Sketch of the Day

This is Takeshi Kinoshita's weblog.

ESDPとイギリス

2006-01-10 | Media
■ TOWN & COUNTRY PLANning, November 2005, Vol. 74 No. 11
・Fundamental Questions for the ESDP, by Peter Hall, p.330-331 ピーター・ホールは、ESDPについて、フランスの計画概念を欧州のスケールに拡大したものであり(かつて1969年代にフランスのプランナーが、パリの一極集中をできうるかぎり避け、地方都市の内部や周囲にcounter-magnetを創出したのと同じことが1980年代の欧州で行われた)、大きな二重の問題を抱えているという。一つに、当のフランス自体でうまくいかなかったように、地域レベルにおいてESDPは決して完全には機能しないであろうということ。二つには、フランスの産業力が保たれている限りにおいて申し合わせた決定に到達しうる能力を持ち得たであろうということ。言うまでもなくそれはグローバリゼーションによって終焉した。----欧州レベルでの多核心化(polycentricity)は、皮肉にも国家レベルでの極端な単核心化(monocentricity)を推し進める。----問題は、どの程度の、どのような介入が必要かということであるが、つまるところそれは政治の問題である。----
・Going European with sustainable communities, by Liz Mills, p.334-335
■ 司馬遼太郎『土地と日本人 対談集 改版』中公文庫,1996 再読
■ 「世界」1月号,No. 747,岩波書店,2006 特集「東アジア共同体」-未来への構想
■ 池橋 宏『稲作の起源 イネ学から考古学への挑戦』講談社メチエ,2005
■ 小林 茂・杉浦芳夫『人文地理学』放送大学教材,2004

東アジアの空間計画に向けて

2006-01-06 | Japan
Tuesday, Jan.3, 2006
■ 仕事始め
3日提出の書類準備のため、新年早々研究室に行く。結局、暗くなるまで仕事をする羽目に。
■ 昨年下期の論文・報告等業績
S.N.R. Irwan, Y. Tashiro, T. Kinoshita, Study on Green Space Effect to Human Thermal Comfort: Case Study of Jakarta, Indonesia and Chiba, Japan, The 41st IFLA World Congress Proceedings, 651-662, 2005.9 (English paper)

Dai Fei, Takeshi Kinoshita, Yoritaka Tashiro, Historical Study on Modernizing Process of Park and Open Space Planning in Chinese City: A case study of Wuhan city, Proceedings of International Symposium on Urban Planning 2005, 37-49, 2005.10. (English paper) 中国武漢市の公園緑地計画・事業の歴史的展開過程について,政治体制や海外の計画理論の影響,公園緑地に期待される空間機能等の視点からみて,5期に渡って段階的に発展してきたことを明らかにしました。

景観を育てる制度の現場での運用-研究・行政・産業の立場から-,企画:学術委員会,宮城俊作,深尾甚一郎,高山英夫,森口俊宏,本中 眞,玉井済夫,神吉紀世子,出来正典,木下 剛,ランドスケープ研究,69(2),154-162,2005.10.

コラボレーションと造園技術者の役割,企画:ランドスケープ技術研究委員会(藤井英二郎,内田 均,近江慶光,梅森雄治,大石武朗,加藤 修,木下 剛,小林 章,佐藤岳三,高橋一輔,西 秀甫,中村克己,福成敬三,村岡賢二,松田武彦,山下得男,涌井史郎,ランドスケープ研究,69(2),171-178,2005.10.

Kyungrock YE, Jun-fua ZHANG, Takeshi KINOSHITA, Xing-yan WANG, Spatial Planning System of National Territory in Japan, China and Korea, Journal of Landscape Architecture in Asia, Vol. 1, 113-118, 2005.11. (English paper) 東アジアの空間計画の可能性を視野に入れて,日本と中国、韓国の主要な空間系諸計画を整理し,それぞれの計画の役割と相互の関連性について検証しました。

Wednesday, Jan.4, 2006
■ 博士課程のDさん、Fさんの論文チェック
日本造園学会に投稿中の外国人留学生の研究発表論文をチェック。いずれも英文ペーパーなのでたいへん。時間が倍以上かかる。もっと早く読めるようになりたいものである。締切はあさって。。。

Thursday, Jan.5, 2006
■ 東アジア・ランドスケープ研究会
東大農学部にて、兵庫県大のサイトーさん、ヒラタさん、イチノセさんとツマとボクで、研究及び出版計画について打合せ。研究の骨格が定まった。
■ 会議終了後、ツマとともに神保町に出て、南洋堂で「10+1」(INAX出版)のバックナンバー(No.37 先行デザイン宣言特集号,2004)を入手。内容はすでにチェック済みなんだけど、手元に常備しておきたいので購入を決意。イシカワさんもご推薦だし、月末締切の同誌原稿書きのためにも改めて目を通しておきたいし。。。帰り道、北千住の東急ハンズに立ち寄り、PCバッグを購入。ツマは髪染めのヘナをゲット!!

