日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆
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<嚴子4:仁義なき戦い~広島死闘篇(前編) ・・・前回のあらまし・・・>
●「丁」:小学:チョウ 中学:テイ 準1:トウ、ひのと、わかもの、あ(たる)
「丁丁(チョウチョウ)」:物を続けて強く打ち音を表す語。「打打」とも書く。(漢検2)
「丁丁(トウトウ)」 :①斧で木を伐る音 ②碁を打つ音。また、琴の音。(広辞苑。漢検2ナシ。漢検2は「トウ」音熟語もナシ。)
文例)「丁丁と白檀を伐つ斧の音」〈白秋・蟻〉
●「洞」:中学:ドウ、ほら 準1:トウ、うつろ、つらぬ(く)、ふか(い) 1級:うろ
「洞洞(トウトウ)」:穴などがぽっかりとあくさま。また、黒々と奥深いさま。(他国語辞典。漢検2ナシ。漢検2は「トウ」音熟語もナシ。)
文例)「薄紫にけぶる野末に大きな月が洞洞と顔を出す」〈蘆花・思出の記〉「黒(こく)洞洞たる夜」〈芥川・羅生門〉
●「幢」:(1級)トウ、ドウ、はた
「幢幢(トウトウ)」:光が薄暗く、ゆらゆら揺れ動いて落ち着かないさま(漢検2)*広辞苑ナシ。
文例)「満目の紫焔幢幢として」〈蘆花・自然と人生〉「殘燈 焔(ほのほ) 無く 影 幢幢・・・」(中唐の詩人。元稹(ゲンシン・ゲンジン)。親友の白居易とともに元・白と並称され、平易な恋愛詩を書き、広く民間で愛された。)「灯下人影幢幢・・・」(=明かりの下で人の影が踊っている)
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(書き問題)
①トウトウたる時代の流れに思いを馳せる
②トウトウたる大河の流れをみる
③太皷が
トウトウと鳴りひびく
④トウトウとして登る朝日を眺める
⑤太皷が
トウトウと鳴りひびく(③とは違う熟語で。ただし、本⑤は対象外漢字を含む。)
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●文中にも、書き問題・読み問題があります。よろしければトライしてみてください。文中のゴチック文字・・・カタカナは漢字で、漢字は読みをひらがなで、回答してみてください。
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(嚴子、福子とマスターの、経験の乏しそうな、たどたどしい恋愛話・恋愛観なんかを
①ハタで聞き流しながら、攻撃準備に余念なく・・・手元のメモを再チェック・・・)
嚴子:いいねえ、二人の、その初々しい話、なんか、ワクワクしちゃうね、恋愛って(ふふん・・・)・・・で、そろそろ、話題、
②爰えよっか・・・マスター、この「トウトウたる時代の流れに思いを馳せる」ってどんな漢字かなあ・・・
マスター:あ、これは分かりますよお、いくら私でもお・・・こういう字だったかなあ・・・ちょっと書きづらくって合ってるかどうか・・・よく言う言葉ですもんね、このくらいは常識じゃないですかあ・・・いくら、学のない私でも大体わかりますよお・・・
嚴子:(あっとお!これはたしかに良くでる熟語だったかも・・・失敗したかな、ちょっと簡単すぎたか・・・聞くまでもなかったかも・・・)あ、そおですよお、これはちょっと簡単でしたね、マスターに聞くまでもなかったかしら・・・へへ、ごめんなさい。じゃ、次のこれ、「トウトウたる大河の流れをみる」ってのはどお?
マスター:・・・これも今のトウトウと同じじゃないんですかあ?“「滔滔」と流れてる”って意味でしょお?
嚴子:(グフフッ、や、やったぜ!これ、広辞苑に「蕩蕩たる大河」って、あったんじゃい!へっへえ~!)マスターあ~ん、それはね、それは間違いでえ~っす!!へっへっへえ~!!ふふふ、この「蕩蕩たる大河」っていうのはね、“広く大きいさま”の時に使う熟語なんですよお~、へっへっへえ~!!マスターあ~ん、到頭・・・へっへえ~!これ、洒落じゃないですよお~、間違えましたね、へっへっへ、マスター、間、違、え、たっと!!間違えたったら間違えたっと・・・くくう~、う、うれピイ~・・・これは“広くて大きい大河”ってことなんで、すう~っ!!
