北のパラダイス

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就農支援

2013年05月16日 | 農業問題
石狩市の後藤農園に20代前半のT君が農業を学ぶために通っています。
4月中旬からスタートしたので、ちょうど1カ月が経過しました。
最初の頃は慣れない作業に腕や腰を痛がってましたが、最近では重労働にも慣れ後藤さん夫婦にすっかりあてにされるほどになりました。

T君は工業大学で情報処理を学び卒業しましたが、子供の頃から自然や農業に関心があったそうで、コンピューター相手に仕事をするより、農産物を生産するほうが性に合っていると判断したようです。
将来は水田と畑を両立させるような農業をやりたいということで、まさに今それを実践している後藤農園で稲作と畑作のイロハを何年間かかけて学ぶことになりました。

ところで、新たに農業を始める場合には、市町村や農協が窓口になっている国の就農支援制度を活用するケースが多いです。
T君の場合も、就農支援の話がいろいろなところから舞い込み、昨日も、JA石狩の会議室で石狩市やJA石狩の担当者を交え、石狩市で就農支援制度を活用する場合の条件や手続きの仕方について打合せがありました。

私も後見人という立場で同席し、T君に解らない部分は本人に代わっていろいろ質問をさせてもらいました。
事前にある程度は解っていたつもりですが、あらためてそのハードルの高さには驚きました。
私が驚いたぐらいですから、当のT君には不可能に近い事と感じたようで、私もあらためて新規就農の難しさを思い知りました。
T君の農業をやりたいという気持ちは強いものの、現時点では国の就農支援を受けることは難しいと本人を含め出席者全員が判断し、とりあえず最低1年間は後藤農園で修業を積んだ上で、就農支援を受けるかどうかまた検討することに落ち着きました。

そんなことなら就農支援制度を利用しないで自前で農業をやればいいじゃないか、と思う人もいるかもしれませんが、経験も、資金も、技術も、土地も、機械もない若者が自前でできるほど農業は易しい仕事ではありません。

なにぶん自然が相手のお天気任せの仕事ですし、作物のこと、肥料のこと、農薬のこと、土地のこと、機械のこと、農業制度のこと、農協や役所との関わり合いのこと、販売先のこと、営農計画のこと、資金融資のこと、等々、農業だけに限らず必要となることは全て自分自身で勉強し、習得しなければならない過酷な職業です。

したがって、技術の習得や資金の融資、土地・建物・機械の斡旋など、ある程度は就農支援を受けたほうがスムースに農業を始めることができます。
あとは、できるだけ少ない借金でスタートし、儲かる農業を続けて行くことができれば、農業者として成功する可能性が高くなります。

T君もやっと頭の中でこれらの事を理解することができたようですが、なにぶん農業の見習い生としてスタート地点に立ったばかりなので、これからいろいろな事を学び経験して行く過程で、一歩一歩、夢の実現に近づいて行けるよう私も陰ながら応援を続けて行きたいと思ってます。

T君のように純粋に農業をやって行きたいと言う若者が居ることに、明るい未来の予兆を感じている今日この頃です。

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