もう2ヶ月も前ですが、KLX125を購入してから1年と1ヶ月半で走行距離が1万キロを超えました。
日常の下駄として、またマッタリツーリングの友として、これからも楽しめそうな感じです。
さて、とりあえず1年1万キロをKLX125で走行しての総括。
まずは一番気になる燃費の推移。
タダでさえ馬力が無いのに燃費はどーなのよって人が多いのですが、至って普通です。
無茶苦茶良い訳でも悪いわけでもありません。乗り方によっては馬力規制前の4st 250ccのオフロードバイクの方が良かったりするかもしれません。
体重80kg弱の成人男性が乗った場合の一つのサンプルが上の表です。
燃費の変化はタイヤやその他のフリクションロスが大きな原因かと考えていたのですが、あまり関係無いようです。あったとしても普段から適当な整備をしていれば、微々たる差ですね。
燃費を大きく変える要因は走り方と気温だと推察されます。走り方は低いギヤを多用すれば当然燃費が悪くなるわけで…気温については、Fast&Firstさんのところで解説(link1 link2 link3)されていますので、そちらを参照していただければと思います。(F&Fさんのサイトは読み物サイトなのですが、筆者様がその時に興味を持った事に対して実験を伴った検証を行っているので、いつも参考にさせて頂いています)。
とりあえず、1年1万キロ分のデータが取れましたので、燃費の記録は終了。
車体に関して大きなトラブルはありませんが、いくつか気になった点。
1.リヤサスペンションのリンクのスリーブベアリング固着
これはKLX125について書いている個人のブログを拝見させて頂いていても、ほぼ全員が経験している事象です。 今回1万キロ走行したので、分解点検してみたのですが、約5000km走行時に塗布したグリスは残っていました。 ということは、最初の組み付け時のグリスアップが不適切だったという事だと思います。今は改善されているのかな?
2.チェーンの鳴り
これは最初に付いているチェーンローラーが回らず、固定されている事に起因します。チェーンローラーというよりもチェーンテンショナーと名前を変えるべきですね。回ってないんだし。 DRCの小さい方のチェーンローラーに交換する事で改善されます。 現在新車で販売されている個体も改善されている様子はありませんので、気になる人は最初から交換する事をオススメします。
3.マフラーを固定するボルトの脱落
まぁそれなりに振動が発生する場所ですので、脱落の可能性は十分にありますが、分かってるなら最初からスプリングワッシャーぐらい使ってくれればいいのにと思うわけで…
4.冬場の暖機運転の回転数上昇
夏場は3000回転以下で落ち着くのですが、冬場は4000回転を超えます。排ガス規制で触媒の温度を早めに上げる為の処置なのかな? 早朝深夜だと五月蠅いので近所迷惑だし、何とかして欲しいですね。これは。
5.ハンドル
私は予めハンドルブレースを追加していたので、転倒してもハンドルが曲がってしまうような事は無かったのですが、ノーマルのままだと、簡単に曲がってしまうそうです。
また、スロットルボディーが樹脂でできているのですが、グリップと強力に接着されており、右に転倒するとグリップが裂けて、それに伴ってスロットルボディーが割れます。
ずっとオンロードバイクばっかり乗っていて、グリップエンドがある車種ばかりだったので、これには個人的にはビックリしました。
7.ステップ
オフロードブーツや底の分厚い靴を使う場合はステップのゴムを外した方が乗りやすいでしょう。
普通の靴やオンロード用のライディングシューズで乗る場合は、ゴムは付けたままの方が走りやすいです。 シフトペダルの高さを変えて調整してもいいのですが、そこは好みの問題で。
一時期ワイドステップが欲しかったのですが、今はあまり欲しいと思わなくなりました。ステップに立って乗るならワイドステップが良いと思うのですが、そんな激しい乗り方って滅多にしないんですよね。
8.イグニッションキー
雨に濡れたまま放置してると、動きがとんでもなく渋くなります。無理して回すと鍵がショボイので、曲がったり折れたりしかねません。油を挿せば復活しますが、キーもベタベタになってしまいますので、フッ素系樹脂入りのシリコンオイルを使うのがベターかも。
9.グローブベルト
何のために付いてるのかと常々思っているのですが、取り付け位置が悪いです。
