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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その9」の配信です。奮ってご参加ください(^^)
●今回の難易度・・・
*やや難:(一)音読み、(四)語選択、(五)四字熟語、(八)対義語・類義語
*難 :(九)故事成語 (十)文章題
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その9 >
制限時間 60分以内を厳守のこと
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.
茆簷 つねに掃きて静かにして苔無し
2.渓柴の火は軟らかく
蛮氈は暖かなり
3.
蕨芽は珍にしてやわらかく春蔬を圧す
4.
僻倪より俯瞰する
5.
眩泯により小憩する
6.
蒻席に座し、宴を待つ
7.雲、
羃羃たり
8.
贔逆の臣に弑される
9.浜辺で
蝸螺を採る
10.山川林沢、
四竇に祭る
11.兎は
狗竇より入り雉は梁上より飛ぶ
12.
慊慊として帰らんと思い、故郷を恋わん
13.
桓桓たる将軍の麾下に居る
14.
玉枹を執りて 鳴鼓を撃つ
15.中心
悁悁たり
16.野に
死麕有らば白茅もて之を包む
17.
捩柁を行い船を転ずる
18.虎の尾を履む、
愬愬たり、終り吉なり
19.仏堂に
幢幡が飾られている
20.
嘉峪関に「天下第一雄関」の題額あり
21.
惘れて物も言えない
22.泰然と
惺かな心地でいる
23.
捩摺はネジバナの異称である
24.芹を採ってしばらくここに
襭む
25.猟で鳥を
弋る
26.差し出がましいところがなく、誠に、
齪み深い
27.
霎し、休憩する
28.
膰を供える
29.
羔の肉を食す
30.
桎を嵌められる
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.片っ端から
ナで斬りにする
2.木の
オウゴで荷を担いで行く
3.鰹の
タタきを食す
4.波に
サラわれて溺れそうになった
5.垣の柘植を
センテイしてもらう
6.布を
ハいで手巾つくる
7.
バリ讒謗を浴びせられる
8.
ウスヅいて、山の端も暗くなってきた
9.弓の矢を
ハぐ
10.
ミテグラを神に奉る
11.真理の大海は浩として、
ガイサイなし
12.また天災が起るかと
キクする
13.
キクたる山道を進む
14.谷川の水が
ソウソウと流れる
15.彼だけは一応「鉄中の
ソウソウ」だ
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.
コマイを壁の下地にする
2.
スイ臓に疾患がある
3.
ハタハタ鍋がおいしい季節だ
4.
ハンゾウは湯や水をそそぐ容器で「半挿」とも書く
5.鯣を
ムシって食べる
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.粗末な僧衣
2.他人の言論・所説を攻撃すること
3.高くそびえるいらか
4.墳墓の異称
5.稲・麦などの根に近い関節から枝分かれすること
<語群>
(ぶんげつ、ふんぞうえ、いっぽうど、ぼうげつ、ばくげき、しょうぼう、うんぼう、びゃくえ)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.竹槍( )
2.イ.一樹( )
3.ウ.万邦( )
4.エ.先苦( )
5.オ.衣履( )
6.カ.( )大悟
7.キ.( )馬勃
8.ク.( )補闕
9.ケ.( )万里
10.コ.( )傷枝
<語群>
(ぎゅうしゅう、ほうしょう、せっき、かんねい、しゅうい、ひよう、ひゃっかく、こうてん、へいせん、こうぜん)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.末節にこだわり、本質を台無しにするたとえ
12.国がやすらかに治まっている状態
13.思い定まらないでいるときに一瞬のひらめきから悟りを得ること
14.百姓一揆の事を云う
15.見落としている過失や誤りを見つけて正し補うこと
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.交喙 2.鶏眼草 3.縮羅 4.鉄刀木 5.柳葉菜 6.虎魚 7.顚蕀 8.鐙靼 9.射翳 10.羊駝
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.姚遠 ― 2.姚か
イ.3.倥偬 ― 4.偬しい
ウ.5.羈紲 ― 6.紲ぐ
エ.7.敗衄 ― 8.衄ける
オ.9.駮議 ― 10.駮す
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.昏夕 2.切目縁 3.耄耋 4.自利 5.縫腋
<類義語>
6.便所 7.先君子 8.匹偶 9.昏暁 10.諸侯
<語群>
(こうはい、せんこう、どうかん、けた、くれえん、しょこう、たんぼ、ひゃくへき、かんじょ、けつえき)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.輿人輿を成す、即ち人の富貴ならんことを欲す、匠人棺を成す、即ち人の
ヨウシを欲す・・・
2.輿人輿を成す、即ち人の富貴ならんことを欲す、匠人棺を成す・・・棺を鬻ぐ者は歳の
エキせんことを欲す
3.上、目を用うれば、下、
カンを飾る
4.出でては能く功を勤め、入りては能く
ケンタイす
5.
サイショク定まらず
6.
シカツの計
7.
ダンセツの扇
8.
シンは媒に因らず
9.髪を截り
ヒンを延く
10.
