こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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与えられた使命なのかな?

2009-11-18 22:23:50 | 日々のあれこれ
テレビをみていたら、ダウン症の女の子が、お母さんの影響で書道を覚え、さらに天才的な才能を開花させた、というドキュメントをやっていました。

~不妊治療を経て、やっと高齢出産で授かった娘がダウン症とわかり、最初は一緒に死のうとまで考えた母親が、地震にあって我が子を抱き上げ、その命の尊さにきずきます。
そして、大切に育てていく過程で、知能も発達も遅いわが子のなかに、本当のやさしさや、月を見て美しいと涙を流す純粋さを発見します。
やがて、書道教室を開いた母親の指導で、書道にのめりこんでいきます。
あくまでも母親を喜ばせたいという一心から・・・
けれど、それは群を抜いてすばらしく、大胆でおおらかで、力強くて、見る人を圧倒するような書でした。~

通常ダウン症の子供が何かに集中するのは難しいそうです。
けれど、彼女はものすごい集中力を見せます。

書道は、楷書を教えるとき、右肩上がりで書くことを教えるそうですが、その意味が理解できないと知った母は、彼女の手を引き坂を見せ上ったそうです。
平行を教えるときは、やはり手を引き、線路をずっと歩いたそうです。

そうして、母親の愛情を一身に受け、彼女は天才的な書道家に成長してきたのです。

お母さんの書道教室は、最初は5人くらいの生徒さんでしたが、今では数千人もいるそうです。
なぜなら、障害を持っていて、よそでは断られたお子さんを全員受け入れているからだそうです。

この話をみながら「やっぱりそうなんだ」と、妙に納得してしまいました。

人には、使命があるんです、きっと。
そして、その使命を果たすために、生まれるべき時に生まれるべき人のところに生まれてくるんです。

だから、どんなにつらくても、苦しくても、それを乗り越えてそこにたどり着く。

障害児のお母さんたち、すごいですよ。
賢く、強く、本当に背筋を伸ばして、前を見ている方が多いです。
それは、そのお母さんだからこそ、授かった命なんだなと思います。

うまくいえないけれど、そこにはやはり宿命というか、その子を育てる使命を持って存在しているように思えてならないんです。

すごく飛躍してしまって、ばかなこと言ってると思われるかもしれませんが、私がここにこうして存在することも、この仕事をやっていることも、なるべくしてなったような気がします。
人生においての岐路にあって、自分で選んできたものの、それはそうなるように仕組まれていたみたいな・・・
こんな取るに足らない自分でも、今の仕事に就いたことで、ほんの少しでも誰かに元気を分けることができ、同じ道を目指す後輩ができ、こんな私にも「あなたがいてくれるから、安心。」と言ってくれる患者さんやご家族がいる。

そういうことを振り返ると、自分ひとりの力ではない、なにかの力を感じてしまうんです。
とりたてて、私には宗教もありませんが、目に見えない力を否定する気にはなれません。

これから先、どんな使命が待っているのか、もうないのかはわかりませんが、どうせいきていくのだから、少しくらい何かの役にたてる人生でありたいと思いました。