新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

  83歳の同級生が、私小説「榛名は夕焼け」発刊

2015-01-02 13:16:59 | 日記

 

           語り継ぐ戦争の記憶など6編

 彼は生まれつきの難聴者でした。小中校と、ほとんどの同級生はそのことを知らなかった。

 彼もまた、話すことはなかった。教師の声は届かなかった。戦争、空爆、前橋の自宅は消失、貧困、極度な食糧難、しかし、一大決心をして旧制中学から上京。印刷屋職人から進駐軍の日雇い労役などで糊口をしのいだ。めげなかった。だから決してが暗い青年期の物語ではなかった。出逢った人々の何と大らかで、ユウモラスで、それぞれが個性豊かで、愛すべき人たちが描かれていて、次のページに進みたくなる。

 東大を目指して見事合格、文字通りの苦学であった。マスコミの要職につての傍ら、難聴者の多いことに啓発されて、難聴者の全国組織をたちあげ、著書また多い。「べーとヴェンのみみ」「本当は聞こえていた、べートーヴェベンの耳」など。 

 丸山一保・ペンネーム・江時 久 群馬県渋川市出身  発行・文芸春秋企画出版部 発売・文芸春秋