マスター:ありゃあ~、そおなんですかあ・・・私にはその違い、よく分からないですねえ・・・「滔滔と大河が流れる」とか言いますよねえ、書きますよねえ・・・だから、「滔滔たる“大河の流れ”・・・」って、この「流れ」にかかる意味なのかなあって思ったんだけどなあ・・・
嚴子:???(ん?そお言われてみると、ちょっとわかんなくなってきたぞ・・・ん?・・・こ、これ、確かに、このままだと文意がどっちにも取れるわ・・・し、しまったあ~!!「蕩蕩たる大河を見る」とかにしておけばよかったんだあ~、「・・・“流れ”をみる」なんて余計なことしちゃったから、どっちでも正解になるかも知れないわ・・・ええ~?これ、ア、アタシのミスう~?た、確かに、広辞苑には「蕩蕩たる大河」までしか出てなかったわあ・・・)・・・あれ?そういわれると、マスターの云うことも正しいかも知れませんねえ、確かに・・・。「蕩蕩たる大河、ここにあり」とか「蕩蕩たる大河を望遠する」とかだったら、そんな混乱なかったかも知れませんねえ・・・へへ、ちょっと勘違いしたみたい、アタシ。マスター、ごめんなさいね、これ、「蕩蕩」でも「滔滔」でもどっちでも良さそうですねえ・・・それぞれ、文章の意味は違ってくるけどお・・・
マスター:ああ~、そおなんですかあ、私、てっきり、さっきの「滔滔たる時代の流れに思いを馳せる」の“流れ”ってのがあったんで、同じなのかなあって思っただけなんですけどね・・・そおかあ、「蕩蕩」には“広くて大きい”意味がねえ、これ、「春風駘蕩」の「蕩」とも大体同じ意味なんですねえ・・・それから「滔滔」の「滔」のほうは、やはり“流れる”って意味が含まれるんですねえ・・・ふふふ、また、勉強になりました・・・
嚴子:(コ、コイツ、
③恍けてんのか、知ってて云ってんのか、ホントに知らないのか・・・まだ、よおわからん・・・)そ、そおですかあ、良かったあ~、なんか、アタシ、失礼なこと言っちゃって、アタシ、ほんと、ゴメンナサ~イ・・・
マスター:そういえば、思い出したけど・・・この「滔」の字と「蕩」の字を合わせた「滔蕩(トウトウ)」ってのがあるんですってね・・・これは①大きく揺れ動く、とか②大水が一面に広がる、 とか ③広大なさま、 とか、いろいろと意味があるらしいですけど・・・たしか、なんか難しい、向こうの中国の古い史書か何かに出てくる文章を諳んじてたなあ、あの二人・・・こういうのは、さすがに覚えられませんねえ、ははは、味わえないっていうか・・・
嚴子:!!!(た、確かに・・・それ、漢検2に小っちゃく出てた熟語だわ、昨日問題作ってて、難しそうな熟語なんで、出してやろうと思ってたんだけど、漢検2には、意味のとこに「うごく。ゆりうごかす。滔蕩。」としか出てなかったんだもん、ちょっと作りづらかったから諦めたのに、そ、その熟語も知ってるなんて・・・そ、それも、複数の意味まで・・・グググッ、や、やはり、只者ではないぞ、コイツ・・・)
マスター:(あああ、もお、こんなに飲んじゃって・・・福子なんて、まあた、寝ちゃったよ、で、ゲンコのほうは・・・益々、目がキツくなってるよ、この娘、あああ、また、水のように流し込んでるよ、ワイン・・・一度しっかりと飲み方、教えてあげないとイカンかもなあ・・・ヒヒ、でもまた、もう3万円オーバーしてるよ、払えるんだろうなあ、今日は・・・)
嚴子:(思わず声を出して・・・)よ、よおし!次!今度は強力よお~!!
マスター:え?ええ?今、なんて?
嚴子:あっ、いえ、つい・・・えっと、次も協力してほしいなあって・・・。マスター、「太皷がトウトウと鳴りひびく」っての・・・わかるう?(ぐふふ、こりゃあ、わからんだろう・・・書くのも難しいし、文例みたいのも、こんなんしか出来んよ・・・)
マスター:ああ、あっ!・・・ゲンコさん、私ね、松江ってよく行くんですよ、あそこの出雲そば、美味しいでしょ、駅からそんな遠くないところですけど、7軒ぐらい、美味しい出雲そばの店、あるんですよねえ、で、私、そこを時々食べ歩いてんですよお・・・その中でもね、とっても美味しいソバガキ食べさせてくれるところがあって、私はあの店が一番のお気に入りなんですけどね・・・(ホントはその先の玉造温泉行きてえんだけど、一人なんだよ、オレ、あ~あ、嫁さん、欲しいよお・・・)
嚴子:(コ、コイツ、な、何を言い出すんだあ?あああ~っ!そおか!どうにもわからんもんで、とうとう、話題を
④ソらそうとしてやがんな、こおの野郎・・・そおはイカンぞお、さあ、首根っこ、押さえて、あのヤクザ映画のように“獲ったあ!”って叫んでやるぜえ、よっしゃあ!!)マスター、私の問題は・・・
マスター:そお、それでね、松江でよく歩くんですよ、あの辺、でね、あの辺、歩いていると、ところどころに「鼕」の蔵があるんですよねえ、変わった形の大きな太鼓みたいなんで、それが「鼕」って書いてあるんですよお・・・あれ、あちらじゃあ「どう」って読むらしいんですけど・・・松江“鼕(どう)”祭りってのもあるんですよねえ・・・
嚴子:!!!
