録画したまま2年近くも保管してしまったアニメです(汗)。やっと蔵から出してきて広げた感じですね…はは。
時代背景が昭和初期の大戦前というところに惹かれました。フィクションなのですが、基本的な歴史は学校で習った日本史そのもの。不穏な空気が流れる中、一種の超能力を持った数人がチーム(?)を組み社会の裏から揉め事を解決していく感じで始まりました。なので、普通にヒーローものかなと思ったんですが…。ところがどっこい、話が進むにつれて個々の力では手に負えない大きな流れにキャラクター達が飲み込まれる展開に(汗)。結局超能力では歴史は変わらず、じゃなかった変えずに現在の日本に落ち着いた…ところでエンディングとなりました。
興味深かったのは、高千穂勲が語った「抑止力としての強力な兵器の存在価値」。これは今の核抑止の考え方に通じる部分で。もしかしたら当時もそう考えられていたのかなとも思える描写でした。もし日本が先に開発していたら…などと思ったりもしましたが、実際はそうではなかったですよね。その他にも、戦争を起こす為の主義主張=大義名分のやりとりなど、ある意味、タブーとされてきた部分へスポットを当てていく試みには最後まで驚かされました。
ただ、終わり方は少々納得いかないというか…葵達が力を合わせれば歴史も(少しは)変えられたのでは?と思うので。リアル追求なのか、「if」をやって見せるのかどっちともつかなくて消化不良な感がありました。戦争が歴史通りに起きて原爆も投下されてしまいました。沢山の人が死んだのですから、どうして足掻かなかったのかと思わずにはいられません。でも、日本のTVアニメではなかなか見ることのない、戦前の日本文化の描写、上海のにぎわいなどは勉強になりましたし、満州事変への流れなど、歴史について考えさせられる場面も多かったです。
キャラクターは大人っぽくてどのキャラもステキでした。感情豊かな葵と軍人気質な葛は噛み合わないところが逆に魅力でしたし、清楚な雪菜と彼女に仕える寡黙な棗の主従コンビも良かったです。一番感心したのは、声優さん達が中国語やドイツ語などの外来語でセリフをこなされていたこと。これは本当に驚きでした。きっと苦労されたんだろうな…。
後で知ったんですが、第7話は諸事情により話が差し替えられているそうですね。本来の内容はやはりTVの電波にはのせられないのかと思い、まだまだタブーは存在するんだと痛感しました。難しい…