こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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お看取りをして。

2011-12-21 23:29:23 | 訪問看護、緩和ケア
ステーションは、相変わらずバタバタとしています。
昨日も、お一人ご家族に囲まれて旅立たれました。

今年の5月から、うちに就職したナースが訪問中の出来事でした。

ケア中に呼吸状態がさらに悪化して、やがてご家族の見守る中での呼吸停止となったようです。

それから、担当ナースやドクターにも連絡し、ステルベンケアまでを一生懸命やり遂げた新人ナースS。
ステーションに帰ってから元気がありません。

「どうしたの?よく頑張ったね。」というと、うるうる。

自分がケアをしている最中に、患者さんの呼吸が抑制された事。
そのために、お孫さんが一人間に合わなかったことを、気にかけているようです。
病状から言って、ケア中に呼吸が抑制されるのは予測できたのに、初めにそのことをご家族に伝えるべきだったのに・・と後悔していました。
でも・・
ご家族はよくわかっていたのです。
そして、とても感謝してくださっていて、特にご高齢の奥様は「もしかして、ケア中に亡くなったこと、気にやんでいませんか?それなら心配いりませんよ。こんなにきれいにして下さって、ずっとやさしくしてもらって、本当に感謝しています。」と声をかけてくださったとか。
新人ナースSは、「患者さんのご家族に、そんな気まで使わすなんて、私・・」と相当凹んでいます。

でも、こういう事にすぐ気が付いて、そんな風に反省できるなんて、彼女はすごく素敵な看護師さんだなと感心しました。

だって、こういう事も全然気が付かない人、たくさんいると思うのです。

たしかに予測的なお話しは、しておいた方が良かったと思いますが、反省の上、これからの訪問に生かして行ければ良いと思います。
だからといって、この旅立ちは自然な経過であることも理解してほしいのです。
生活の中で旅立つと言う事は、そういう事もあるのだと言う事を、受け止めなければならないのですから。

一生懸命で、真面目でとても優しく患者さんと接することのできる彼女は、とても素敵なナースです。
これからは、そこにとっさの判断力と強さも持ってほしいし、自分で抱え込みすぎたり、自分を責めたりしないで、大らかな看護感も持ってほしいなと思います。

一緒にステルベンケアをしたベテランナースSも、叱咤激励したりご家族の気持ちを伝えたり、一緒に気持ちを持ち上げるように接してくれていました。

ここに来てから、いきなり終末期の患者さんに接するようになり、出会いと別れを繰り返してきたなかで、随分といろんなことを経験して吸収してきました。

一人一人とじっくり関わるのが、うちのステーションの方針です。
ですから、彼女のように真剣に患者さんお声に耳を貸し、なんとか力になろうとする気持ちはとても大切なのです。

これでまた一つ、成長できたというものです。

うーん。強い見方がスタッフに加わったな~。感謝。