今月初旬に「コロナ禍がもたらした良い点」なる記事を書いたが、コロナ禍は、それとは別の面でも良いことをもたらしているようだ。以下は、5月22日付のニューヨークタイムズに書かれていた記事とのこと。
それによれば、アメリカのトランプ大統領が、食肉産業はアメリカ文化にとって大変重要だから、いろんな産業の中で食肉産業だけは営業を続けて宜しいと判断した。ところが、ある食肉工場で新型コロナウイルスの感染が拡大して、死者まで出たので、しばらく営業指し止めになった。そして肉が品薄になり、肉の値段が上がった。その影響から、それまで高かった植物性の代替え肉が相対的に安くなり、その消費がコロナ禍以前より35%も増加し、「味もあんまり変わらない」と言うことがわかって来て、その後も徐々に代替え肉の消費が増えてきているとのこと。これも人類にとっての朗報の一つであると思う。
肉の消費量の増加と地球温暖化の関係は既に多くの科学者が指摘している所だが、新型コロナの感染についても、人類が自然を破壊しながら、野生動物の世界に入り込み過ぎていることの影響が指摘されている。
感染症が人間へと感染する経路について、ある科学者は次の3つの経路を挙げている。
一つは、野生動物の肉を食べること。
一つは、感染動物が食べた果実や野菜を食べること。つまりネズミやコウモリが食べた後の、まだ尿とかがついているようなものを人間が食したとき。
一つは、ジャングルに近接した農場、つまりジャングルを切り開いて家畜の牧場にした場合など、野生動物から家畜、そして人間へと感染する経路。
以上3つの経路によって新しい感染症がおこっていると述べている。
日本に住むわれわれには関係のないことのようにも思えるが、誰に限らず一人一人が少しづつでも肉の消費量を減らしていかない限り、相変わらずジャングルは切り開かれ、温暖化に歯止めはかからず、何らかの新しい感染症が起きて来ることは覚悟しなければならないかもしれない。
だが、新型コロナ禍の影響で、植物性の代替え肉が少しづつでも世界の人たちに認められる様になっていくなら、それはきっとよいことに違いないと思う。
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