新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

新しいツールで活路

2007-12-27 11:12:38 | 医学検査の下請け問題

        新ツール「機器・試薬リースシステム」(1)

 検査機器・試薬メーカーそれぞれ、ブランチラボ・FMSから脱出して、自主運営の検査室を目指して、新しい商品の開発がすすみ、提案と販売促進が活発に行われています。

 自分の病院に合った選択肢が増えたことは、好ましいことで、出揃った3つのツールのシステムを紹介していきます。

  各社によって多少の相違はありますが、商品の中味と販売方式は、およそ次のような仕組みになっています。

 1、病院と検査薬卸業者と販売契約を結ぶ。

 2、提供する機器・試薬は、病院の希望をリストアップして決める。

 3、検査薬卸業者は、メーカー各社と共同して機器を提供する。

 4、契約期間は5年、契約内容は1年ごとに見直す。

 5、試薬は通常購入

 6、機器使用料は、卸業者に支払う。

 病院側の利点としては、高額検査機器の初期投資がほとんどかからない。

 試薬代を見直し、効率的に運用することで、機器の使用料を捻出する仕組みです。

 これらはすべて、公正競争規約等、独禁法のコンプライアンスをクリヤーしています。

 そのために、ブランチラボやFMSと違って、検体検査管理加算が請求できることで、病院の経済運営にも大きな貢献ができる、ここは最大のメリットと云えましょうか。(続)


FMSの、どこが問題か?

2007-12-20 10:09:49 | インポート

          FMSを検証する(2)

 同一企業系列、あるいは地域の機関病院と称される大病院との契約では、受託業者としても、FMSの広告塔病院としてのメリットを考慮して、かなり無理をして受注します。

 病院側の無理難題の要求がが通ることで、「FMSのどこが悪い」と反発する例が少なくありません。しかし、多くの中小病院のFMSでは、FMSが稼動してから、様々な欠陥に気がついたり、目をつぶってしまいます。

1、検体検査管理加算が請求できない。

2、検体検査管理加算が請求できるような、手の込んだ偽装工作が行われるようになる。

3、導入するシステム、機器、試薬、検査法、基準値などの   変更に制限が加わり、業者の言い成りにならざるを得ない羽目になる。

4、一定の出来高がないと、病院側に不利な契約を強いられる。

5、業者任せになって、病院技師の専門性や主体性が希薄になり、コスト意識もなくなる。

6、受託業者にとって、マネージメント最大の狙いは、利益追求のために、最初に人件費の削減ありきで、病院技師の再配置や出向、検査センターへの転勤などの要求が多くなる。

7、契約毎に業者側からの圧力が加わり、病院自前の検査室を取戻すのは、いっそう困難になる。 


FMSのどこが問題か?

2007-12-15 10:11:22 | 医学検査の下請け問題

           FMSを検証する(1)

             真の狙いは、病院技師の削減!

 FMS(Facility Management Service)簡易的、便宜的な方法で経営方針の役務を提供する商品、とでもいいましょうか。

 検査業者が、検査機器や試薬を一括提供、病院側がスペースを提供し、検査実施料に応じて診療報酬を比例配分、あるいは、検査項目・件数による契約単価に応じて、病院から業者に支払する方式で、1970年代後半頃から試薬メーカーによって始まりました。

 ブランチと違う点は、病院技師が運営する点にありますが、今まで見てきた多くの例では、業者側の「固定方式」の押し付けが強く、病院側の意向は通り難いのが現状でした。

 しかし、なかには大学病院など、有名な大病院では、業者側も「損しても得取れ」と、無理して契約し、なかには「FMSの広告塔です」と言い放った営業マンもいました。

 契約交渉の進め方は、「力関係」によって左右される傾向が強いといえます。

 とりわけ、人件費を浮かせることが最優先課題で、初めから余剰人員を弾きだす無理により、その再配分をめぐって、違法な在籍出向や偽装派遣ともいえる配置転換が発生、「こんなはずではなかった」と、苦慮する病院検査室は少なくありません。(続)

 


ブランチラボ、ここが問題

2007-12-11 09:17:11 | 医学検査の下請け問題

       ブランチ120病院・実地見聞の結論

              ブランチ現場からの怒りの声が!

 1、検体検査業務が「請負」になるため、病院の指揮・命令権の及ばない、特異な検査室となる。

 2、ブランチ技師に対する病院側の違法な要求(指示・指揮・命令)が次第に多くなり、派遣法違反・偽装の請負が横行している。

 3、病院技師とブランチ技師との連携・意思疎通が機能しにくくなり、業務上の支障が多い。

 4、業務の質の低下をもたらし、チーム医療に弊害が生じる。

 5、検査過誤の責任の所在が曖昧になり、過誤の隠蔽工作が多発している。

 6、ブランチ技師の多くは、賃金・労働条件・専門性発揮などに不満を抱き、定着しない傾向が強く、継続性が乏しい。

 7、ブランチ技師は、病院勤務の経験のない技師が多く、検査センターの教育指導もなされないため、臨機応変の対応が困難になっている。

 8、休日・夜間の緊急検査に対する、組み入れに問題が多く、ブランチ技師に、違法な当直まで横行している。

 9、請負いなるがゆえに、検体検査管理加算が請求できないために、影で不正な請求が公然と行われている。

 10、一旦、ブランチを導入したら、なかなか抜け出せなくなり、巨額な初期投資に頓挫し、自主運営の検査室再構築が困難になる。

 11、臨地実習病院として「不適」となり、学生の受け入れができない。

 12、ブランチ技師からの、内密の訴えや相談、怒りの声が多く寄せられ、業者の利益にはなっても、患者や病院のためにはならない、「やめるべき制度」との声が上がっている。

 ★職場の実態を収集しています。施設名や本人につながるプロパティーは一切、秘匿されますので、G-mailで、実態を知らせてください。

 


ブランチ・FMS対抗ツールが、・・。

2007-12-08 10:02:13 | 医学検査の下請け問題

        Photo ブランチ・FMSに対抗するツール 

      メーカー・卸業界が次々と参入!

 ブランチ・FMSの弊害、とくにブランチラボについては、検査センター自身も、「回避したい」「採用すべきではない」と、公言していることは、先刻、お伝えしたとおりです。

 それではブランチ・FMSに代わるツールは?

 試薬メーカーを中心に、卸業者も含め、様々なツールが、次々に市場に出されてきました。

 次回は、医療にとって、徹底的にブランチ・FMSの、どこが問題なのかを総括して、臨床検査技師としての専門性を発揮しながら、主体性を失うことなく、自主運営検査室構築に、有効とされるツールに評価を加えながら、紹介したいと準備しています。