こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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娘、救急車に乗る。

2011-07-09 23:55:00 | 家族のこと
今日は、コストコのメンバーカードの亢進もかねて、午後から娘とコストコに買い物に行きました。
半分くらい買い物をすると、娘がちょっとトイレに行ってくると言っていなくなりました。

別段気にしていなかったのですが、そのうちいつもより戻ってくるのが遅いことに気が付き「あれ?どうしたのかな?」と思っていました。
私の携帯電話は、なぜかポケットに入れていると全く音が聞こえませんが、その時はわずかなバイブレーションにやっと気が付きあわてて出ました。

「おかあさん・・。吐いちゃった・・だめ・・動けない・・痛い・・・トイレに早く来て・・」

かすれた声が受話器の向こうから、助けを呼んでいました。

あわてて、混雑する店の中をかき分けてトイレに駆けつけると、トイレの前の壁に半分崩れかかるように娘がしゃがみこんでいました。

駆け寄ると、全く血の気の無い顔、白い唇、髪がぐっしょり濡れるほど汗をかいています。
「お腹痛くて・・。トイレで二度吐いて・・。気持ち悪くて目の前が暗くなって・・もうだめ・・」
生理はいつもとても軽くて、こんなになることはありませんでしたが、まだ若いので不安定なのか?
でも、もしかして卵巣の捻転とか、ほかに何かあるかもしれないし・・とっさにいろいろ考えましたが、目の目の娘はショック状態になっています。
店の人も駆けつけてくれて、全く動ける状況ではなかったので、救急車を呼んでもらいました。

救急車を待つ間も、部屋を用意してくれたり(移動は無理でしたが)、人の目から見えなくなるようにバリケードを作ってくれたり、暑がる娘に氷を持ってきてくれたり、「もうすぐだから頑張ろうね。」と励ましてくれたり・・。
買い物のカートは、途中でしたがお店の人がかたずけてくれました。

その間も朦朧としながら、断続的に襲ってくる腹痛で動くこともできませんでした。

救急車の中、今度はどこに搬送するかで、10分以上救急隊の人が悩んでいましたが、その間も腹痛でうめいています。
血圧は、やっと100/70位まで上がってきましたが、心拍はずっと50/分でした。

下腹部の中央の痛みで、筋性防御もなくて、生理中の高校生。
救急で婦人科があるところはあまりないのだそうですが、結局済生会南部病院が受け入れてくれる事になりました。

救急隊の方の提案で、また戻ってくるのも大変だから、お母さんは別に車であとから来てもいいですよと言ってくれました。

このころにはやっと少し落ち着いてきて、唇の色も戻ってきていました。

私は、コストコ並木店のかたにお礼を言って、車で南部病院に向かいました。

ERで血管確保をされ、採血と腹部CTを取って頂きました。
もう、娘はすっかり痛みもなくなっていて、いつもの娘に戻っていました。

2時間ほど後、最後に婦人科の若いきれいな女医さんがお話をしてくれました。

特に問題はないとのことで、激しい生理痛による迷走神経反射でしょうと言う事でした。

まだ若いから、不安定でいろんな条件が重なって、いつもない生理痛が来たためにショック状態になったようです。
よく駅とかで、若い女の子が真っ青になって倒れちゃうあれですね。

検査データは問題なかったのですが、白血球が12000くらいまで増えていました。
CRPは問題なかったので炎症や感染ではなく、激しい痛みやストレスでの上昇だったようです。
白血球って、こんなことでもこんなに増えるんだぁ・・と感心。
優しい女医さん「痛かったでしょう?すごーく痛いのよね。私も高校生くらいの時に何度か経験があるのよ。」笑顔で娘に話しかけてくれました。

結局典型的な迷走神経反射で、あちこちに迷惑をかけてしまいましたが、親としてはひとまずほっとしました。
ムンテラを待っているあいだ、いつのまにか隣のソファーに高校生くらいの女の子が、やはりおなかを抱えてうずくまっていて、おばあちゃんが背中をさすっていました。
なんだか、おんなじ感じかな?
でも、実際はちゃんと診察してみないと、何があるかわかりませんよね。
今の若い女の子、妊娠している可能性だって否定できないですし・・。