フセイ半日の閑
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹せば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、
(ア)画が出来る。
・・・苦しんだり、怒ったり、騒いだり、泣いたりは人の世につきものだ。余も三十年の間それを仕通して、飽々した。飽飽した上に芝居や小説で同じ刺激を繰り返しては大変だ。余が欲する詩はそんな世間的の人情を鼓舞するようなものではない。俗念を放棄して、しばらくでも塵界を離れた心持ちになれる詩である。いくら傑作でも人情を離れた芝居はない、理非を絶した小説は少かろう。どこまでも世間を出る事が出来ぬのが彼らの特色である。ことに西洋の詩になると、人事が根本になるからいわゆる詩歌の純粋なるものもこの境を解脱する事を知らぬ。どこまでも同情だとか、愛だとか、正義だとか、自由だとか、浮世の
(1)カンコウバにあるものだけで用を弁じている。いくら詩的になっても地面の上を馳けてあるいて、銭の勘定を忘れるひまがない。シェレーが雲雀を聞いて嘆息したのも無理はない。
うれしい事に東洋の詩歌はそこを解脱したのがある。・・・垣の向うに隣りの娘が覗いてる訳でもなければ、南山に親友が奉職している次第でもない。超然と出世間的に利害損得の汗を流し去った心持ちになれる。「独り
(2)ユウコウのうちに坐し、琴を弾じて、
(イ)復、長嘯す、深林人知らず、明月来りて相照らす。」ただ二十字のうちに優に別乾坤を建立している。この乾坤の功徳は「
(ウ)不如帰」や「金色夜叉」の功徳ではない。汽船、汽車、権利、義務、道徳、礼義で疲れ果てた後のちに、すべてを忘却してぐっすり寝込むような功徳である。
(注)カンコウバ:明治・大正時代、多くの商店が組合を作り、一つの建物の中に種々の商品を陳列して販売した所。デパートの発達により衰えた。「カンショウバ」ともいう。
・・・二十世紀に睡眠が必要ならば、二十世紀にこの出世間的の詩味は大切である。惜しい事に今の詩を作る人も、詩を読む人もみんな、西洋人にかぶれているから、わざわざ呑気な
(3)ヘンシュウを泛べてこの桃源に溯るものはないようだ。余は固より詩人を職業にしておらんから、王維や淵明の境界を今の世に布教して広げようと云う心掛けも何もない。ただ自分にはこう云う感興が演芸会よりも舞踏会よりも薬になるように思われる。ファウストよりも、ハムレットよりもありがたく考えられる。こうやって、ただ一人絵の具箱と三脚几を担いで春の山路をのそのそあるくのも全くこれがためである。淵明、王維の詩境を直接に自然から吸収して、すこしの間までも非人情の天地に逍遥したいからの願い。一つの酔興だ。
・・・会話はこれで切れる。飯はようやく了る。膳を引くとき、小女郎が入口の襖を開けたら、中庭の栽え込みを隔てて、向う二階の欄干に銀杏返しが頬杖を突いて、開化した
(4)ヨウリュウ観音のように下を見詰めていた。今朝に引き替えて、はなはだ静かな姿である。俯向(うつむ)いて、瞳の働きが、こちらへ通わないから、相好にかほどな変化を来たしたものであろうか。昔の人は人に存するもの
(5)ボウシより良きはなしと云ったそうだが、なるほど・・・人間のうちで眼ほど活きている道具はない。寂然と倚る
(6)アジランの下から、蝶々が二羽寄りつ離れつ舞い上がる。途端にわが部屋の襖はあいたのである。襖の音に、女は卒然と蝶から眼を余の方に転じた。視線は毒矢のごとく空を貫いて、会釈もなく余が眉間に落ちる。はっと思う間に、小女郎が、またはたと襖を立て切った。あとは至極呑気な春となる
・・・空しき家を、空しく抜ける春風の、抜けて行くは迎える人への義理でもない。拒むものへの面当てでもない。自ずから来りて、自から去る、公平なる宇宙の
(エ)意である。掌に顎を支えたる余の心も、わが住む部屋のごとく空しければ、春風は招かぬに、遠慮もなく行き抜けるであろう。
踏むは地と思えばこそ、裂けはせぬかとの気遣いも起る。戴くは天と知る故に、稲妻の米噛(こめかみ)に震う怖れも出来る。人と争わねば一分が立たぬと浮世が催促するから、火宅の苦は免かれぬ。東西のある乾坤に住んで、利害の綱を渡らねばならぬ身には、事実の恋は讎である。目に見る富は土である。握る名と奪える誉れとは、小賢しき蜂が甘く醸すと見せて、針を棄て去る蜜のごときものであろう。いわゆる楽しみは物に着するより起るが故に、あらゆる苦しみを含む。ただ詩人と画客がかくなるものあって、飽くまでこの待対世界の精華を嚼んで、徹骨徹髄の清きを知る。霞を
(7)サンし、露を