小柄な人なら気にならないかもしれませんが、すこし大柄な人が乗ると、確実に着座位置にに此奴が有ることになります。 長時間乗ってると、このベルトがお尻を圧迫して痛くなるので、早々に取り外してしまいました。
タンデムするにしても、こんなベルトに頼るのは危険ですし、要らないと思うんですけどねぇ。
消耗品
1.タイヤ
サイズが特殊なので、国内で入手可能な公道走行可能タイヤはダンロップのD605一択。公道走行不可なタイヤがあと数種類あるだけです。
入手し難いタイヤではKENDAのK760が公道走行可能なタイヤですが、値段と寿命と性能のバランスから、現実的にはやはりD605でしょう。
D605のライフは後輪6800km、前輪7500km程度。 乗車する人の体重や走り方、走行シーンで寿命が大きく変わりますが、それでもブロックタイヤとしては寿命が長いタイヤだと思います。 ちょっとした林道をトレッキングする程度なら問題ないタイヤですが、スノーやマッドは全く走れないタイヤです。
ちなみにK760はまだ使用中ですが、1500kmほど走った時点で、すでに結構減ってます。MXタイヤのパターンに近いブロックタイヤですし仕方がないですね。オフロードを走るタイヤとしての寿命は2000km強かな。舗装路で使うなら3000km以上は保ちそうですが、こればかりは使い切るまでは分かりません。
2.チェーン・スプロケット
ノンシールチェーンですが、ちゃんと掃除して注油してやれば、KLX125が非力なので1万キロ走っても、まだ十分に使用可能です。 スプロケも同様。交換する際は3点同時交換かな。 予備は買ってあるのですが、未だ出番無し。
3.ブレーキパッド
私の走り方だとフロントの消耗が激しいです。初めから付いてたノーマルのパッドは 7800kmで交換。
カーボンロレーヌのエコノミーパッドにしたのですが、これはあまりオススメできません。まず鳴きが激しい。1000km以上走って、ようやく鳴きが治まってきたかと思ったら、また鳴き始めたり…
あとブレーキディスクへの攻撃性が半端無いです。 交換する前は殆ど減ってなかったディスクが、今は3mm以下まで減ってしまいました。
1万キロ走行時で既に3mmちょい(マイクロメーターじゃないのはご愛嬌(苦笑) 出すのが面倒くさくて…)。2200km走った程度で相当削った形になります。写真の通り、段付きが酷い。
ブレーキディスクの使用限度が3mmなので、今度パッドを交換する際にはディスクも交換しなければなりません。そう考えるとコスパは最悪です。
ちなみに今日現在、フロントの純正ブレーキディスク(41080-0174)は7770円。純正ブレーキパッド(43082-0100)は2100円です。
リヤのブレーキパッドは1万キロ以上走行した今でもあまり減っていません。このペースだと3万キロぐらい使えそうな感じです。予備は買ってるんですけどねぇ…
4.オイル
当初の計画通り下駄代わりに使ってるので、オイルの性能には拘っていません。粘度もかなり適当です。ただし空冷125ccでオイル量も1リッターと少ないので、2000kmに一回程度の頻度で交換しています。
オイルにもよりますが、それぐらいの距離で少しずつですが、ギヤの入りが渋くなってくる感じがするんですよね。 オイルを交換するとスムーズになるから、ミッション回りはオイルの状態に敏感なのかもしれません。
走行性能に関しては腕次第。
車の流れをリードする程の馬力はありませんが、無改造のノンターボ軽自動車の全力加速と同程度の加速は期待できるかもしれません。
平坦路ではメーター読みで100km/h出ません。下り坂なら出ますが…エンジン回転数はレブリミットを超えてしまいます。
サスペンションは思いっきりジャンプしたりする車種ではないので、必要にして十分な動きです。
コースを走ったりする人はフロントサスペンションのスプリングはDRCの硬めのに交換したりオイル粘度を上げたりしているようです。リヤサスペンションはイニシャルを上げるだけで対応できるような感じなのかな。
車体との剛性に不満はありません。 フルサイズじゃないし、シート高もそれほど高くないので両足べったりです。 私程度の身長なら跨ったまま地面に立つと、シートからお尻が浮くので、完全に抜重した状態で進行できたりします。
ウィリーは実力不足で出来ません。非力なバイクでウィリーって難しい。ウィリーまではいかなくても、フロントアップぐらいは出来た方が走り方の幅が広がると思うんですけどねぇ。
以上、オフロード素人がKLX125を1万キロ乗った所感でした。状況が変わればまた何か新しい発見があるかもしれません。