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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第10回)です。前回と同程度の難易度と思います。なお、間違っているところやご不明な点などあれば、遠慮なく・・・というか、ぜひお知らせください。歓迎いたします。ただし、問題に対する補足説明は、未着手の他の方の手前、出来かねるかも知れませんが、「何処何処を見れば(調べれば)分かります」という程度のヒントや返事はできるかも知れません。いづれにしろ、なんなりとコメントください👋👋👋
<訂正>(08302156)(四)5.の解答を修正。(八)の7.「緇盧」→「緇廬」に訂正。
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第10回>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.
篥竹で矛をつくる
2.ひと時、
篷廠に舎る
3.管に
簫鬆が生じている
4.飢饉、
薦臻す
5.君子に侍するに
三愆有り
6.牛が、
吽吽と鳴いている
7.
匚は一斗を受ける匚(はこ)なり
8.書を
籀読する
9.
愬愬とおそれびくびくする
10.魴魚
赬尾、王室、燬くが如し
11.隣国を
闡并し領土を広げる
12.
秉籙し天位につく
13.飴で捏ねて作った
餃餌を食す
14.「
粤宛」は婉娩とほぼ同義である
15.魚釣用に
緡綸を購う
16.つかの間の
憖暇を得る
17.
臂臑のあたりが痛い
18.
臑羔を食す
19.妻子まで
孥戮される
20.
膺命し任地に赴く
21.
葭を吹き鳴らす
22.自慢話を
一齣聞かされる
23.鳥の
笊がある
24.
驟、諌める
25.
岸つ岩壁を攀じ登る
26.馬紂とは馬の
紂のことである
27.飢饉が
薦りに起る
28.降り積もって木や枝をたわませる雪を
撓雪という
29.
揩い難い汚点が生じた
30.星宿を
覘って稼穡の時を知る
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.
コケにされる
2.プロ・アマの作品を
ナい交ぜにした展覧会
3.
ヘイゲキを持って宮城を守る
4.
センダンは双葉より芳し
5.それは喜ばしく、
キンコウの至りです
6.年をとると、記憶も色
アせてくる
7.
ノウチュウの錐のような人物だ
8.
ヤエムグラが生い茂っている
9.
ショウシャな家屋が建ち並んでいる
10.
シュビを手に、禅僧が説教する
11.
ナズナ粥を食す
12.悪夢に
ウナされる
13.「晴れと
ケ」とは非日常と日常を表す言葉だ
14.ごみなどの
ジンカイ処理を行う
15.戦乱で
ジンカイに帰した
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.大雪原を
ソリに乗って疾走した
2.
トモ絵とはトモの側面を図案化した文様のことである
3.ヒタキ科の
ツグミはかつては大量に捕獲され食用にされた
4.
ムロアジは開きにして食すが良し
5.
トテも及びもつかない発想だ
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.世を避けて高尚な心で山野に隠棲すること
2.国勢などが甚だしく衰えること
3.谷川。渓谷。
4.その道にすぐれた人。大家。
5.狭い家。転じて、自分の家の謙称。
<語群>
(すいぼう、たいじん、しょくび、けいかん、がとう、きょこう、かろ、こうが)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア( )粉壁 2.イ( )之学 3.ウ( )狗盗 4.エ( )驥尾 5.オ( )虎視
6.カ桃李( ) 7.キ草満( ) 8.ク豪華( ) 9.ケ断鶴( )10.コ粗衣( )
<語群>
(ぞくふ、せいけい、たんえい、きしょう、れいご、そせつ、けんらん、れいしょく、そうよう、りょうじょう)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語からう一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.意気盛んで世に権勢を示すこと
12.国がよく治まっていること
13.平安神宮のような建築。赤い柱に、白い壁、青い瓦を意味するもの。
14.質素で粗末な衣服や食物
15.暗記するだけで理解につとめず、また実践しない学問態度。
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.牙婆 2.珠鶏 3.鬼頭魚 4.大角草 5.御幣焼 6.縮羅 7.甎子苗 8.牛皮凍 9.抽斗 10.青頭菌
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1匯流 ― イ.2匯る
ウ.3鐫戒 ― エ.4鐫める
オ.5榜掠 ― カ.6榜つ
キ.7絮語 ― ク.8絮い
ケ.9黷武 ― コ.10黷す
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.繋留 2.練達 3.慟哭 4.掣肘 5.都邑
<類義語>
6.造詣 7.緇廬 8.箚青 9.濫觴 10.誑惑
<語群>
(まんちゃく、しせい、かいらん、こうしょう、へきすう、けんよ、うんちく、ぼんさつ、ふかん、ふえき)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.焔焔に滅せずんば、
エンエンを如何せん
2.瓶の尽くるは
ライの恥
3.九仞の功を
イッキに虧く
4.包人、包を治めずと雖も、
シシュクは樽俎を越えてこれに代らず
5.
