新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

専門職の偽装労働の数々

2007-08-24 13:15:44 | 臨床検査技師の業務

         無資格者の医行為、ごり押し!(2)

 臨床検査技師の国家資格をもって、生理学的検査を担当していた検査技師の退職に伴う後補充に、無資格者を、非常勤技師として採用して、この業務にあたらせる。

 この手の管理者で、とくに医師の場合、これが誤りで、関係法規に違反する行為であることを理解させるのは、なかなか一筋縄ではいきません。

 非常勤職員ならば低賃金で、いつでも解雇できる使い勝手のよさに加えて、生理学的検査が、『医行為』であることを、全く理解しようとしません。

 いろいろの法律条文や諸規定、監督官庁の通知や通達を示して、『医行為』であることと、『医行為』を『業』として行うことは、医師法第17条の「医師でなければ医業をしてはならない。」を基にしていることを進言しても、認めようとはしません。

 衛生検査技師法から、臨床検査技師の国家資格に法改正する施行にあたって、1970年、旧厚生省医務局長通知は、「生理学的検査は他の検査と異なり、人体自身を検体とするものであって、法律上、学問上医行為の範疇に属するものであること、・・・・。」

 さらに「臨床検査技師が行う生理学的検査は令第1条に列挙されている通りであるが、医学上生理学的検査に属するものであってもこれに該当しないものについては臨床検査技師が業として行ってはならないものであること。」 

 次に提示した疑義解釈についての、旧厚生省医務局医事課長通知(1978年・回答)

 「臨床検査技師が臨床検査技師,衛生検査技師等に関する施行令第1条に規定する検査以外の生理学的検査を業として行なうことは許されない。」

 これらに対する医師(管理者)の見解が、甚だしい噴飯物で、ただただ呆れ返るばかりです。

 「無資格者がやってはいけないとは、何処にも書いてないではないか!」

 「何処でもやっていることで、なんの問題もない!」

 かくして、グッドウイル並みの、違法労働行為が、人の命を測る臨床検査の現場で、横行することになり、それも、3ヶ所や4ヶ所にとどまらないところに、はびこった病根の深さがうかがえます。

 医療現場のComplianceよ、何処え行った!  


専門職の偽装労働の数々

2007-08-16 16:59:41 | 臨床検査技師の業務

Photo_29        油断も隙もない、偽装労働の数々(1)

        夕焼け空が綺麗でした。クリックしてみてください。

  8月は、研修会も講演会もなく、、お盆もゆっくり迎えられ、思い切って歯の治療に専念することもできました。

 しかし、臨床検査技師の偽装派遣や偽装の請負、はては偽装の在籍出向等に関する照会や、参考資料の提供を求められることは、後を絶ちませんで、その対応に追われています。

 国家資格をもちながら、これほど翻ろうされ、どうにでもされてしまう専門職も珍しいのではないでしょうか。

 今日は、ある大病院のERで働いていて、退職間近かな臨床検査技師から、こんな相談を受けました。

 ERの責任医師からこんなことを云われた、と言うのです。

 自分が担当していた生理学的検査を、「無資格者に担当させる」。それは「違法行為だ」と進言したのですが、頑として聞き入れない、「こんなこと、許されるのですか?」といった質問でした。

 早速、関係法規や通達をコピーして届けたのですが、「どこでもやっていること」と一顧だにしないで、ほとほと困り果て、「もう諦めます」と云ってきました。

 地域医療の最先端を担う、指導的役割りを果たす大病院でのできごとです。

 どう対応したらいいのでしょうか。この際一緒に考えてみませんか。

 


我が街が、空襲に遭った日(3)

2007-08-03 16:32:38 | 日記・エッセイ・コラム

Photo_28     62年前、クラスター爆弾使用の新事実

                      (朝日新聞社・知的財産センター・掲載承諾済み

 62回目の8月5日がめぐってきます。1945年8月5日、午後10時過ぎ、B29戦略爆撃機の編隊が、前橋市内を空襲し、焼夷弾3,455発、通常爆弾61発を投下し、5百人以上の一般市民が犠牲になり、1万2千戸の家屋が焼失しました。

 ところが、米軍の空爆を研究する群馬県内の研究者が、米国戦略爆撃調査団史料のなかの「作戦任務報告書」に、驚くべき記述のあることをみつけました。 

 2007年8月2日付・朝日新聞・群馬版“語り継ぐ群馬の戦争”<中>「破片収束弾 前橋空襲で投下 米軍資料で実態解明」の記事が掲載され、明らかになりました。

 破片収束弾とはクラスター爆弾ともいわれ、ベトナム戦争でも盛んに使用され、ノルウエー政府の提唱で08年までに禁止条約の制定を目指しているものです。

 米軍の資料にはこうあります。

 「焼夷弾投下後に投弾される破片収束弾の効果によって、火災の消火力が妨げられるならば、住宅街の木造建築物と小さな織物工場は、焼夷弾に起因する大火災をおこすものと思われる」

 空中で散開し、地上に落下すると同時に、多数の金属片が四方八方に飛散することによって人を殺傷することが目的で、非戦闘員である一般市民の殺傷を狙った、間違いない無差別爆撃でした。

 民家や機織工場まで攻撃対象にしていたことは、他の国内主要都市では例を見ないもので、厭戦気分を掻き立てることが目的であり、既にこのとき使用していたことは、驚愕の事実であります。

 B29は、この前橋空襲の、まさに「ついでに」我が街に飛来し、40数発の焼夷弾を投下、盲目の親友「さぶチャン」が焼き殺されたのでした。

         (株)朝日新聞社 知的財産センター 承諾済み

          朝日新聞 2007年8月2日付 群馬版より転載