マスター:でね、帰ってきて、あの二人に聞いたんですよ、そしたらね、太皷や鼓の音を表すのに、「鼕鼕(とうとう)」という言葉があるんですってね、教えてくれたんですよお・・・ああいうのも、実物を見てそういう話を聞くと、忘れないものですねえ・・・そうそう、「鼕鼕」には、「①鼓の音。太鼓の音。」のほか、「②波の音」を表すときにも使うとかなんとかいってましたけど・・・
嚴子:(ググ、ググ、グググッ・・・コイツ、お、恐るべき奴、じ、実際の体験や見聞と漢字・熟語を有効に結びつけて、しかも周辺の意味にまでおし広げて把握・理解している・・・グググッ、こ、これが“味わっている”ってことなんかい!)ま、マスター、すごいです!そのとおりです・・・私の持っている辞典(漢検2のこと)にも「鼕鼕(とうとう):①鼓や太鼓のどんどんと鳴りひびく音。また、そのさま。②波や水の流れが勢いよく立てる音。また、そのさま。」って出てました・・・満点ですねえ、マスターの答え・・・。
マスター:いやあ、たまたまですよお、こんなの・・・しかし、ゲンコさんのやってる、その漢検っていうんですか?面白い漢字や熟語がいっぱいあるんですねえ・・・
嚴子:(ぐふふ、ぐふふふ、まあだ、まあだよ、これからよお、ちょっと肉、斬られた感じで少し痛いけど、そのうち、骨え、ぶち割ってくれるわよおおお・・・ふん、「鼕鼕」に関連して、強力な秘密兵器出そうとしたんだけど、これは後回しにしてっと・・・)じゃあ、次、これ、どうです?「トウトウとして登る朝日を眺める」っての・・・(ぐふふ、この「瞳瞳」、漢検2の大見出しだけど、他には無かったわ、こんなの・・・マスター、漢検2なんかみてないだろうし、これ、絶対できないよお・・・)
マスター:朝日が輝くさまっていう表現ですよねえ、かさねた言葉で“トウトウ”・・・これ、ちょっと易しい漢字だと思うけど、「曈曈」って字でいいんでしょうか・・・「日(ひ)へん」の付く字だから割と覚えやすかったですけどお・・・
嚴子:(またもや、堪えきれずに声を出してしまう・・・)や、やったあ!やった!やった!“獲った”ぜえ~っ!!こおんの、やろう!ほれえ~っ!!死にやがれえ~っ!!!ぐっふっふっふっふ、ぐっふっふっふっふ、ぐわはっはっはあ~、やったでえ!とおとおやったあ~!!こ、これで広島はワシのもんじゃい、うわあはっはっは~っと!!
