社会保険病院・厚生年金病院、存続の危機!
「今なら勝てる」と目算狂いの参院選のあおりを受けて、法案成立目前で廃案にしてしまった、社会保険病院52ヶ所、厚生年金病院10ヶ所の存続が怪しくなりました。
どちらの病院も、地域医療の重要な拠点病院です。
これを運営してきた、独立行政法人・年金・健康福祉施設整理機構(RFO)を、9月末で解散する法律を先に決めてしまって、参院選に突入。
選挙で勝ったら、簡単に新しい受け皿となる独立行政法人「地域医療機能推進機構」を設ける法案が審議に入る予定が、審議未了となっています。
政権与党の惨敗で、臨時国会召集、9月の民主党代表選等を前に、9月末までに、野党の協力も得て早急に継続運営する母体を固めないと、運営管理する責任者不在で宙に浮くという、前代未聞の極めて憂慮される事態となります。
果たして間に合うのでしょうか。
地域住民も患者はもとより、多勢の医療従事者も、先行き不安を抱えたまま時が過ぎていきます。
どこの党派が勝とうが負けようが、地域住民や病人や、医療従事者が、とばっちりの犠牲になることだけはご免蒙りたいものです。
急展開するコ・メディカルの業務拡大
医師不足対策の一環
ここ3週連続して土曜・日曜と、医療研究全国集会と新潟県医療研の助言者、金沢で臨床検査技師のスキルアップ講座の講演と連続しています。
一方、少し目を転じると、「チーム医療推進検討会」「特定看護師認定制度・厚労省作業部会」「日看協・業務拡大ワーキング・グループ」「中医協DPC(評価)分科会再開」など、検査の外周辺の動きは目まぐるしい急展開を遂げています。
講演や助言の内容も勢い、『叱咤激励』調になります。
検査の24時間体制問題、違法当直から交替制勤務への移行の困難さ、病棟や外来での技師の出前採血問題などなど、相も変わらず同じ難問の繰り返しです。
検査室に閉じこもっていては「臨床」の二字が泣きます。大辞林によると“臨床”とは「病床に臨んで実地に患者の診療に当ること」と書いてあります。れっきとした医療行為です。
検査のための“採血”も、患者の血管に侵襲を加えることが許された、明らかな医療行為です。
業務範囲が拡大するのにともなって、責任は一層重くなってこそ、専門職としての存在価値と使命感がわいてきます。
一歩でも、「臨床」に踏み出して、24時間、患者がいつでも検査を受けられる権利を保障することが求められている、・・・・などと、もっともらしい説教を続けている昨今です。