よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

え、本のある生活?

2004年12月20日 | Weblog
妻と高知県立文学館に「すてきな絵本の世界展」を見に行った。
http://kochi-bunkazaidan.or.jp/~bungaku/ehonten.htm

サブタイトルは「コールデコット賞受賞作品を中心に」。
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/caldecot/

 これは1938年よりアメリカで実施されている絵本の賞で、前年出版された絵本のうち、もっともすぐれた作品の画家に対して贈られる。絵本のアカデミー賞といったところか。
 賞の名前は、イギリスで活躍した絵本画家・ランドルフ・コールデコット(1846-1886)にちなんでいる。コールデコットは、近代絵本の父とも呼ばれ、絵本の歴史上もっとも重要な画家のひとり。躍動感のある絵と、奥行きのある世界観で、絵本の世界の可能性をひろげた。39才で夭折したが、のちの絵本画家たちに大きな影響を与えた、とのこと。展示作品の絵本は、青山章子氏(つくし文庫主宰、神戸市在住)所蔵によるもの。

 我々夫婦には子どもが4人あり、彼らが幼い頃には本棚一棹くらいの絵本を買い込んだはずだが、数度の引越で子どもの成長につれ、世話になった幼稚園などに引き取っていただき、手元にはほとんど残っていない。それらの絵本も、この70年近い歴史のある賞に関わる絵本展を観てみると、親の我々の好みで、ピーター・スピアとか安野光雅といった画風に偏っていたのでは、と反省してしまう。もっと親が、いろんな絵本をよく見て、子ども達に案内すべきだったのでは、と思った。

 考えてみれば、自分が子どもの頃、絵本をただ綺麗な楽しいものとだけ見たのではなく、シンデレラの話や不思議の国のアリスの登場人物に違和感というか恐れを抱いたはずなのに、そのような本を自分の子どもに与えた記憶がない。この70年近い歴史のある、いろいろな作風の絵本を見渡すと、今になって子ども達の成長にはいいことではなかったのではないか、と急に思えてきた。

 企画展としての「すてきな絵本の世界展」を見た後、常設展の「土佐日記から宮尾登美子まで」も見た。
 古里高知に、これほどたくさんの文学者が関わっていたことには素直に驚いた。寺田寅彦、安岡章太郎、大町桂月、など読んでみたいものと思う。いつになるかしれないけれど。

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