マスター:(なんか、興奮して、この娘まで、“ワシ”って・・・広島って・・・)あのお、ゲンコさん、ゲンコさん・・・何かお喜びのところ、言いづらいんですけどお・・・ゲンコさんの思ってる“トウトウ”って、もしかしたら、「目(め)へん」の「瞳」のことでしょうか、それ二つ続けて「瞳瞳(トウトウ)」と読ませるとか・・・
嚴子:そおよ!それが正解よお!何か、この期に及んで言い残すことでもあんのお?ぐふふ、ま、最後だから、聞いてあげてもいいけどお・・・
マスター:う~ん、いいづらいなあ、でもなあ・・・えっとですねえ、その目へんの「瞳瞳」、どうやら、間違いらしいですよお・・・あの二人が笑いながら話してましたもん、何の辞書のことなのか、辞典のことなのか、知りませんけどね、“これだから、このボロ辞典はダメなんだ”とかなんとか、騒いでましたよお、笑いながら・・・。そんでね、面白そうなんで、私が聞いたら、今みたいなこと、教えてくれたんですよお、ついでに、この日へんの方の字で「旭日曈曈(キョクジツトウトウ)」って四字熟語があるってことも・・・
嚴子:!!!・・・!!!・・・!!!えっ?えっ?今、何て言ったの?そ、それに、その日へんの「曈」って、そんな漢字・・・私、し、知らないわ・・・(嚴子、恥も外聞をかなぐり捨て、電子辞書ですばやく調べる・・・と)・・・あ、あったあ~!!ほ、ほんどうだあ~!!日へんで「曈曈」!!しかも、そこにちゃんと「日の出の太陽のさま。朝日の明るい輝き。「旭日曈曈」」だって!!あ、アタシの「瞳瞳」はどこお?どこに行ったのお~?で、電子辞書にはないわ・・・。
マスター:(気の毒そうに・・・)二人、云ってましたよ、ボロ辞典、誤植の訂正も連絡も何もしてないって・・・でも、え~と、なんていったかな、ネットでその漢字をみるサイト、漢字ペ・・・?そおそお、漢字ペデイアっていうんですか?そこには、この間違った「瞳瞳」、人知れず削除してあるらしいですよお・・・ははは、“姑息な奴らだ”とかなんとか、おっしゃってたような・・・
嚴子:(ググッ、ほ、骨を少し、あ、肋あたりかしら、き、斬られたような・・・グググッ、ちょ、ちょっと痛いわ・・・納得いかないから後でしらべるけど・・・で、でも、まだ死んでないよ、ゲンコさまは・・・このお!は、反撃するわよお!・・・この日へんの「曈」、たぶん、1級対象外漢字だわね、よおし、そっちがそお来るなら、ちょうど良かったわ、アタシの最終兵器・・・ぐふふ、これ、一部、1級対象外の漢字を使ってる熟語なんだあ、しかも読みは「トウトウ」なんだけど、畳語じゃないんだあ・・・ぐふふ、もお、こおなったら反則だろうがなんだろうが知ったこっちゃねえや、でも、一応、漢検2には出てんのよね、この熟語・・・「鞳」のところに、「鞳:①兵器。②つづみなどの音を表す「鞺鞳」に用いられる字。」ってさ・・・。ま、漢検1級とは関係なくなるけど、それはそれとしてよ!もお!目的はコイツの<
⑤首級>一つなんだから、さあ、“獲る”よお!!・・・)
嚴子:マスター、ゴメンなさあい、アタシ、なんだか急に楽しくなっちゃって・・・この美味しいワインのせい・・・あれ、あれ?ワインからいつの間に・・・こ、これ、水じゃない!マ、マスター~!?
マスター:もお、その辺にしておかれたほうがよろしいんじゃないですかあ?ゲンコさん、相当、お酔いになってますよお・・・(福子は寝ちゃって、しかもうるさく
⑥カンセイあげはじめてるしよ、このゲンコも少しうるさくなってきたし・・・それに、そろそろ、別のお客さん、入り出してるし・・・迷惑かかるよなあ・・・ほんと、もお、帰ってくんねえかな~・・・)
嚴子:いやっ!いやっ!もお一杯、頂戴!ね、マシュター、そ、それで、帰るから、ね、ね、もお一杯!!おっねがいしまっすう~!!
マスター:困りましたねえ、じゃあ、この1杯で、本当にお帰りになられるんですね、そうされたほうがよろしいですよ、本当に・・・(あ~あ、また、バッグだよ、たぶん・・・)
嚴子:はあい!わっかりましたあ、ありがとう、マシュタ~・・・んでね、最後の相談ね、これが最後・・・ね、で、さっきさあ、マスター、太皷の音のこと、「鼕鼕」って知ってたよねえ、スゴイなあって感心したんだけどお、同じ意味でさ、さっきの「太皷がトウトウと鳴りひびく」っての、別の漢字でどういう漢字があるかなあ?もし、知ってたら、教えてほしいんだけどな、アタシ・・・
マスター:それって、もしかして、小学生が歌ってる「大波小波鞺鞳(とうとう)と・・・」とかいう「鞺鞳」のこと?でも、違いますよね、太皷の音じゃないですもんね・・・これだと、波の音ですもんねえ・・・でも、そおか!「鼕鼕」にも波の音って意味もあるようなこと、おっしゃってましたねえ、すると、これでいいのかなあ?