とはいえ、保険証を持っていなかったので、10割全額お支払いとなりました。
とりあえず30000円を支払い、来週中に娘が自分で保険証をもって払い戻しをしに行くこととなりました。。やれやれです。

それにしても、其のままでめげることなくもう一度コストコにもどり、目的のものを購入して帰ってきました。
なんだか一日娘に振り回されましたが、こんなもので済んでよかったです。
娘も私も良い経験になりました。

それにしても、疲れました~。

パウチ交換は、ヘルパーもOKなの?

2011-07-08 23:38:00 | 訪問看護、緩和ケア
今日、夕方バタバタしているときに、FAXがビローンと送られてきました。

どこからだったか、ちゃんと見ていなかったのですが、たぶん県とか厚生労働省とかだと思います。

内容は、介護職員のストマ装具の交換について、医師法や保助看法をどう解釈するかを、まどろっこしくわかりにくく書いたものでした。

読んでみると要するに、「ストマ交換は、医師や看護師にすぐに相談できることを前提に、問題のない範囲なら、介護職員がやっちゃってもダメとは言わないよ。でも、責任の所在はやった方で持ってくださいね。」みたいなことが遠まわしに書いてありました。

違っていたらごめんなさい。通達文持って帰らなかったので・・
でも、事務と「そう言ってるよね。」と確認はしたので、そんなに遠くはないと思います。

そこで初めて気が付いたのだけど、「ストマ交換って、ヘルパーさんにもやってもらえるんだ・・。」と。

でも・・

たかがパウチ交換、されどパウチ交換。

看護師の中でも、特別のカリキュラムで専門的教育を受けたWOCナース(皮膚・排泄ケア認定看護師)が、専門外来を持つほど知識と専門性と技術が必要なストマの管理です。
看護師でも、「実はパウチ交換をしたことがない。」人だって結構います。
きっとドクターもパウチに関しては、「よくわかってます。ちゃんと指導も交換もできます。」という人はものすごく少ないのじゃないかと思います。
病院でも、手術でストマを作るのはドクターだけど、その後のパウチの選定や指導、スキントラブルの対応はWOCナースや外科のナースがやっていますよね。

ただ単に、いつも使っているパウチを、いつもの手順で貼りかえるだけなら、確かにできるとは思いますが・・

ストマは日々変化しますし、アクセサリーもどんどん良いものが出来てきます。
特に一度パウチがはがれかけて便が中で皮膚に付着すると糜爛になって、そこから悪循環が始まったりもします。

大腸がんなどがある場合は、腫瘍の増大でストマ自体が虚血状態になったり、ストマから出血があったりもします。
術式によっても、穴が一つだったり二つだったり、ものすごく大きかったり、小さかったりと状況もちがいます。
一番大変なのは便の状態で、下痢でもただれやすくて大変だし、便秘も腸閉塞を起こす可能性があり大変です。下剤のさじ加減も重要な要素です。

ちょっと思い追い浮かべただけでも、こんなにいろいろあるのに、これを介護職員や在宅のヘルパーさんにやってもらうなんて、今まで考えたことがありませんでした。

家族はもうしょうがないとしても、在宅として考えるとヘルパーさんに依頼するのは、やっぱり私的にはだめですね。
手技が云々じゃなくて、トラブルがあった時にヘルパーさんには身を守るすべがないじゃないですか。
「自分たちの責任でやってね。」と、遠回しに言ってるし・・。
それに、見えない所での処置に、誰が指導したり責任を取るのでしょうか??

