デュッセルドルフ市街地、カーニバルのパレード。
今日はひな祭りでしたね
今の時期は、キリスト教、とくにカトリック圏ではカーニバルの季節です。
カーニバルのもともとの意味は、
ラテン語の“carne vale”、“carne levale”(=肉よ、さらば)。
ドイツ語では“Karneval”(カーネヴァル)や“Fastnacht”(ファストナハト)といわれます。
ついでに「ファスト」の“Fasten”は断食という意味です。
「ナハト」は夜のことですが、ここでは「前夜」くらいの意味合いでしょうか。
カーニバルは宗教的な意味を離れて、単にお祭りや大騒ぎという意味になることもありますが、
成立を考えてみると、なかなか面白いのですよ
キリスト教世界では、3月末~4月後半にイースター(復活祭)が盛大に祝われます。
イエスは十字架にかけられ、ここで人間としての死を迎えますが、その3日後に復活したとされています。
この復活により、イエスは死を超越した存在となり、キリスト教とその教義がはじめて成立することとなります。
この復活を祝うのが復活祭、イースターです
(復活祭は「春分後の最初の満月の次の日曜日」とされているため、日にちはその年によって異なります。)
捕らえられ、十字架にかけられる前には、イエスは荒野で断食の修行をしていたとされています。
そのため、キリスト教では復活祭前の40日間を四旬節といい、イエスの苦しみを思い、禁欲的な生活を送ることが奨励されています。
この四旬節の最初の日は「灰色の水曜日」といわれ、午前中、ないしは一日断食をする人もいます。
「禁欲的な生活」をよく表しているのが毎日の食事です。
具体的には、四旬節中、特にイエスが十字架にかけられたとされる金曜日には肉を食べることが慎まれます。
肉はご馳走で贅沢なものであり、快楽のイメージとも結びついてきました。
ここまでくると話が見えてきますね
禁欲的に過ごさなくてはならない四旬節前の数日間が肉を食べることに感謝するお祭り、つまりカーニバルというわけです。
ドイツ語での「断食前夜」というのも、頷けるのではないでしょうか
カーニバル期間はおおいに食べること、飲むことを楽しみます。
イベントが太陽暦に即しているところもミソ。
日が長くなったり、短くなったりという現象は原初的な祭事と結びつきやすく、
自然のサイクルに則ることは、宣教にあたって人々に受け入れられ易いという利点があったことと思われます。
カーニバルというと、華やかな扮装やにぎやかなパレード等、多彩なイメージがありますが、
ここには春の到来を祝う祭りや農耕祭といった各地の風習が同化、吸収されて
その土地土地で独特のカーニバルを形成していったことがうかがえます。
数世紀前には、カーニバルは民衆の不満をガス抜きする目的でも行われたなんていう話もあり、
あまりの乱痴気騒ぎぶりに若い娘は家に隠れなければならないこともあったそう。
さて、ドイツではケルンやデュッセルドルフのカーニバルが有名です
この辺りでは、四旬節直前の月曜は「薔薇の月曜日」と呼ばれ、
趣向を凝らした山車がパレードを行ない、お菓子がたくさん撒かれます。
人々はおもいおもいに仮装して街に繰り出します。
市庁舎前の様子。
建物がデコレーションされて、人が集まってきます。
色々なコスチュームがありますね。
パレードが始まりますよ~
多くの組合、企業、団体が山車をだしています。
お祭りの主体がこうした出し物なのは、商業都市デュッセルドルフならではなのかもしれません。
お菓子がまかれます!
手を伸ばしてキャッチできるか!?の図。
本日の戦利品
パレードの後は、飲みに繰り出す人が多いよう。
至る所で音楽が流され、もう大騒ぎです。
祭のあと。
送風機での掃除が始まります。
いつの時代も民衆の力は押さえ難いものであります。。