69年前の夏の記憶 ⑧
敵性用語禁止、野球にならない
「米英と戦争しているのだから、英語はすべて使用禁止」警視庁公安課からの通達です。軍国少年ではありましたが、一方で、田んぼで三角ベースの熱狂的な野球少年でもありました。
ストライク=「よーし1本」 ボール=「だめ」 セーフ=「安全」 アウト=「無為」 「ファール」=「圏外」 タイム=「停止」 という始末で野球にならなくなりました。
バットやグローブ、キャッチャーミットは、なんと云ったか覚えていません。
笑ってしまうものもあります。
ラグビー=「闘球」 スキー=「雪滑」 スケート=「氷滑」 動物、植物、音楽や芸名も、カタカナ語は使えないばかりか、英語の授業も成り立たなくなりました。
英語が使えなければ、休戦交渉も不可能ですし、停戦交渉も成り立ちません。
これが「戦争」というものです。
今日は終戦記念日。甲子園球場では「ストライク」「ボール」のコールも明るく力強く響きわたり、高校球児たちが全力で駆け回っています。