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我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

故事成語類(実践問題その12)

2014年08月12日 | 故事成語類
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ  故事成語類(実践問題その12)です。 難易度:「やや易」
(よみ)
①端木賜(たんぼくし)は衛人にして、字は子貢。 孔子より(少)きこと三十一歳。 ・・・・
②子貢の一たび使たるや、勢をして相破らしめ、十年の中、五国に各変有り。子貢廃学を好み、時に(貨貲)を転す。(子貢が一たび使者としてその弁舌を振るうと、勢いのある者同士を互いに破らせ、十年の間に五カ国それぞれに変化をもたらした。子貢は貨殖を好み、相場に優れていた。)*廃学(はいがく)財を貯えること
③孔子曰く、吾れ聞く、古の善御なる者、轡(くつわ)を執ること組の如く、両驂(さん)舞ふが如し、(策)の助けに非ざるなりと。是を以て先王礼を盛んにして刑を薄くす、故に民、命に従ふ。
④百年の間、天下の遺文古事の(畢)く太史公に集まらざるはなし。
⑤義を扶け(俶儻)にして、己をして時に失はしめず、功名を天下に立つ、七十列伝を作す 

(かき)
①孫子曰く、凡そ兵を用ふるの法、馳車(シ)、革車千乗、帯甲十萬。千里に饋糧(きりょう)せば、内外の費、賓客の用、膠漆の材、車甲の奉、日に千金を費やす、然る後に十萬の師を挙ぐ。(注)馳車:早い車。攻撃用のすばやい車。戦車。軽車。革車(かくしゃ):革で表面をおおって丈夫にした車。糧食などを運ぶ荷駄車。重車。革輅(かくらく)。帯甲(たいこう):よろいをきた兵士。饋糧(きりょう):食糧をおくること。
②孫子曰く、凡そ兵を用ふるの法、将、君に命を受け、兵を合はせ衆を聚(あつ)む。 圮地(ひち)には舎する勿れ、(クチ)には交を合はし、絶地には留まる無かれ、囲地には則ち謀り、死地には則ち戦ふ。(注)圮地(ひち):くずれた地。山林険阻沮沢など凡そ行き難き道。
③楚人の和氏(かし)、(ギョクハク)を楚山の中に得たり、奉じて之を王(れいおう)に献ず。王、玉人をして之を相せしむ。玉人曰く、石なり、と。・・・。(注)ギョクハク:あらたま。まだ磨かれていない玉。玉人:玉工 韓非子「和氏の璧」より。
④主、術を用ゆれば則ち大臣は擅断するを得ず、近習は敢えて重きを売らず。官に法を行へば則ち浮萌(ふぼう)は耕農に趨(ゆ)き、而して游士は戦陳(せんじん)に危うし。則ち法術者は乃ち群臣士民の禍とする所なり。人主は能く大臣の議に倍(そむ)き、(ミンボウ)の誹りを越え、独り道言に周するに非ざればなり。則ち法術の士は死亡に至ると雖も、道を必ず論ぜざらん・・・。
⑤維(こ)れ我が漢、五帝の末流を継ぎ、三代の業を接(つ)ぐ。周道廃れ、秦は古文を(ハッキョ)し、師書を焚滅す。故に明堂石室、金匱玉版、図籍散乱す。・・・ (注)ハッキョ:はらい捨てる意。

回答・解説はこのあとすぐ(^^)


(よみ問題)
①(わか):小学…ショウ、すく(ない)、すこ(し) 準1…しばら(く)、わか(い) 1級…まれ
②(かし):物品。商品。事業のもとになる金や材料。貲:シ、あがな(う)、たから、みのしろ (参考)貲布(さいみ):織り目の粗い麻布。夏衣や蚊帳(かや)などに用いた。
③(むち):策:小学…サク 準1…むち、つえ、ふだ、はかりごと (訳)古の善御なる者は、手綱を執りて馬と和すこと組の如く、左右の添え馬すらも舞うが如くに疾駆する、鞭の助けには非ざるなりと。これを以て先王は礼を盛んにして刑を薄くし、故に民はその命に従ったのである。 *驂(さん)三頭立ての馬車。そえうま。また、単に馬を指す場合もある。
④(ことごと)::ヒツ、お(わる)、ことごと(く)
⑤(てきとう):文意:七十列伝を作したのは、義を貴び卓逸にして、その時機を見定めて己を失うことなく、功名を天下に立てた人々を伝えんが為である。俶儻:才気卓越した人
 (注)俶:シュク、テキ、よ(い)、はじ(める)、すぐ(れる) *「すぐれる」意の場合、「テキ」→俶儻(テキトウ) *「よい」(ととのえる)意の場合、「シュク」→俶装(シュクソウ)  *トウすぐ(れる) 、も(し)、ある(いは)