(オ)嚥み、紫を品し、紅を評して、死に至って悔いぬ。彼らの楽は物に着するのではない。同化してその物になるのである。その物になり済ました時に、我を樹立すべき余地は茫々たる大地を極めても見出し得ぬ。自在に泥団(でいだん)を放下して、破笠裏に無限の青嵐を盛る。いたずらにこの境遇を拈出するのは、敢えて市井の銅臭児の鬼嚇して、好んで高く標置するがためではない。ただ
(カ)這裏の福音を述べて、縁ある衆生を
(キ)麾くのみである。有体に云えば詩境と云い、画界と云うも皆人々具足の道である。春秋に指を折り尽して、白頭に
(8)シンギンするの徒とといえども、一生を回顧して、
(9)エツレキの波動を順次に点検し来るとき、かつては微光の臭骸に洩れて、吾れを忘れし、拍手の興を喚び起す事が出来よう。出来ぬと云わば生甲斐のない男である。
心ほうしんと無邪気とは余裕を示す。余裕は画において、詩において、もしくは文章において、必須の条件である。今代芸術の一大
(ク)弊竇は、いわゆる文明の潮流が、いたずらに芸術の士を駆って、拘々(くく)として随処に
(10)アクセクたらしむるにある。裸体画はその好例であろう。都会に芸妓と云うものがある。色を売りて、人に媚びるを商売にしている。彼らは嫖客に対する時、わが容姿のいかに相手の瞳子(ひとみ)に映ずるかを顧慮するのほか、何らの表情をも発揮し得ぬ。年々に見るサロンの目録はこの芸妓に似たる裸体美人を以て充満している。彼らは一秒時も、わが裸体なるを忘るる能わざるのみならず、全身の筋肉をむずつかして、わが裸体なるを観者に示さんと
(ケ)力めている。
今余が面前に娉婷(ひょうてい *原文ルビのまま)と現われたる姿には、一塵もこの俗埃の眼に遮ぎるものを帯びておらぬ。常の人の
(コ)纏える衣装を脱ぎ捨てたる様と云えばすでに人界に堕在する。始めより着るべき服も、振るべき袖も、あるものと知らざる神代の姿を雲のなかに呼び起したるがごとく自然である。・・・」「草枕」(夏目漱石) (注)娉婷(ホウテイ):美人の事
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その9 標準解答>
(一)
1.ぼうえん 2.ばんせん 3.けつが 4.へいげい(漢検2 *城のひめがきのこと) 5.げんべん(漢検2よみ *「げんびん、げんめん」という読みもある。) 6.じゃくせき(*蒻(がまのめ)で編んだむしろ。がまのめのときは「ジャク」音) 7.べきべき 8.ひぎゃく 9.らら 10.しとく 11.くとう 12.けんけん 13.かんかん 14.ぎょくふ 15.えんえん 16.しきん 17.れつだ(*字通のみ「レイダ」 「レツ」音にねじる意あり。「レイ」は“ばち(撥)”の意。) 18.さくさく(*「サク」音の場合、「おそれる、びくびくする」意。) 19.どうばん (仏用語は濁音となる) 20.かよくかん
21.あき 22.しず 23.もじ 24.つまばさ 25.と 26.つつし 27.しば 28.ひもろぎ 29.こひつじ 30.あしかせ
(二)
1.撫(拊・捫) 2.朸 3.叩(敲・扣) 4.攫 5.剪定 6.接 7.罵詈 8.舂 9.矧 10.幣 11.涯際 12.危懼 13.崎嶇 14.淙淙 15.錚錚
(三)
1.榀 2.膵 3.鱩・鰰 4.楾 5.毟・挘
(四)
1.糞掃衣 2.駁撃(駮撃) 3.雲甍 4.一抔土 5.分蘖
(五)
問1
1.蓆旗 2.百穫 3.咸寧 4.後甜 5.弊穿 6.恍然 7.牛溲 8.拾遺 9.鵬霄 10.庇葉
問2
11.コ 12.ウ 13.カ 14.ア 15.ク
(六)
1.いすか 2.やはずそう 3.しじら 4.たがやさん 5あかばな 6.おこぜ 7.くさすぎかずら 8.みずお 9.まぶし 10.ラマ
(七)
1.ようえん 2.はる 3.こうそう 4.せわ 5.きせつ 6.つな 7.はいじく 8.くじ 9.はくぎ・ばくぎ 10.といただ
(八)
1.曙更 2.榑縁 3.童丱 4.化他 5.闕(欠)腋 6.灌所・閑所 7.先考 8.伉配 9.旦暮 10.百辟
(九)
1.夭死 2.疫 3.観 4.献替 5.采色 6.止渇 7.団雪 8.親 9.賓 10.浮生
(十)
(1)勧工場 (2)幽篁 (3)扁舟 (4)楊柳 (5)眸子 (6)亜字欄 (7)餐 (8)呻吟 (9)閲歴 (10)齷齪
(ア)え (イ)また (ウ)ほととぎす (エ)こころ (オ)の (カ)しゃり (キ)さしまね (ク)へいとう (ケ)つと (コ)まと
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