tamagoのドイツ滞在記

ドイツ、キールに住んで、体験したことや思ったことを書きとめていくブログです。

ドイツワインのこと その2

2013年07月16日 | 料理、食材、レシピ





ドイツワインの予習、第二弾です

ドイツワインのラベルを見ると、産地や等級が書かれています。
等級については、1971年に制定されたワイン法によって名称や品質、概念の整理がされています。


この等級について、簡単に整理してみます。


ドイツワインの等級は、収穫時のブドウの成熟度によって分類されます。
成熟度は、「エクスレ度(Oechslegrade)」という単位で表されています。

エクスレ度は糖度の測定方法で、1リットルの果汁が同量の水よりどれだけ重いかで表されます。
(水より重い部分は糖です。)

ということは、、一般的にブドウの成熟度、エクスレ度が高くなるに従って、
糖度が上がる、つまり甘口になるということですね



では、具体的にワインにどのような等級があるのかを見ていきましょう。
一覧を下るにつれて、成熟度が高くなっていきます。


まず大まかにドイツワインの品質は2種類、
ターフェルヴァインとクヴァリテーツワインに分けられます。


●ターフェルヴァイン(Tafelwein)

「ターフェル」は、英語の「テーブル」に相当します。
テーブルワインというと分かりやすいかもしれません。

このなかでも以下の2つの等級があります。


1、ドイチャー・ターフェルヴァイン(Deutscher Tafelwain)

規定された品質をクリアしたドイツ国内のブドウから作られたワインです。
ブドウは、5つのターフェルヴァイン生産地域に限定されています。
ラベルには畑名は書かれません。
ぶどう品種も限定されています。
補糖でアルコール度数を上げることが許されています。


2、ドイチャー・ラントヴァイン(Landwein)

いわゆる地酒のこと。
ターフェルヴァインよりも成熟度の高いブドウから造られます。
ブドウは、ドイツ国内の20のラントヴァイン生産地域に限定されています。
辛口、または半辛口の味わいです。
補糖でアルコール度数を上げることが許されています。



●クヴァリテーツヴァイン(Qualitaetswain)

上質ワインと肩書き付上質ワインの2つの等級に分類されます。

肩書き付上質ワインは、さらに6つの肩書に分けられています。


1、上質ワイン(Qualitaetswein bestimmter Anbaugebiete)

短縮してクヴァリテーツヴァイン(Qualitaetswein)、
または、クー・ベー・アー(Q.b.A.と呼ばれることもあります。
特定のワイン生産地域で収穫されたブドウだけで造られます。
ラベルには収穫年、指定地域名、公認検査番号(略してAPNr)、生産者名、Q.b.Aの表示が必ず入れられます。
補糖が許されるのはこのクラスまでとなっています。
このクラスのワインは一般に若いうちに飲むのが美味しいとされています。(※例外あり。)


2、肩書き付上質ワイン(Qualitaetswein mit Praedikat)

短縮してプレディカーツヴァイン(Praedikatswein)、
または、クー・エム・ペー(Q.m.P.)と呼ばれることもあります。

さらに、6つの肩書き(プレディカート)に別れており、
ラベルにQ.m.p.の表示とともに明記されています。


以下、収穫時の成熟度の順に6つの肩書きを説明します。


2-1、カビネット(Kabinett)

通常に熟した葡萄から造られたワインです。
辛口から甘口まであります。


2-2、シュペートレーゼ(Spaetlese)

シュペートレーゼは「遅摘み」という意味です。
通常の摘み取り時期よりも、一週間以降に収穫された葡萄からつくられます。
辛口から甘口まであります。
甘口のものは、ワインだけで楽しむこともできます。


2-3、アウスレーゼ(Auslese)

十分に過熟した葡萄の房を選んで造られたワインです。
収穫年によっては、貴腐菌が付く場合もあります。
必ずしも甘口だけとは限りません。


2-4、アイスヴァイン(Eiswein)

十分に過熟した葡萄を霜が降りて凍結した状態で摘果、搾汁して造られるワインです。
極甘口のデザートワインです。


2-5、トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese)

超過熟し、貴腐菌が付いた果粒でつくられたワインです。
「トロッケン」は英語のドライに相当し、「辛口」という意味もありますが、ここでは「干からびた」という意味でつかわれています。
芳醇で極甘口のデザートワインです。






もういっちょ!
ブドウ品種のことにも触れておきましょう


千葉ドイツワイン協会のHPに品種ごとの特徴が分かりやすく
まとめられているので、一部引用いたします。

サイトはこちらです → http://dwgchiba.web.fc2.com/index.html



【ブドウ品種】

〈白品種〉

・リースリンク:
ドイツワインの柱となる品種。
淡い黄色から緑色がかった黄色の色合い。
ほのかな桃やりんごの香り、口の中ではキリッと引き締まった酸味が感じられます。
辛口から中辛口のリースリングは特に蒸した淡・海水魚や、
あっさりしたソースでいただく肉の煮物類、鶏肉類によく合います。

