観劇に関して独立して記事にしたことはなかったのですが、
ロンドン、ロイヤル・オペラ・ハウスでのオペラが忘れがたいものだったので、書き留めておこうと思います。
‘The Minotaur’ (『ミノタウロス』)。
オペラの形式としてはモダンで、歌詞は英語で書かれています。
ミノタウロスはギリシア神話のなかに登場し、
古代クレタの迷宮(ラビリンス)に閉じ込められていたという半人半牛の怪物です。
あらすじ等は、
こちらのブログに大変詳しく紹介されています。
指揮:リアン・ウィグレスワース(Ryan Wigglesworth)
舞台監督:ステファン・ラングリッジ(Stephen Langridge)
アリアドネ:クリスティーヌ・ライス(Christine Rice)
テセウス:ヨハン・ロイター(Johan Reuter)
ミノタウロス:ジョン・トムリンソン(John Tomlinson)
ハゲタカ:エリザベス・マイスター(Elisabeth Meister)
ラビリンスのシーン。(ロイヤル・オペラ・ハウス公式サイトより。)
これがもうダークでダークで・‥、
舞台はいつも暗く鬱々としているのに加えて、演出は凄惨を極めます。
ミノタウロスが去ると犠牲者の周りにはハゲタカが集まり、心臓を掴み出すことまで・‥。
前半が90分あって、普通に座っているだけでくたびれます。
苦手な人にとっては、永久に終わらないのではないかと思えるのでは。。
この日の席は最前列だったため、舞台の迫力はもの凄かったです。
劇の途中でパニックに陥った観客が叫んでいるのが聞こえたり、
気分が悪くなってしまった人が休憩中に倒れこんだりするのを見たりして、
無事で帰れるかしら・‥と不安に。
休憩中に何かいただく気にもなれず、うなだれて座っていると、
お隣の席の方が話しかけてくれ、、
こーんなのフィクションよっ!
これがダメなら、タランティーノなんて観られないじゃない
と、豪快に笑い飛ばしてくれて助かりました。
ブラジルから休暇でやって来たというマダム、素敵すぎです。。
前半で帰ってしまう観客も結構いて、どうなってしまうのかと思いきや、
幕が降りるとやんややんやの大喝采。
好き嫌い、というか、面白いと思う人と全く受け付けない人と、
こんなにはっきり分かれる舞台は初めてでした。
とにかく、歌手が役から素に戻ってカーテンコールに応えるのを見ると、
これは劇なのだ、と臨場感をメタに落とし込むことができます。
悪い夢にうなされないで済みそう・‥ほっとした~~
ミノタウロス役のジョン・トムリントンは、
この日がロイヤル・オペラ・ハウスに立って20周年のアニバーサリーだったそうで、
最後には大きなケーキが登場して一気に祝福ムードになりました
また観に行けるとしたら、今度はぜひ桟敷席で。
*追記*
カテゴリーに「シアター」を設定しました。
オペラや映画などの感想をちょこちょこ書き留めていきたいと思います。