こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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看護技術はやっぱり大切

2011-12-03 21:17:46 | 訪問看護、緩和ケア
先日うちのステーションで、2回に分けて行われた勉強会「リンパ浮腫のケア」の講師の近藤先生にご相談の上、リンパ浮腫外来に繋げることが出来た患者さん。

数日後にリンパ浮腫外来に初診で行ってもらい、1時間の施術をしてもらいました。

そして、リンパ浮腫の家庭でのケアのし方も教えていただき、自宅でも継続していました。

酷い時には鼠蹊部のリンパ節から下全部が、パンパンに浮腫んで、膝を曲げることもままならない状態でしたが、これが適切なアドバイスと、指導された奥様の献身的なケアで、みるみる改善していきました。
最初のリンパドレナージュ後は、2日くらい全身が痛かったのだそうですが、その後はどんどん楽になり、今ではかなりほっそりなのだと、担当のMナースが感心していました。

リンパ浮腫外来は看護師の行う外来です。
ですから、医師の了解がなければここまでたどり着きません。

医師がリンパ浮腫を理解して、リンパ浮腫外来のセラピストである看護師にコンサルトしてくれれば、一番の近道になります。
でも、リンパ浮腫外来を持つ病院の医師でさえ、その存在すらよくわかっていないようで、この患者さんも「このむくみが一番つらい。なんとかなりませんか?」と聞いたら「これは、しょうがいないんですよ。」と言われてそれまでだったとか。

今回、連携室からも医師に確認をしてもらい、簡単に許可が出ての受診となりましたが、それなら入院中にコンサルトしてくれればもっと早く楽になったのに・・と思ってしまいます。

もちろん、リンパドレナージュにも適応がありますし、どうにもならないケースだってあるとは思うのですが、それよりも苦痛が緩和される方の方が多いと思うと、看護の力は大きいなぁと感心してしまいます。
担当のナースMも「すごいです。あんな技術を持てたら、ほかの患者さんもみんな楽にしてあげられるのに。」とため息をついていました。

このリンパ浮腫外来は、この病院の患者さんだけが対象ですし、その中でも繋がってくるのはごく一部の患者さんだけ。
しかも、1日に施術できるのは3人とか4人が限度なのだとか。
このリンパ浮腫で苦しんでいる患者さんは、本当にたくさんいるのに、しかもこんなに効果があるのに残念です。
うちのステーションにも、以前セラピストの資格を取ったナースがいましたが、その後すぐに夫の転勤で長野に引っ越してしまいました。これも残念

このリンパドレナージュの技術も、どうやらいろんな流派?があるようですが、医療リンパドレナージュの資格は、かなりの授業料とかなりの日にちが必要になりますので、その辺の余裕がなければ簡単に手にすることはできないものです。

この病院は公立なので無料で施術を受けられますが、実際リンパ浮腫の施術を巷で受けようとすると、1回1万円とか施術料のほかにもストッキングとか弾性包帯とか、かなりの金額がかかるようです。
なんとかもっと、みんなが通常の医療費の中で受けられたらいいですね。

ちなみに、次回のリンパ浮腫外来には私たちも同行して、スキルを指導して頂き連携関係を持っていくことになっています。
私たちでも出来るスキルを、少しでも吸収していきたいと思っています。

話は変わりますが、在宅では注射針一つでも、病院とはタイムラグがあって新しいものが回ってきます。
病院では、新しいものが入れば、その説明があっての使用になりますが、私たちのところに回ってくるころには、いちいちそんな説明はありません。
しかも、いろんな病院からいろんなものが回ってきますから、その都度私たちはそれを自分たちで理解して使わなければならないので、現場で焦ることが時々あります。

先日から週2回点滴をしている患者さん。
最初の2回は私が行いました。
この時は、いつも使っていたサフロという留置針でしたから、何の問題もなく刺して接続をしてきました。
翌週からは、スタッフが行ってくれましたが、針を留置して点滴のチューブを接続しようとするとはじかれるというのです。
で、強く接続したら大丈夫だったと言う事を、スタッフ同士では話していたそうです。
昨日、私が再度行ったときに、留置針がいつものサフロじゃなかったのですが、メーカーが変わっても穿刺の仕方に変わりはないので、普通に針を刺し内筒を抜きました。
内筒の張りがするっと収納されて、針刺し予防に開発されたものだとわかり、「ほほー」と思いつつ点滴のチューブを留置針にいつものように接続して、滴下を確認し固定しようとしましたが、何故かうまく接続できません。差し込んでも漏れる。
??。なんでだろう・・。と思いつつ無理やり押し込みました。
そういえば、逆流防止弁付とか書いてある。

あとでステーションに帰って、スタッフとその針を出してよく見てみました。
「これが弁ですね。だから血液が逆流しなかったんです。」とスタッフ。
よく見ると、留置針のなかに弁があって、これをねじ込むようにギュッと押し込まないとポンとはじいちゃうんです。
いままでのサフロのつもりで接続するとダメ。もっとしっかり押し込まなきゃ。

全く、針一つでもどんどん変わってくるのですよ。
何の説明もなく、こんな風にどんどん医療機器も変わってくるんです。

シュアプラグもねじ込まないとポンと外れるように、逆流防止弁が付いたものはみんなそうなんだと学習しました。

そういえば、ポートの針も病院によって変わるので、やっぱり針刺し防止機能のついた針には、最初びっくりしました。

いろんなことに柔軟に、そしてどんどん吸収してついていかないと、あっという間に置いてきぼりにされちゃいますね。

ちなみに、留置針が苦手なスタッフの練習で、上達する方法はないのでしょうか???