嚴子:???何、それ、その小学生が歌ってるって・・・
マスター:え~っと、どおだったかなあ・・・正確じゃないかもしれませんけど、「そらにさへづる鳥の声 峯より落つる滝の音 大波小波鞺鞳(たふたふ)と 響き絶えさぬ海の音・・・」って、明治のころの唱歌にあるんですって・・・その1番の歌詞らしいですけどお・・・
嚴子:???何、それ、明治の唱歌って・・・
マスター:私も知りませんよお、聞いただけですからあ・・・なんでも「美しき自然」っていったかなあ、「美しき天然」っていったかなあ?そういう題名の歌で、日本の風景美を讃えた文語調の詩なんだって、たしか・・・。最初は歌詞にはひらがなで「・・・大波小波どーどーと・・・」となってたらしいんですけど、いつのころからか、「大波小波 鞺鞳(タウタフ)と・・・」となってるんですって・・・でも、すごいですよねえ、考えてみると。・・・これ、小学生が、明治の初めごろの小学生が見て歌ってたっていうんですから・・・ははは、そんな簡単な漢字なんですねえ・・・でも、さっきのご質問の答えになってるのかなあ?太皷の音じゃないですよお・・・でも、ほかには、私、「トウトウ」の熟語、思い浮かばないなあ・・・
嚴子:(あっ、アタシ、は、肺が、肺臓が・・・肺臓のどっかの骨が折れたような・・・い、痛いわ、すごく痛い!!い、息が、く、苦しくなってきたわ・・・あ、あ、息できなさそお・・・)マ、マシュタあ、マシュタあ~・・・ご、ゴメンなさい、ア、アタシにもわかりましぇん、漢検の辞典とか広辞苑にも「鐘や鼓などの音」としか出てないんで・・・も、もしかしたら、マシュタのいうとおりでいいのかも、し、しれまシェン・・・波の音が太皷のような音を立てているってことかも、し、しれませんもんね・・・どこにも書いてないので、アタシ、ちょっとお答えできましぇ~ん!!あ、ああ、い、痛い、痛いわ~!!
マスター:だ、だいじょぶですかあ?ゲンコさん!ゲンコさん!!こりゃ、大変だ!ちょっと、ふ、福子さあん・・・・
嚴子:マ、マスタ、福子、お、お願いだから、起さないでやって・・・ね、お願いだから・・・
マスター:そおは言われてもお・・・ど、どうするんですかあ、そ、そんな状態で帰れませんよねえ・・・
嚴子:だ、だいじょぶです、アタシ・・・も、もお、少し良くなってきたみたいだから・・・一人で帰れます・・・
マスター:あ、本当に?本当に大丈夫ですかあ、何か心配ですけど・・・あ、じゃあ、お会計はどうされますかあ、先にお帰りになるんなら・・・
嚴子:・・・そこに福子とバッグが“ある”でしょ?今日は福子が自分がって云ってたから、大丈夫だと思います・・・だから、いま暫くゆっくり寝かせておいてあげて、それで、福子、起きたら、お願い、二人の分、ね、お願いしま~っす・・・でも万万が一ってこともあるかも知れないから、アタシのバッグ、また置いていきます・・・よ、よろしくお願い・・・あ、あ、あ、また、今度は頭が割れるように痛くなってきたわ、ゴメンナサイ、マスター、アタシ、先、帰るから、ヨロちくう~・・・それじゃバイ、バアイ~、おやちゅみい~なちゃい、ちゃい~!!
マスター:・・・鼕鼕=鞺鞳と同じ意味で、もひとつ、「鏜鏜」ってのもあったんだけど・・・云っておけば良かったかなあ?悪いことしちゃったなあ、言いそびれちゃったな・・・ま、いいか、また、今度来た時に云ってみようか・・・それにしても、この福子、ちゃんと、金もってんだろうなあ・・・
(店の外に出た嚴子・・・)
嚴子:さあ、帰ってやるわよお~、また徹夜かもしれないわよお~!でも、こ、今度こそ、今度こそは、アイツの首、獲ったるでえ~!!
<嚴子5:仁義なき戦い~広島死闘篇(後編) -完- >
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・・・重傷を負いながらもなんとか生きのびた嚴子、早くも復活・・・少し寝てからガンバレ、嚴子!・・・以下、続く・・・かも・・・
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<書き問題 解答>
①滔滔 ②蕩蕩または滔滔 ③幢幢 ④曈曈(対象外漢字)*漢検2掲載の「瞳瞳」は誤り。 ⑤鞺鞳・鏜鏜 *ただし「鞺」「鏜」は対象外漢字。
参考:他の国語辞典では「鼕鼕=鞺鞳=鏜鏜(とうとう」となっているものがある。
<文中の書き読み問題 解答>
①側・端・傍 ②爰(か)える・爰(とりか)える ③恍(とぼ)ける ④逸(そ)らす ⑤しるし(当て字) ⑥鼾声
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