トセイは畝を同じくせず
6.好事を行いて
ゼンテイを問うなかれ
7.良匠も金を削る能わず、
コウヤも木を鑠かす能わず
8.
コウセンの路上老少無し
9.小恐は
ズイズイたり、大恐は縵縵たり
10.
シュクユウの 災い
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「・・・平八郎はかう思ひ続けた。己が自分の材幹と
(1)チグとによつて、吏胥(りしよ=官吏)として成し遂げられるだけの事を成し遂げた上で、身を引いた天保元年は泰平であつた。民の
(2)キュウセキが米作の豊凶に繋つてゐる国では、豊年は泰平である。二年も豊作であつた。三年から気候が不順になつて、四年には東北の洪水のために、天明六七年以来の飢饉になつた。五年に稍常に復しさうに見えるかと思ふと、冬から六年の春に掛けて雨がない。六年には東北に螟虫が出来る。
(ア)海嘯がある。とうとう去年は五月から雨続きで、冬のやうに寒く、秋は大風大水があり、東北を始として全国の不作になつた。己は隠居してから心を著述に専にして、古本大学刮目、洗心洞
(イ)剳記、同附録抄、儒門空虚聚語、孝経
(ウ)彙註の刻本が次第に完成し、剳記を富士山の石室に蔵し、又足代権太夫弘訓の勧によつて、宮崎、林崎の両文庫に納めて、学者としての志をも遂げたのだが、連年の飢饉、
(3)センミンの困窮を、目を塞いで見ずにはをられなかつた。そしてそれに対する町奉行以下諸役人の処置に平かなることが出来なかつた。
(エ)賑恤もする。造酒に制限も加へる。併し民の疾苦は増すばかりで減じはせぬ。殊に去年から与力内山を使つて東町奉行跡部の遣つてゐる為事が気に食はぬ。幕命によつて江戸へ米を
(4)カイソウするのは好い。併し
(オ)些しの米を京都に
(カ)輸ることをも拒んで、細民が大阪へ小買に出ると、捕縛するのは何事だ。
己は王道の大体を学んで、功利の末技を知らぬ。上の驕奢と下の疲弊とがこれまでになつたのを見ては、己にも策の施すべきものが無い。
併し理を以て推せば、これが人世必然の勢だとして旁看するか、町奉行以下諸役人や市中の富豪に進んで救済の法を講ぜさせるか、諸役人を誅し富豪を脅して其私蓄を散ずるかの三つより外あるまい。
己は此不平に甘んじて旁看(ばうかん)してはをられぬ。己は諸役人や富豪が大阪のために謀つてくれようとも信ぜぬ。己はとうとう誅伐と脅迫とによつて事を済さうと思ひ立つた。
(5)ロクダイの財を発するには、無道の商を滅さんではならぬと考へたのだ。・・・」(鴎外・大塩平八郎)
(B)「・・・貞固は津軽家の留守居役所で使つてゐる下役杉浦喜左衛門を遣つて、照を見させた。杉浦は
(6)ロウジツな人物で、貞固が信任してゐたからである。照に逢つて来た杉浦は、盛んに照の美を賞して、其言語其挙止さへいかにもしとやかだと云つた。
結納は取換された。婚礼の当日に、五百は比良野の家に往つて新婦を待ち受けることになつた。貞固と五百とが窓の下に対坐してゐると、新婦の
(キ)轎は門内に
(7)カき入れられた。五百は轎を出る女を見て驚いた。身の丈極て小さく、色は黒く鼻は低い。その上口が尖つて歯が出てゐる。五百は貞固を顧みた。貞固は苦笑をして、「お姉えさん、あれが花よめ御ですぜ」と云つた。
(注)ロウジツ:物事になれていて、しかも誠実なこと(広辞苑)。
・・・貞固は
(ク)叉いてゐた手をほどいて云つた。「お姉えさん御心配をなさいますな。杉浦も悔まぬが好い、わたしは此婚礼をすることに決心しました。お坊主を恐れるのではないが、喧嘩を始めるのは面白くない。それにわたしはもう五十を越してゐる。器量好みをする年でもない」と云つた。・・・