(かき問題)
①():四頭立ての馬車。馬四匹。三馬の場合は驂(さん)という。(訳)およそ軍旅の作法は、兵士十万を用いるに戦車千台、輸送車千台を要す。これを養うに物資兵糧を四方よりまわさば、国内国外の費用、使者間者の費用、補助物資の費用、兵車甲冑の費用など、一日に千金を費やす。 十万の軍を挙げんとするならば、この費えを十分に玩味して挙げねばならない
②(衢地):四通の地。衢はちまた、わかれみち、旁出するもの。(訳)凡そ兵を用いるの法は、将の君命を受けるや、軍勢を統べ、輜重(しちょう)を備える。山林険阻湿地帯にしておよそ行き難きの地には陣を張らず、四方通じて交わり易く天下の衆を得るに相応しき要地には友好を通じて相助け、四方通ぜずして糧道続かざるの地には長く留まらず、入るに狭く出るに遠くして進退に利の有らざる地には速やかに謀りて危難を遠ざけ、戦うこと速やかにせざれば亡ぶに至るの地には士卒の志を一にして戦を決す。絶地(ぜっち):極めて遠い地。人里離れた土地。
③(玉璞):問題文(注)のとおり。璞:ハク、あらたま
④(民萌):民と流浪の人。問題文中に敢えて「浮萌(ふぼう)」を出しているのでわかりやすかったかも。「萌」には「たみ」の意・読みあり萌:ホウ、ボウ、も(える)、も(やし)、めば(え)、めぐ(む)、きざ(す)、たみ (訳)もしも人君が術を用いるならば、大臣は専断することができぬし、近習はその分を守って権の重きを犯すことはできぬであろう。官制において法を行えば、遊民は皆農事に服し、浮浪の士を戦陣に赴かせることができるであろう。つまるところ、法術というものは群臣士民からすれば禍として存するものである。法術は大臣や民からすれば禍なのであるから、人君が大臣の議するを排し、人民の誹りなどを超越し、ひとりの有道の士の言に親しむのでなくては、たとえ法術の士が死に至ったとしても、その道の価値が認められることはないであろう。出典:韓非子・和氏
(周辺知識)民萌(みんぼう):『韓非子』(八姦編)の「八姦」とは、「同牀」「在旁」「父兄」「養殃」「民萌」「流行」「流行」「威強」のこと。臣下が主君の権力を侵害する8つの計略について論じ、その対処策を述べた編。そのうちの「民萌(みんぼう)」は「家臣自らが下に利益を与えて大衆を味方につけて、主君を孤立させる」計略のことらしい。ちなみに、「同牀(どうしょう)」は、「主君の色欲につけこんで、寵愛する者を通じて主君を動かす」こと。これはわかりやすい(^^)他の姦も面白そうですが、本題からどんどん外れるので割愛。
⑤(撥去):撥棄。はらい捨てる。撥:ハチ、バチ、ハツ、は(ねる)、おさ(める)、かか(げる)、のぞ(く) 明堂(めいどう):古代中国において天子や王者が神や祖先を祭ったり、諸侯を召したり、その他様々な正教を行なった場所のこと。石室(せきしつ):周囲を石で積みかためた部屋。古代人が墓として造った石の部屋。洞窟。また、蔵書している場所の意にも用いられることがある。金匱(きんき):重要な秘密の書類などを入れる金属製の箱。玉版(ぎょくばん):玉で作った板に文字を刻んだもの(昔は貴重な書物とした)。図籍(とせき):土地の図面と人民や財貨・穀物などに関して記した帳簿。

如何でしたか?書き問題は文章題みたいになってしまいましたが、その分、分かりやすかったかも・・・。
ではまた。


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