ストマは、皮膚の状態を健全に保ち、はがれないような工夫をし、管理しやすいノウハウを持ち、異常にすぐに気が付かなければならないのです。

もちろん本人が出来るのがベストですし、次は家族。
その次はやはり在宅であるのなら訪問看護を利用してほしいと思います。

単位を食うからと、訪問看護を未だにプランに入れたがらないケアマネさんもいるし、ご家族の経済的な問題もあるとは思いますが、「何故、今訪問看護は必要なのか。」を、きちんと説明してほしいですね。

それでも、ヘルパーに依頼せざる得ないのであれば、よほど病院との連携を密にして、トラブル時の緊急対応も含めて、十分な体制を整えることが必要だと思います。



話は変わり余談になりますが、仕事帰り近所のOKストアで買い物をしていました。
すると、ソーセージ売り場に3歳と5歳くらいの男の子の兄弟が、何やら夢中でやっています。
キャラクターのソーセージの袋の中を指でぐちゃぐちゃしながら覗いては、ポイとものところに投げ、次々と覗いては投げを繰り返しています。
たぶん、中にカードのおまけかなんかが入っていて、お目当てのキャラクターが入っているものを探しているのです。
袋の上からぐちゃぐちゃポイ!

おいおい。子供。それは売り物だぞ・・とよっぽど注意しようと思いましたが、今のご時世なので店員さんに耳打ちしてその場を離れました。
でも、店員さんも嫌(怖い?)なんですね~。遠まわしに見ていました。

びっくりしたのは、次にその前を通った時です。
まあおバカ一家と言うか、今度はお母さんと3人でやっていましたよ。同じこと。
そしてお父さんはというと、それをボーと見ながら突っ立っていました。
唯一さすが大人、と思えたのは、ソーセージが元の場所できれいに並んでいたことですね。(笑)

それにしても、大じょーぶなんだろうか?日本。

23年度横浜市訪問看護連絡協議会役員会!

2011-07-06 23:45:10 | 訪問看護、緩和ケア
なんて長い名前なんでしょう・・・

で、私はと言えば、今年も広報担当として、役員2年目となる市の協議会役員会です。
今日も18時から22時までみんな一生懸命来週の定例会のことで話し合いました。

 ここは県民サポートセンターのボランティアルーム

無料で使えるので、NPOやらサークルやら、市民団体やら学生グループなどが、みんな会議を開いています。
なかには、外国語の個人レッスンに利用している人も結構います。

もちろんマナーは必要ですし、いろんな規約がありますが、そこを守ればありがたい場所です。
  
            


こんな感じで、ホワイトボードも使えるし、どのグループも真剣に会議しています。
お菓子も持ち込みOKです。

で、役員会の役割はと言えば、訪問看護ステーションを広く理解してもらいたいし、そのためには訪問看護の質の向上を目指していくための土台を作っていこうという事なのです。

今、訪問看護ステーションは横浜市内だけでも140前後あるのだそうですが、その質が全部同じかと言えば、正直同じではないのが実情です。

なかには、処置だけをして件数を稼いでいる事業所や、フィジカルアセスメントが出来て患者指導をすることが看護だとおもっている人もいたりして・・。
チームとして同等の立場で他業種との連携を行っていくことが、今一番求められるのに、その辺の理解がなかったりと、いろいろな話を聞くと、まず私たちはどんな看護をがしたいのか?と言うところから話し合わないといけないのじゃないかと思ってしまいます。

そんなことも考えつつ、来週の定例会の打ち合わせは、今日も夕ご飯抜きで進められたのでした。

ちなみに、今日はFさんがおやつやサクランボも持ってきてくれてラッキーでした。
始まるのが早いので、夕飯食べ損ねることしばし・・。
これってちょっと考えないとダメですよね。(お腹がすくと考えられないのは私だけ??)