Friday, Jan.6, 2006
■ 日本造園学会関東支部の幹事の委嘱状が届く
■ 午前中、修士2年のホリオくん、オーさんの修論打合せ。
■ 昼休み、修士1年のヤマネくんと受託研究の調査打合せ。
■ 携帯が鳴り、今日中に仕上げなければならない飛び込みの仕事が入る。午後4時頃までかかって片づける。午後は四谷で打合せの予定であったが、電話を入れて、時間を遅らせてもらう。
■ 「10+1」 原稿打合せ@メディア・デザイン研究所
イシカワさんにお声がけいただいた、3月刊行予定の標記雑誌所収予定の原稿内容について打合せ。おみやげに「10+1」のバックナンバーを2冊(No.39 生きられる東京特集号、No.41 実験住宅特集号)もいただいた。ありがとうございます。でも、こんなことなら、きのう「37号」買うんじゃなかった!?
■ 帰り道、松戸駅前の良文堂でさらに以下の2冊を衝動買い。
・八幡和郎『アメリカもアジアも欧州に敵わない-「脱米入欧」のススメ』祥伝社新書030、2005 (この手の問いかけ調のタイトルの書物はたいてい???なんだけど、とりあえず)
・菅豊『川は誰のものか 人と環境の民俗学』吉川弘文館歴史文化ライブラリー205、2006 (公物としての川に民俗学の視点から切り込んだ硬派な研究書とみた)

もう実家に仕事を持ち帰るのはやめよう

2006-01-03 | Japan
静岡より戻りました。本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年は、28日にボクの第二のふるさと、横浜に立ち寄り、一泊してから29日に実家の静岡に帰省。お昼に16号バイパスに乗り、横浜町田ICから渋滞もなく夕方には清水ICに到着。天気もよく、快適なクルージングが楽したな。夜、息子が扁桃腺を腫らし発熱。

30日は母と共に暮の買い物。父の書棚に『英国産業革命史』という古い書籍を見つけ、そのなかの「農業改革」という章をペラペラと繰る。続いて司馬遼の『明治という国家』。それにしても昨年は農地論にはまった。たぶん今年も抜け出せないと思う。その他、『静岡の昭和史』『静岡地名事典』等々。

31日、清水の祖父母宅を訪れ、諸事を済ます。弟から、コレクションのマグカップ(オールド・パイレックス)をもらう。ホントはファイアーキングのオールド・マグが欲しかったんだけど。。NHK「ゆく年くる年」を見ながら、こーゆー番組が視聴率50%をとるような社会(←無理)を夢見て初眠りにつく。

元旦。雑煮を食らって、再び祖父母宅を訪問。ああ、年末年始のTVプログラムの低劣さよ。他国のそれと比べてみよ。愚民化政策かと見まごうばかり。。。知的であれと言ってるんじゃなくて、なんと言うか、もうちょっと優美で格好良くあってほしいと言うか。。。恒例の草薙神社初詣。

2日。帰省ラッシュが既に始まっていた。今日は中井のSAで昼食を済ませてから、渋滞を避けて横浜町田ICで東名を降り、保土ヶ谷バイパスを経て横浜に出、湾岸線で葛西方面から中央環状線に入るルートをとった。大きな渋滞もなく、正解だった。それにしても高速道路というのは路線によって様々な「地域性」や「時代性」が見られて面白い。東名は古い高速だけあって、さすがに「優雅」だ。16号バイパスは、切り通しの嵐。首都高速狩場線は、井戸の底のようなゴルジュの中をクネクネと突き進む感覚。横浜のヒダの多い地形が手にとるようにわかる。阪東橋あたりから一気に視界が開け、湾岸線へ。ここからは完全に「海」の方位感覚。中央環状線は「川」の線形を意識せざるを得ない等々。高速というのは、無理なカーヴやアップダウンがきかない分、逆にその土地の相貌をネガティブにあぶり出すセンサーのようなものなのだ。そういう意識で走れば、じつに面白い地貌体験をさせてくれるというわけだ。

年末年始の教訓。「実家に仕事を持ち帰るのはやめよう」(←仕事する時間なんて絶対ない)。これ、1年経つと忘れちゃうのね。毎年同じことの繰り返し。今年は日記に書いて忘れないようにしよう。