・・・ 浅越一家は主人夫婦と女とで、若党一人を運れてゐた。主人は通称を玄隆と云つて、百八十石六人扶持の表医者である。玄隆は少い時
(8)フギョウセキのために父永寿に勘当せられてゐたが、永寿の歿するに及んで
(ケ)末期養子として後を承け、次で抽斎の門人となり、又抽斎に紹介せられて海保漁村の塾に入つた。天保九年(1838)の生れで、抽斎に従学した安政四年には二十歳であつた。其後渋江氏と親んでゐて、共に江戸を立つた時は三十一歳である。玄隆の妻よしは 二十四歳、女ふくは
(9)トウサイである。
・・・こゝに此一行に加はらうとして許されなかつたものがある。わたくしはこれを記するに当つて、当時の社会が今と殊なることの甚だしきを感ずる。奉公人が臣 僕の関係になつてゐたことは勿論であるが、出入の職人商人も亦情誼が頗る厚かつた。渋江の家に出入する中で、職人には飾屋長八と云ふものがあり、商人には 鮓屋久次郎と云ふものがあつた。長八は渋江氏の江戸を去る時墓木
(10)キョウしてゐたが、久次郎は六十六歳の翁になつて生き
(コ)存へてゐたのである。」(鴎外・渋江抽斎)
(注)トウサイ:数え1歳
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第10回 標準解答>
(一)
1.りつちく 2.ほうしょう 3.しょうそう 4.せんしん 5.さんけん 6.うんうん 7.ほう 8.ちゅうどく 9.さくさく
10.ていび 11.せんぺい 12.へいろく 13.こうじ 14.えつえん 15.びんりん 16.ぎんか 17.ひどう 18.じこう
19.どりく 20.ようめい
21.あしぶえ 22.ひとくさり 23.す 24.しばしば 25.かどだ 26.しりがい 27.しき 28.しおり 29.ぬぐ 30.うかが
(注)2019.4.3修正:設問11の読みを“せんべい(senbei)”から“せんぺい(senpei)”に修正。大字源ほかでも“せんぺい(senpei)”読みだった。
(二)
1.虚仮 2.綯 3.兵戟 4.栴檀 5.欣幸 6.褪 7.囊中・嚢中 8.八重葎 9.瀟洒・瀟灑 10.麈尾 11.薺 12.魘 13.褻 14.塵芥 15燼灰
(三)
1.艝・轌 2.鞆 3.鶫 4.鰘 5.迚
(四)
1.高臥 2.式微 3.渓澗 4.鉅(巨)公 5.蝸廬
(五)
問1
1.ア丹楹 2.イ記誦 3.ウ鼠窃 4.エ蒼蠅 5.オ竜驤 6.カ成蹊 7.キ囹圄8.ク絢爛 9.ケ続鳧 10.コ糲食
問2
11.オ 12.キ 13.ア 14.コ 15.イ
(六)
1.すあい 2.ほろほろちょう 3.しいら 4.いささぐさ 5.おんべやき 6.しじら 7.いぬくぐ 8.へくそかずら 9.ひきだし 10.はつたけ (2015.11.3追記: 5.の「おんべやき(御幣焼)」は熟字・当て字の位置づけではないかもしれません。悪しからずご了承ください。)
(七)
1.かいりゅう 2.めぐ 3.せんかい 4.いまし 5.ぼうりょう 6.むちう 7.じょご 8.くど 9.とくぶ 10.けが
(八)
1.解纜 2.不堪 3.哄笑 4.扶掖 5.僻陬 6.蘊蓄 7.梵刹 8刺青 9.権輿 10.瞞着
(九)
1.炎炎 2.罍 3.一簣 4.尸祝 5.荼薺 6.前程 7.巧冶 8.黄泉 9.惴惴 10.祝融
(十)
1.値遇 2.休戚 3. 4.廻漕 5.鹿台 6.老実 7.舁 8.不行迹(不行跡でも可か) 9.当歳 10.拱
(ア)つなみ (イ)さっき (ウ)いちゅう (エ)しんじゅつ (オ)すこ (カ)おく (キ)かご (ク)こまぬ (ケ)まつご (コ)ながら
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