何のためか考えようよ。

2011-07-05 22:14:55 | 訪問看護、緩和ケア
ずっとベット上だったTおばあちゃん。
褥瘡も順調に良くなって、訪問の度に少しずつ体も動かして、97歳にして寝たきりからの脱却を目指しています。
今では、端座位もできるし、大きな声で歌も歌えるし、一瞬だけど立位も取れるようになりました。
すごいすごい。

ここ数か月、ずっとおばあちゃんの介護を献身的にしてきた娘さんにも、少し自由時間をあげたいよね~。
おばあちゃんもリハビリがてらお友達もできたらいいね。
お風呂もデイで入れば、家族の負担も軽くなるし・・って。

ケアマネさんにもそんな話をして、ドクターOKが出たのでその方向で動いてもらう事になりました。

今週に入ってデイが決まったから、主治医の往診の時にデイのスタッフが契約に行くから、褥瘡の処置の仕方教えてくださいってサイボウズに書いてありました。

クリニックナースは「処置は、皮膚科ドクターと連携している訪問看護師さんに聞いた方がいいのでは?」とコメントしてくれましたが、今日そのまま往診時にケアマネとデイの人が来たそうです。

往診先からクリニックナースが電話をくれました。

実は今度行くことになったデイは、特浴がなくてシャワーキャリーなんだとか。
主治医は、褥瘡の位置から考えるとそれはやめてください。と言う事になったとか・・。
「ええッ!?せっかくデイに行くのに、お風呂も入れてくれないの?」
ケアマネさんに電話を代わってもらいました。
「最悪お風呂に入れなかくても、褥瘡の処置はしてくれるの?」
「いや、それはご家族が処置をしてからデイに行ってもらう事に・・・」

プチッ

「何のためにデイに行くんですか?褥瘡の患者さんにとって、入浴は絶対必要なものです。まして移動するんだからますます清潔と循環を良くする必要があるでしょう?
だいたい、娘さんの介護負担を軽減するために行ってもらうのに、デイの前に処置を全部させるなんて、本末転倒じゃないですか?いったい何でここのデイにしたの?」
「一番近かったから・・・移動時間短い方がいいと思って・・」

う~ん。
こういう事言うから訪問看護師さんって嫌われちゃうのかなぁ。
私だって言いたくないです。
だけど、なんでこう意図が伝わらないのかな??

結局、話は白紙にもどり一からデイ探しです。
主治医の先生とナースからは「やっぱ、電話かけてよかった~。何度か言おうとしたんだけど、うまく言えなくて~。ありがとう!」って感謝されちゃいました。

ケアマネさんは、シャワーキャリーでも大丈夫かと思ったらしいのですが、そういうことはやっぱり相談してほしかったなぁ・・と。
なんか、ボタンのかけ違いみたいな違和感を覚えました。

ケアマネさん曰く「寝たまま入れてくれるデイは、あんまりないんですよォ・・」とのこと。

でも、まず探してみたのかな??

で、とりあえずそれから電話をかけまくり、いくつか快く「大丈夫ですよ。」と言ってくれるところを見つけ、ケアマネさんに連絡しました。
ケアマネさんも、心当たりに電話はをしていたようで、とりあえずはまず今必要な条件をクリアできる場所を再度探してくれています。

サービスの目的や優先順位を考えて動かないと、余計に無駄な労力が必要なになりますよね。

それにしても、言いにくいこと、これ言ったら嫌われるかも・・と思う事でも、患者さんの立場に立ってみれば、やはり言わなきゃダメだと思います。

だから訪問看護師はきつい、怖いって言われちゃうのかもしれないけれど、そこの方向性が同じなら、すごーく優しい看護さんでもいられるのだけれど。

デイサービス側の問題もいろいろありますが、おばあちゃんが楽しめて、娘さんが一息つけるデイサービスに行けることを願っています。

ところで、10日ほど前に患者さんの庭にたくさん出来た梅の実を、スタッフが頂いてきました。
それを、サ責のAちゃんが梅サワージュースにと仕込んでくれました。
毎日事務のOさんが「美味しくなーれー」とゆすっていましたが、やっと完成しました。

    

昨日から、みんなで氷を入れて水で薄めて頂いております。
お酢が入っているので、ちょっと刺激的ですが、さわやかな梅の香りがたまりません。
クエン酸たっぷりの疲労回復ドリンクとなりました。
ちなみに、同じく取れた梅で梅ジャムも頂きましたが、これも絶品です。
水で薄めて飲んだり、パンにつけたり。

季節のものを収穫して、人が手を加えて美味しくいただく。
やっぱり、それが一番ですね。

暑いけど庭!

