以前現場に搬入された、木加工材料。下端(したば)は平らで、天端(てんば)が勾配となった箱と長方形の板。
ようやく紹介することができました。現場ではもうすでに設置されているんで、現場見学された方はご存知ですが写真を撮ってきたので掲載させてくださいね。
実はこの場所に設置したのです。この写真は設置する前の現況写真。
こちらの現場は屋根が一部、折半葺き仕様となっています。これは、2階を居住スペースとして設計してあることと繋がってきます。
通常、折半葺き(せっぱんふき)は屋根勾配を少なくしたい、屋根下を広く取りたい。そのようなことから、倉庫等に利用されるケースが多いのですが、実は住宅の屋根にも使用することが出来るんです。ただし、気密・断熱・遮音等を考慮し、確実な施工方法を行なうことが必要となります。
そうすることで、天井高さを多く確保できたり、各部屋との一体感を可能とすることが出来ます。
そして何より、今一番問題となっている構造計算。折半葺きにすることで、耐震計算の数値緩和を確保することも出来て、建物の耐震にも繋がるんです。
また、折半においては住宅用なので表面には仕上げ塗装が施されていますし、裏面には断熱材も貼り付けてあるので何の問題もないんです。
ただし、気にすると気になるんですが意匠的に少し引っ掛かるんですね。
そこで登場したのがこの木加工材。
大工さんにお願いし、造ってもらいました。そして先日、設置が完了した状況です。
こうすることで、折半葺きの横断面を視界から消すことでスッキリとさせました。
天端の勾配は、パラペットの勾配と合わせるためだったんです。こうすることで一体感を生むことも出来ます。
次回はこの折半葺きによって、室内にどのような空間をもたらす事ができたのかを紹介したいと思っています。