Sketch of the Day

This is Takeshi Kinoshita's weblog.

韓国出張報告

2005-09-15 | East Asia
Tuesday, Sept.6, 2005
*台風でプサン便欠航/ソウルへ
・韓国南部のG地区・P地区・S地域の観光地計画プロジェクトのため渡韓。成田で未来風景舎のC野君と合流するが、台風接近のためプサン(釜山)便が欠航。急遽予約を変更してソウルに向かう。ソウルはよい天気だった。
・今回のプロジェクト(観光地計画)の元請け、D社を訪問し、プロジェクトの概要について説明を受け、諸々の打ち合わせを行う。D社はソウルをベースに全国的に活動を展開している観光(地)計画専門という珍しいコンサルタント会社。日本同様、韓国でも観光立国は重要な政策課題になっていて、しかもかなりのお金が付いている模様。ソウル泊。

Wednesday, Sept.7, 2005
*P地区視察
・午前4時起床(←勘弁してよ)。ソウル駅で元請けのD社およびH社メンバー、K大学のK教授らと合流し、6時発のKTX(新幹線)でプサンへ。快適そのもの。やや振動が気になるけど、常時250~290km/h出ている。車中で爆睡。
・P地区の区域庁にて意見交換。終了後、対象地を見学。広大な干潟を埋め立てての港湾及び都市開発計画。とんでもなくでかい。
・見学終了後、韓国観光公社のP氏及びアメリカ人のM氏らと合流、昼食を挟んで区域庁に戻り、庁長らを交え、さらに詳細の打ち合わせ。韓国の公共事業の進め方の「感触」というものがなんとなく理解できた。加えて、日本ではほとんど見られなくなったじつに高飛車な役人(むろんいまや韓国でも少数派)にも遭遇。コンサルタントを見下す様子がありありと伺える反面、何のポリシーもない日本の役人と比べて実に行政としての、あるいはクライアントとしての立場をわきまえたプロフェッショナルのようにも見える。しかし、僕としては、ああいう態度というのはpublic servantとして早晩見直しを迫られると思う。行政として明確なポリシーを持つこととあのような高飛車な態度というのはあきらかに区別して考えるべき問題だ。マイクロバスでモッポ(木浦)に移動。到着は深夜。モッポ泊。

Thursday, Sept.8, 2005
*S地域視察1日目
・朝食後、ホテルのバンケットルームで打ち合わせ。S郡庁のP氏らからプロジェクトの概要説明を受け、意見交換を行う。この,S郡庁の役人は、昨日の役人とはうってかわって、じつに温厚かつ生真面目で、地域への愛に満ちあふれた様子で好感が持てた。こういう人とは仕事がしやすい。
・打ち合わせ終了後、韓国海洋レジャー協会職員らと合流し、ホテル前の桟橋から行政船に乗ってS地域の島々を視察。彼ら(ヨットマン)の持参した、とんでもない解像度を誇る有料版Google Earthと海図及びGPSとにらめっこしながら(ほとんど遊び)の楽しい船旅。

Friday, Sept.9, 2005
*S地域視察2日目
・午前5時起床(←だから勘弁してって)。快速船でH島へ。島全域が国立公園区域に指定されている。船内で爆睡。再び郡庁の役人の案内で集落地区2ヶ所と島周辺を船と徒歩で視察。ほとんど平場がないため、集落は谷間と斜面に張り付くように2ヶ所あるのみ。自動車もなく移動は徒歩か船のみのまさに絶海の孤島。文字通り取り付く島なし。集落全体をまるごと建て替えて修景整備を行い、景観コントロールのための数々の規制を施行するというすごいプロジェクトが進行中。それだけでもすごいことだが、驚くべきことに反対運動も全く起きないという。信じがたい話だ。
・H島からF島へ移動。ここも全域が国立公園区域。港に到着後すぐにマイクロバスに乗り換え、要所を視察しながら全島を一周。島の至る所に、白砂青松のパーフェクト・ビーチがひっそりとたたずんでいる。楽園そのもの。韓国にもこんな所があるのだ。F島泊。

Saturday, Sept.10, 2005
*本土に戻る
・朝食後、海洋図書館を見学。快速船でモッポに帰還。船内で観光開発の方向性について打ち合わせ。さすがに韓国語と英語と日本語が飛び交うミーティングにはつかれた。
・モッポのホテルで昼食をとりながら、D社のPさんと最終打ち合わせ。打ち合わせ終了後、列車でテジョン(大田)へ、テジョンでPさんと別れ、C野君と妻と僕の3人はKTXに乗り換えてデグ(大邱)へ。妻の実家に泊まる。

Sunday, Sept.11, 2005
*大邱(デグ)での休日
・未来風景舎のC野君は一足先に帰国。妻と僕は久々のデグでの休日を楽しむ。妻と義父母と水入らずで行きつけのデパートへ。僕は愛用の腕時計を修理した。日本の時計屋に持っていったら、修理に最低2ヶ月、代金は3~5万円と言われた。ところが、韓国ではたったの2時間でしかも2万円でやってくれた。その他、ジャケットと靴を新調。同じ品質のものが、あきらか日本より安く手に入る。
・1週間ぶりにウェブ・メイルをチェック。急を要する幾つかのメイルに返事を出す。

Monday, Sept.12, 2005
*G地区視察
・当初渡韓初日に行くつもりだったG地区へ。デグからはクルマで2時間程度。ジープに乗ってD社社長直々の案内により視察。
・U市で職員の説明を受け、昼食をとりながら意見交換。役所で資料収集。とりたてて観光資源に恵まれた町ではないのだが、観光客向けのフリーのパンフやマップ類が実に充実している。ホテルのフロントや高速道路のインフォメーションなどに常備されていて、内容もよくできている。あきらかに日本の上を行っているとみた。視察後、再びデグの妻の実家に戻る。これで今回の出張のすべての日程を消化したことになる。あとは明日帰国するだけだ。

Tuesday, Sept.13, 2005
*帰国
トンデグ(東大邱)駅からムグンファ(ムクゲ)*号に乗ってクポ(亀浦)駅で下車。ここからタクシーでプサンのキメ(金海)国際空港へ。クポ駅からナクトンガン(洛東江)を越えて直ぐのところに、古い日本家屋を発見した。しかもまだ現役で使われていた。旧日本帝国が建設したナクトンガンにかかる橋梁は解体工事が進んでいた。*ムクゲは韓国の国花。