・リヴァーナー(ミュラー=トゥルガウ):
リヴァーナー、別名ミュラー・トゥルガウはドイツのブドウ品種改良史の中で、
最も古く、また最も大きな成功を遂げた品種です。
この品種から出来るワインは、気軽に飲め、バランスのとれた味わいです。

・シルヴァーナー:
シルヴァーナーはマイルドな酸味を持つ、しなやかな印象のワインで、
時にはほのかな土の香りが感じられます。
特に白アスパラによく合います。

・グラウブルグンダー(ルーレンダー):
グラウブルグンダー、別名ルーレンダーは、シュペートブルグンダーの突然変異により生まれた品種です。
グラウブルグンダーと表示されているワインのほとんどは辛口ワイン、
一方ルーレンダーと表示されているワインの多くは甘口ワインです。
辛口のグラウブルグンダーは魚介類や味がしっかりした海水魚の料理、
パスタ、仔羊肉やソフトチーズなどによく合います。

・ショイレーベ:
ラインヘッセン地域、ファルツ地域そしてナーエ地域で主に栽培されます。
ショイレーベのワインのほとんどが格付上級ワイン(Q.m.P.)として仕上げられます。
また甘口のワインが多く、カシスなどの香り豊かなワインです。
スパイシーで香り高いアジア料理のパートナーとしても最適です。

・ゲヴュルツトラミーナー:
最も古い品種の一つ。
このアロマが豊富でスパイシーな品種は、素晴らしいバラの芳香を放ちます。
フルーティーなソースでいただく鳥肉の料理、その他エスカルゴや
スパイシーで香り豊かな煮込みシチューなどともよく合います。
また、脂肪分の多い青カビのチーズとの相性は、最高です。




〈赤品種〉

・シュペートブルグンダー:
フランス語では「ピノ・ノワール」と呼ばれ、赤ワインの代表品種です。
シュペートブルグンダーのワインは、味わいが豊かで、口当たりが大変柔らかです。
甘味を感じさせる赤い果実の芳香を持ち、例えばイチゴやサクランボ、木苺やカシスのアロマを放ちます。
ローストや野獣肉類との相性がよく、また様々な種類のチーズにもよく合います。

・ドルンフェルダー:
ヘルフェンシュタイナーとヘロルドレーベという品種を掛け合わせて開発されました。
ドルンフェルダーからは主に辛口のワインが作られます。
フルーティーなアロマを最大限に生かすものと、よりタンニンを強調するものがあります。

・ポルトギーザー:
他の品種に比べ、ややアルコール度数が控えめ。
ライトで口当たりのよい飲みやすく、爽やかな酸味を持ち、
カシスやコケモモ、イチゴや木苺の上品な香りが感じられます。
比較的軽めの食事と気軽に合わせることができます。

・トロリンガー:
ブドウの成長と成熟に時間がかかるため、ドイツ南部の生産地域に集中して栽培されます。
フレッシュで味がしっかりしていて飲みやすい。
軽口でキレのある独特の風味を持ちます。

・レンベルガー(別称ブラウフレンキッシュ):
比較的ライトでフルーティーな赤ワインから、エキスとタンニンが豊富でコクと厚みがある赤ワインまで
幅広いタイプのワインが作られています。
ワインの色合いは大変濃く、黒味をともなった赤色です。
ワインの香りには木苺やプラム、カシスのアロマを感じる事ができます。
グリル料理、鶏肉や仔羊肉の料理、またよく熟成したチーズなどにもよく合います。

・カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー
温暖化によりドイツで栽培されるようになってきました。

・カベルネ・ミトスとカベルネ・クビン
カベルネ・ソーヴィニヨンとレンベルガ―との交配種。

・レゲント
無農薬、低農薬栽培が可能な交配種。
ビオワインに用いられる。





ちょこっと知識を頭に入れて、いろいろ試してみましょう~


その他、参考にしたサイトはこちらです。

日本ドイツワイン協会連合会 → http://www.dwgjp.com/

ドイツワインの散歩道 → http://www.geocities.jp/himmelswein/index.html


また、ドイツニュースダイジェストで岩本順子さんが連載されている
「ドイツワインナビゲーター」はバラエティ豊かなコラムがあり、
読んでいてとても楽しいです。

ドイツワインナビゲーター → http://www.newsdigest.de/newsde/gourmet/wine-navi/backnumber.html



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