2011-07-03 22:51:12 | 草、花、収穫
毎日暑くて参りますが、そうも言ってられないので、庭に出てみました。

今日は、時期を終えて枯れた花をきれいに抜いて、これから植える花のために土を耕しました。

今の花はと言えば、ちょっと端境期であまり花はありません。

これなんだったっけ??


 百日草 かわいいです。

赤も可愛いでしょう? 

めしべの付き方がめっちゃかわいいですね。

これは何でしょう?  

ボーボーのジャングル状態ですが、背丈は2メートルはあります。
どうだんツツジに寄りかかって、どんどん大きくなっていますが、全く手をかけていないので、勝手に育っています。
アップにすると このようなミニトマトがいっぱいくっついています。
赤くなると結構甘くておいしいトマトなんですよ。

 駐車場のすみっこ。

ミニのタチアオイ。すごくかわいいでしょう? 

その奥にあるのが、シカク豆の苗とミニきゅうりの苗。

アップにすると花。  

これはゴーヤ。
去年のこぼれ種でかってに伸びてます。

さて、これからは何の花が咲くのかな?

なにしろ暑いですわ・・

2011-07-02 22:24:53 | 日々のあれこれ
実は、2階の私たちの部屋のエアコンが壊れていて、なにしろ暑いんです。

他の部屋はつくんですが、一番みんなが集まる部屋なので、さすがにきついです。
陽当たりがすごくいいので、当然部屋の温度もうなぎ上りで、一番心配なのがウーパールーパーです。

うーパール―パーは水温が高いのはかなり苦手らしいので、いつか茹立っちゃうんじゃないかと、ハラハラしています。
放っておくと水温30度超えてしまうので、冷却ファンというのを買ってつけています。
これは、紙面に風を当てて気化熱で温度を下げるもので、2度くらいは下がりますから、ウーパールーパーもぎりぎり頑張っている感じです。

だいたい熱帯夜っていうのは、例年こんなに早くはありませんよね。
夕方ごろからは、ちょっと涼しい風が吹いてきて、夜は窓を開ければそよそよと眠れたりしませんでしたっけ?
今は毎日ムッとする熱気の中で扇風機だけが頼りになっています。
パソコンも熱をかなり発するので、ますます暑いこの頃ですね。

で、今日とうとう耐えかねてヤマダ電機にエアコンを買いに行きました。
プラズマクラスターってやつで、今までの機種よりは節電になることを期待しています。
・・・が、取り付け工事まであと1週間我慢しなければなりません。

梅雨なんだからもうちょっと何とかならないものでしょうか??

そんなわけで、ブログ更新するのもかなりシンドイこの頃です。

そうそうそういえば、こんな写真が出てきたので、貼り付けときます。



在宅用吸引セットです。

それでは今日はこれで!

摂食訓練・・1.5%トロミ水って??

2011-07-01 23:57:33 | 訪問看護、緩和ケア
先日、Mさんの嚥下サポートチームのカンファレンスがあり、担当ナースとヘルパーサ責のAさんが、その報告をしてくれました。

Mさんは、このまま一生残るはずだった気切孔をふさぐ手術を終え、次の段階である摂食訓練を本格的に行う事となっています。

病院での嚥下評価もまあまあだったので、1.5%のトロミ水からの開始です。

じゃあ1.5%ってどのくらい?
というわけで、実際にトロミの付き具合をみんなで試してみました。

簡単にトロミをつけるためのトロミ剤には、たくさん種類がありますが、今回栄養士の方がおすすめしてくれたのが、水・お茶用のトロミ剤「トロミアップパーフェクト」です。

                
トロミアップ パーフェクト 3g×50本
日清オイリオ
日清オイリオ


トロミアップって昔はかなり不味くて、粉っぽいしダマニなるしであまりいい印象はなかったのですが、最近のものはそんなこともなくなり、使いやすくなっているようです。

今回の嚥下評価では、空気を飲み込んでしまう事や、若干ながら梨状陥凹に残ることもあり、1.5%のトロミ水からの直接訓練を開始することになっています。

今回どれなら飲みやすいかな?と言う事も検討し水とお茶でお茶作ってみることになりましたが、以前どうしてもビールを飲ませたいというご家族がいたことを思い出し、炭酸のジュースでも作ってみました。

