそうですが、値上げの申請は原発の再稼働を前提にしたものだそうです。

火力発電所の燃料費が膨らみ収支が悪化したので値上げに踏み切った、という理由は理解できますが、それが原発の再稼働を前提にしたものという話については、全く解せません。

そもそも泊原発が停止したのは他の全国の原発と同様に、福島第一原発事故が起因している訳ですから、その対応については国策だったと言っても良いと思います。

であれば、原発停止期間中の燃料費高騰による収支悪化の処置については、国が高騰分を補填するのが筋ではないかと思います。

それを電力会社に押し付け、結果的には電気料金の値上げという形で国民に負担させるというのは、どう考えても納得が行きません。

しかも、近い将来に原発を再稼働させてコストダウンを図り、上げた電力料金はそのままにして原発に戻したコストダウンの差額分を、電力会社の収支改善に当てようという筋書きではないでしょうか?

そうなった時に馬鹿を見るのは、上がった電力料金を払い続ける一般庶民と中小零細企業です。

以前、ドイツの脱原発政策についてこのブログで紹介しましたが、ドイツではコストは増えても、原発に依存するのはやめようという事を、国民的合意のもとで国策として進めています。

原発で得られるエネルギーと使用済み核燃料は倫理的に正しくない」というのがドイツが脱原発に踏み切った大きな理由で、そのためにはコスト増はやむを得ないという大英断をドイツ政府は選択しました。

原発事故の当事国でもないドイツがこのような大英断を選択したのに、当事国の日本はまだ原発にしがみつこうとしています。
「なさけない」とか「あきれる」とかいうのを通り越し、「ただただ悲しい」という思いでいっぱいです。

「もう原発に依存するのは止めにするので電力料金を値上げさせて欲しい」というのであれば、私は値上げに喜んで応じます。
しかし、今のような状況での値上げには「ハイ分りました」と応じる訳には行きません。

ただ、悲しいかな、我々には選択の余地が無いのです。
電力会社から電気を得ないと生活も仕事も成り立たないのです。
それを百も承知で押し付けてくる訳ですから、ドイツ人と比べたらあまりにも程度が低いと言わざるを得ません。

今、20年後、50年後、100年後の地球をどうしなければならないのか?という視点が必要です。
しかし「今さえ何とかなれば、自分達さえ良ければ、あとは野となれ山となれ、後世の人間が考えればいいのだ」、現在の日本は、政府も大企業も、みんなこんな感じですね。

これじゃ若い人達は夢も希望も無くなり、選挙を棄権するのもあたり前です。

どうしてドイツのように脱原発を国策として掲げる事ができないのか不思議でたまりません。
唯一の被爆国であり甚大な原発事故を起こした国として、「倫理的に正しくない原発に依存しない社会」を真っ先に構築しなければならないのは「日本」です。

それが「日本」に課せられた「唯一無二の使命」だと言っても過言ではありません。