たまてばこ新聞

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「若き見知らぬ者たち」観てきました。

2024年10月29日 13時29分09秒 | 洋画、邦画など
 10月22日、貸し切り状態の映画館で観てきました(映画終了後明るくなるまで一人だけと気づかず/汗)

 若年性認知症の母親を介護に追われる主人公の青年、その日一日を必死に生き抜く彼の姿の描写が本当に凄絶でした。巧みなカメラワークをはじめとした演出により、たびたび少年時代の過去映像も挿入され、彼が選択の余地なく介護者として生きなければならなくなった様子が伝わってきました。主演磯村勇斗さんのリアリティあふれる演技も素晴らしかったです。

 主人公、彩人はいわれなき理不尽な暴力によって命を落としてしまいますが、物語はまだ中盤。ここから、残された周囲の人々の描写が克明になっていきます。特に、弟の壮平が総合格闘技のタイトル戦に挑む姿は後半の大きなドラマでした。クライマックスの試合シーンが、前半の鬱屈を晴らすようなパワーと勢いで迫力満点!ダメージを負いながら最終的に勝利しチャンピオンになった時はリングサイドで応援したかのような興奮を覚えました。

 社会性の強い作品ですが、どうしたらこんな世の中が良くなるのかという問いかけは無く、未来は観た人の心に委ねられています。彼らのような人々が現在進行形で生活をし、自分たちの隣にいる、そのことは忘れないようにしなければ。

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「箱男」観てきました。

2024年09月02日 16時24分50秒 | 洋画、邦画など
 8月27日、観てきました。阿部公房という作家の名前は学生時代に聞いたことがあり、なにか難解な内容の小説みたいだ、程度の知識しかありませんでした。

 今作は、ダンボール箱を被った男の一大冒険譚のようなストーリーに見えます。高速移動したり同じ箱男とバトルしたり、なかなかおもしろい。しかも、箱の中は四次元ポケットのように広く様々なアイテムが装備されていて、楽しそうでした。

 1970年代かと思いきや、現代のツールも使用されており、時代のミックス具合も絶妙。ダンボール箱からして乾燥機付き洗濯機の箱ですからね♪

 特におおげさなクライマックスがある訳でもない為、途中少し眠気を覚えたりしましたが、箱男と箱男になりたい男たちの思いは伝わってきました。最後の「実は…」なシーンはある程度予想の範疇で驚きはなかったです。スクリーンの縦横比がまさに、ですよね。

 箱、ちょっと被ってみたくなる作品でした。

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「マッドマックス」「マッドマックス2」観ました。

2024年08月26日 13時23分15秒 | 洋画、邦画など
 1作目は映画館のスクリーンで8月7日に、2作目は配信で鑑賞。

 1979年公開作品(2作目は1981年)ということで、CG合成が当たり前になった今、初見だと古さを禁じ得ないところが多々。観ながらツッコんでしまった(汗)。

 主人公の外見、終末を迎えた世界、どちらも北斗の拳に似た部分があるけれど、やはり今作がモデルになっているのかしら…?

 あと、説明セリフがほぼ無く、どのような過程で世界が荒廃したのかがわからないまま、作品世界に放り出されます。でもそのおかげで物語に没入しやすいですね。そして、これでもかと続くカーチェイスからの接触&激突&破壊!実機壊しまくりの思い切りよさに何だかスカッとした気分になります。

 当時は中東情勢が不安定だったり、70年代のオイルショックが印象にまだ残っていたりと、石油の貴重さが強調されていました。だから、必死になってガソリンを奪い合う訳です。今もまだ石油系燃料に頼る時代、さて、いつまで続くんだろう?
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「クワイエット・プレイス DAY1」観てきました。

2024年07月31日 14時19分55秒 | 洋画、邦画など
 よく聴くラジオ番組にてこの映画の紹介があり、興味を惹かれたので、7月11日に観に行ってきました。

 まず、何の前触れもなく大量のクリーチャーに襲われるところが怖い!!当然クリーチャーの姿も怖い!!耳だけが異常に発達した外見とか…(ただし哺乳類の耳の発展形にも見えるので人工生命体なのかも??)

 そんなパニック状況の中、余命幾ばくもない主人公の女性が、命尽きる前に思い出の場所を訪ねたいという願いを叶える為、危険を冒しながら前へと進んでいきます。連れている猫がちょいちょいいなくなり、勝手に戻ってきたと思えば決死の覚悟で探しに行ったりと、「猫、自由だなぁ~」と少しツッコミたくなったところも(苦笑)。

 クリーチャーがどの程度の音に反応するのか、についても、たまに「この音でやってこないの?」と思う時もあったりと、ちょっぴりB級っぽさもありつつ、迫力満点の特撮映像に「とりあえずまぁいいか」な感じで流せました。あまり細かい点を指摘してもつまらない。

 クライマックス、途中知り合った男性(と猫)を船で脱出させる為、自らが囮となります。思い出の店でのマジックを見せ励ましてくれた男性を、今度は自分が守る側に変わるこのシーンはとても感動的でした。

 クワイエット・プレイスは前2作あるそうですが、知らなくても十分楽しめました。というか、その2作アマプラにあったので早速鑑賞。良い時代になったものですねぇ。

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「あんのこと」観てきました。

2024年07月31日 13時36分07秒 | 洋画、邦画など
 7月10日、一人で観に行ってきました。

 親からの虐待や売春強要から薬物依存になってしまった女性「あん」が、差し伸べられた救いの手を握ったところから始まる再生の物語…のはずが、新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言の影響を受け、最後は悲しい結末となってしまうストーリー。

 夜間中学で学び直しを始めたり、理解ある職場でやりがいを見つけ出したり、と少しずつ前向きになり始めるところは本当に心温まる展開でこのまま続きますように…と願ったのですが。

 最終的に足を引っ張ったのは自らも心を病む母親でした。辛過ぎて胸がぎゅっと締め付けられました。

 シングルマザーから預かった(押し付けられた)子どもに希望を見出していたのに、それすら奪い、売春を要求するなど信じられない…けれど世の中にはこれと同じ、いや、それ以上の酷い話があるそうです。辛い。

 ラスト、自分達の力の無さに悔しさをにじませる(元)刑事と記者の二人に感情がシンクロしました。「あん」役の俳優さんの、無表情から少しずつ感情を見せていく様子がとてもナチュラルで良かったです


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