                   

一番手前が1.5%の水です。
水150㏄に対して、トロミ剤0.75g(4分の1包)の割合です。
でも、お水よりも冷たいお茶のほうが美味しい!というみんなの意見でウーロン茶でも作成。
さらに3%、それ以上と作ってくれました。

びっくりしたのが炭酸ジュース。
トロミ剤を入れてかき混ぜた途端、モコモコモコモコと膨れ上がり溢れてきました。
「わー!!」と大騒ぎをしましたが、ある程度で止まり、写真のような感じになりました。

飲んでみての感想です。

1.5%でも結構トロミが強いと言う事です。
なので3%になると口の中でネトネトしてきて気持ちが悪い。
それ以上になると、口の粘膜にべったりくっついて、飲み込みずらくてかえって危険な感じ。

みんなトロミが嫌なはずですよね。正直まずいです。
ただ、お茶の1.5%以下なら何とか飲めそう。
炭酸ジュースもこういうデザートだと思えばまあいけるかも。

ビールは・・。
喉越し命なので、きっと残念な感じだと思います。


訓練方法としては、お口の中を清潔にして、うがいをしてから行う事。
直接訓練の前に、間接訓練を行う事。
関節訓練は、深呼吸、首のストレッチ、シャキア訓練(首上げ訓練)、咳払い、発声などを行い、その後トロミ水を飲む。
トロミ水は、20分以内に飲めるだけ行い、途中カラ咳や発声を入れること、背中をトントンしてげっぷを出すこと。とします。

しばらくこれで訓練をして、問題なければ次の形態へと移行していくわけですね。

まあ、あんまり楽しい訓練じゃないので、本人にはちょっと憂鬱かもしれませんね。

でも、誤飲性肺炎を繰り返し、イレウスも繰り返してきたMさんなので、今度こその思いを込めて周囲も愛のムチってところでしょうか。

早くもっとおいしいものが食べられて、IVHも終了できればいいのですが。

ちなみに、窒息事故を起こすこんにゃくゼリーですが、あれはちょど気管の太さにぴったりなのだそうです。
吸い込むような食べ方を、子供は良くしますから、何かの拍子にスポッと喉の奥にはまってしまったら、自宅ではどうにもなりませんね。
同じようにバナナも実は窒息事故になりやすいそうです。
良く潰すとか、子どものころからなんでも良くかむ習慣が大事ですね。
時々お子さんで、寝っころがりながら口に物を入れていたり、いわゆる「ながら食べ」をさせている親がいますね。
親の責任においてちゃんと座って食事に集中させることが、子供を守ることにつながるのだと言う事を、もっとわかってほしいですよね。
うちの子供は、小さい時から遊び食べ、ながら食べだけはさせませんでした。

それから、食事の姿勢ですが、臥床している方は60度程度ギャッチアップで(壁に座椅子で持たれてもいい)首は軽度前屈し、飲み込むことに集中します。

うちのおじいちゃんは、いつもテレビの方を向いたまま食べていて、何を食べているのかわからないんじゃないのかと思ってしまいす。時々「おじいちゃん!これ食べて!」とおきい声で呼びかけてはいますが・・。

今まで、ここまで丁寧な摂食訓練はしませんでしたが、Mさんはこれからまだまだ可能性を持っています。
どこにでも行けて、なんでも食べられるようになるという・・。

そのゴールに向けて、嚥下サポートチームは頑張ってくれています。