ヴィクトリア・サンドイッチ
前回の「産業革命期のイギリスのパン」でベーキングパウダーの話をしましたが、ベーキングパウダーが使われ出した19世紀に誕生したイギリスのお菓子に「ヴィクトリア・サンドイッチ(ヴィクトリア・スポンジケーキ)」があります。
このケーキは、同じ量の小麦粉(ベーキングパウダー入り)と卵、砂糖、バターで作った生地を焼き上げて作ります。
下のケーキは一枚のケーキを上下に切り分けて、間にラズベリージャムを塗っていますが、別々に焼いた2枚のケーキでラズベリージャムをはさむのが本当の作り方です。上から粉砂糖をふって出来上がりです。サクサクふわふわとした感じのとても美味しいケーキです。
ヴィクトリア・サンドイッチ
このケーキの名前の「ヴィクトリア」は当時のイギリス女王だったヴィクトリア(在位:1837~1901年)から付けられました。
彼女は1861年に最愛の夫のアルバートを亡くし、毎日悲しみに沈んでいました。その時に、ほんの少しだけ悲しみを和らげたのが、このヴィクトリア・サンドイッチだと言われています。
このケーキもイギリスのアフタヌーン・ティーの定番となっています。