しゃちくんは野良猫ブログ

30年以上前になりますが自分探しのためにバイクで日本一周。
そして今、会社を畳んで田舎暮らしの準備中です。

木は生きている

2013-06-01 00:10:20 | 仕事のはなし
私は江戸川区で小さな材木屋をしております。



これは関東の山から間伐材として伐り出された桧の角材です。

4,000×75×75mmという寸法は最近の建築ではほとんど使われず

おもに工場に納品しております。

健康な山林を維持するためにも間伐材の利用法を考えて

積極的に仕入れて販売するのが本当の材木屋だと思うのですけれど

そんな古い考え方では生き残るのが難しい時代のようです。


間伐材とは樹木の隙間にヒョロヒョロと伸びた木なので

クセが強くて製材した時は真っ直ぐでも乾燥すると

写真のように曲がってしまい売り物にならない物が出る。

短く切れば真っ直ぐに使えるので



トラックの荷台の台木になりました。

一枚目の写真からも判るのですが仕事柄、材木を加工する機械が揃ってます。

この太さの角材なら電動マルノコで簡単に切ることが出来ますが

クセのある曲がった材木はとても危険なのですね。

切ってる側から曲がろうとしてマルノコの回転する歯が跳ね返されます。

ノコの歯が喰われると呼び、大怪我することもあります。

手ノコでギコギコと切り始めるとノコが動かなくなるほどに

締めつけられてしまい角材を転がして四方から切りました。

乾燥するに従い曲がり始め、切る時にもこうして曲がろうとする

木は生きているって事なのです。

腕の良い大工さんは木のクセを読み、上手に使ったものです。

ただし現在の家づくりは安くて合理的なものしか求められませんから

木は生きているなんて言ったところで誰も興味を持たないみたい。





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2 コメント

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katterさんへ (しゃちくん)
2013-06-01 07:25:29
木を組むというのはクセを組むなんて言います。

写真のように曲がっている木は荷重が掛かる場所に使うと非常に強くて踏ん張ってくれるのです。

古い木造建築でも瓦葺きの重い屋根を支える腕木という部材には斜面に生えて垂直に伸びようとする根曲がり材を好んで使っております。

また、一軒の家を完成させるまでに多くのクセのある職人が関わるからそれをまとめあげるのも棟梁の腕の見せ所だったのでしょう。

クセのある木、個性の強過ぎる人間、上手く使えば生かされる、適材適所ってところでしょうね。

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Unknown (katter)
2013-06-01 03:14:21
木 大きくしなってますね!
こうやって観ると角材になっても生きているんですね!

今の流行の住宅・・・
大工さんが台の上で、カンナかけたり
トンカチの音とか余りしませんよね。

今の住宅って、パネル?パズル組立みたいで
いきなり「家」になりますね~

昔、実家を新築するときは、
それから、土台を造って柱が立って・・・
少しずつ「家」の形になって行く・・・
そんな変化を見るのが楽しかったです。

そして、「上棟式」(棟上げ式でしたか。。)
大工さんや近所の方々と皆で、お酒ご馳走をワイワイ賑やかなひと時を過ごしたのが思い出されます。

その頃の大工さん、
この道ひと筋、職人気質な方ばかりでしたね~。

時代の流れと共に、
大事な物事が、少しずつ失われていくのが残念です。

しゃちさん、癖の有る木の加工
どうぞお怪我されません様に!



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